向日葵は金の油を
向日葵は金の油を身に浴びてゆらりと高し日のちいささよ
この短歌の情景を説明していると、いつも鮮やかな夏の色彩が目に浮かぶ。
見上げるほどに伸びた向日葵の、黄色い花。
「ゆらりと」という言葉が、うだるような暑さの中の陽炎を連想させる。
それは、「金の油」という比喩で、さらに強調される。
そして、最後にいきなり遠景に飛ぶ。
遠くになる、小さなまぶしい太陽。
夏の真っ青な空。蝉の声。・・・そんなものまでイメージされる。
子供の頃。
確かに、見上げるほどの向日葵ごしに、夏空を見ていたことがあった。
いつか見た情景。遠い記憶。
この歌を読むたびに、夏の一瞬が鮮やかに甦る。
そういえば。
今年、ゴッホ展に行った時に買ったひまわりの種。
植えるのをすっかり忘れていた。
来年でも大丈夫かなあ。
できれば、自分の背丈より大きな向日葵の下で、
夏の太陽を仰いでみたい。
子供の頃のように。
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