桜咲く
桜が咲き始めました。
今年はほんとに遅かった~。
ゴールデンウイーク5連休のあたりが
ちょうど見ごろになりそうです。
うちの近所に、町でいちばん大きなお寺があって、
桜がたくさん植わっています。
つぼみがふくらんで、
木全体がぼうっと桜色にかすむようになってきて、
そろそろかなあ・・・と思っていたら、とうとう!
中学の国語の教科書に載っていた随筆「言葉の力」。
筆者・大岡信さんが、染織家・志村ふくみさんのもとを訪れたときの話。
「えもいわれぬような」桜色の糸で織った着物を見せられて、
それが、桜の花びらでなく、桜の木の皮で染められたと聞いて驚愕する大岡さん。
私は、その話を聞いて、体が一瞬揺らぐような、不思議な感じに襲われた。
桜の花のピンクは、それ自体で存在する色ではなく、
木全体が生み出したものである、と。
黒っぽい桜の樹皮に、枝に、目に見えぬ美が潜んでいるのだ、と。
それが春先に花となって、私達の目に映る。
そのことに気づいた衝撃。
桜の花を見るたびに、このエピソードを思い出すのです。
今年もまた、桜が咲き・・・
その花の色は、木全体の生命が生み出したもの。
豪華絢爛な命の輝きに、心ゆくまで酔いしれたいものです。
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