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2007年9月

2007/09/30

さよなら、本プロ

「本のプロ」というサイトで、私は読書日記を書いていました。
本の感想をUPすると、いろんな人がレスを付けてくれて。
すごく楽しかったです。
今年の8月でまる5年になりました。
アップした本の感想は、1192件です。

本読みは世の中に多いはずなのに、
意外と身近にはいなかったりするものです。
それに。
私は子供の頃から本が好きだったけど、
本を読んでいると「マジメ~」と言われて、すごく嫌な思いをしました。
だから、「本を読んでいる」と、あまり人に言わなくなりました。

ところが、本プロに出入りするようになってから。
 「私と同じ本を読んでいる人がいる!」
 「同じことを感じている人がいる!」
 「この人の感じ方は、自分と全く違う!」
 「敬遠していたあの本は、実はおもしろいらしい!」
そんな驚きと感動の連続でした。
お互いにコメントをやりとりすることで、
本を読むのがますます楽しくなったし、読書の幅が広がりました。
そして、「本を読んでいる」ことを、オープンにできるようになりました。

すると、身近なところに「あ、それ、読んだよ」という人がいたり。
「その本、読んでみたいな。貸して?」という人がいたり。
ネットだけでなく、リアルでも、私の本の世界は広がりました。
本プロというサイトに出会ったおかげです。


その本プロが、閉鎖されました。
ひどい荒らしにあったため、です。
今までも何度かありましたが、今回は度を越していました。
ネットの世界にそういうことがある・・・と知識では知っていました。
でも、自分がその渦中に放り込まれるのは、想像すらしませんでした。

実際に経験してみて感じたことは、
これは「暴力である」ということです。
ネットだからできる、非常に理不尽な暴力です。
その暴力に屈してしまうことが、死ぬほど悔しいです。
そんな理不尽なものに、私たちの居場所がつぶされてしまったことが悲しいです。


ただ、本プロの日記オーナーさんたちは、たくましいのです。
それぞれに次の手を打っています。
考えようによっては、「本のプロ」というサイトに集まっていたエネルギーが、これをきっかけにネット上に広がっていく・・・と言えるのかもしれません。

本プロの閉鎖は、残念でしかたないのですが。
それでも、本プロでの5年間で私が得た財産だけは、
誰にも消すことはできません。
これからも、私は本を愛し、読み続けます。

2007/09/28

陽炎の辻「夢まぼろし」

今にも泣き出しそうな山本耕史の顔ってやっぱりいいわ・・・。
なんてことを考えながらの「陽炎の辻」第9回でした。

関前藩のゴタゴタもけりがつき、磐音は身売りした奈緒を追う。
半年後、吉原へ売られた奈緒を追って江戸へ帰った磐音。
彼をあたたかく迎える金兵衛長屋の面々と今津屋。
一方、両替商を狙った押し込み強盗が頻発。
磐音はその犯人を追いつめる。
そして、奈緒の居場所をつきとめたのだが・・・。


前回とは一転、磐音のせつない思い満載の今回。
奈緒を思う磐音の表情ときたら・・・。
こっちまで、涙が出そうになっちゃうじゃないですか。

そして、今回は花の吉原での立ち回り。
この殺陣もなかなか凝ってました。

磐音と再会した時のおこんの表情もよかったです。
しっとりした感じが出てきましたね~。


それにしても、半年経過したという設定で、
磐音は総髪に戻りましたね。
そして、あの何気に派手な着流し姿に・・・。
吉原には似合いすぎていましたが。
色っぽくてよいのですが、磐音の性格には合わない気がするのは私だけでしょうか?

残すところあと2回。早いな~。
終わってしまうのが、とっても寂しいです。

2007/09/26

縄文文化回廊

「北の縄文文化回廊 in岩手2007」に行ってきました。

津軽海峡をはさんで、道南から北東北にかけて、
縄文時代に一つの文化圏があった・・・ということで。
そのエリアの遺跡からの出土品、ざっと200点あまり。

予想以上に見ごたえがありました。

縄文土器って、芸術品ですね。
あの紋様の多様さにうっとりしてしまいました。
独特のエネルギーを感じるフォルムも。

今回一番印象的だったのは、
北海道恵庭市のカリンバ遺跡から出土したアクセサリー。
漆塗りの櫛や耳飾り、首飾り。
それらは、目に鮮やかな赤。
目を奪われました。
この遺跡の土坑墓群からは大量の装身具類が出土し、
「縄文時代で最も豪華な墓」と言われているんだそうな。

もう一つ。
子供の手形・足形がおされた粘土板。
何のために形をとったのか、はっきりわからないらしいですが。
大きさからいって、赤ちゃんのものらしい。
子供の成長記念、健康を祈るもの、という説と、
亡くなった子の形見という説があるそうな。
裏面には、粘土板を押し当てた時の親の指の跡もあるそうです。
「数千年前の人の生きていた証」・・・めまいがしそうでした。

たっぷり1時間。
縄文時代にトリップしたひとときでした。

2007/09/25

素直が一番

今日、初めて落語を生で聞きました。


落語はもともと興味があるのですが、それほど詳しくなくて。
テレビなんかで見たことがある程度。
うんと有名な噺は一応、知ってるかなあ?というくらい。

噺家にして名探偵の円紫師匠が登場する、北村薫の「円紫さんと私」シリーズ。
まだ真打ちになれない不器用な噺家が主人公の、佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」。
このへんの小説も大好きですが。


お芝居でもそうですが、やっぱり生は全然違います。
表情とか、声音とか、しぐさとか、迫力があるのです。
で、すごくおもしろい。
二ツ目の立川談修さんは、一生懸命さに好感がもてたし。
桂小文治師匠は、さすが!という感じでした。
ストーリーらしいストーリーもないのに、サゲまで一気に淀みなく流れていくのです。

子供向け・初心者向けに、すごく簡単な噺で。
でも、本当に笑いました。
子供から大人まで、ケラケラ、アハハ、と。

いろんな決まりごとなんかを解説してくれたのも、おもしろかった。
「へえ~」ということ、たくさんありました。

とにかく、お二人ともサービス精神旺盛で、
その姿にプロとしてのすごみを感じましたね。


最後に師匠がおっしゃったのは、
「人間、素直が一番!」ということ。
深く頷く私なのでした。

2007/09/24

眠くて眠くて

陽射しはまだジリジリと暑いですが、
すっかり秋の風になりました。

今日は午前中にお墓参りに行ってきました。
すばらしい秋晴れで、なんだか気持ちよかったです。

そして、午後からはくうくうとお昼寝。
これまた、最高に気持ちよかった~。


実家の私の部屋、窓際にダンボールを積み上げてる場所がありまして。Photo

その上にコタツ敷きを載せておいたら、このお方、そこが気に入ったようで、適度な大きさに広げてしまわれました。
最近は、いつもその上でくつろいでらっしゃいます。
窓際なので、バックにはカーテン。
たまに窓の方にずり落ちてることもありますが(笑)

で、今日はこのお方もとっても眠かったらしく。
カメラを向けると、いつも嫌がるのに、今日はそれどころではなく・・・。Photo_2

アコちゃん、熟女として、その大あくびはいかがなものかと・・・。

アコ「寝ても寝ても眠いんだも~ん。
   お姉だって、寝てばっかりいたくせに~」

いや、それはそうなんだけどね。

アコ「眠いんだから、ポーズなんかキメてらんないよん」Photo_3

ああ、肉球全開・・・。
でも、ある意味、ポーズきまってますわよ。

2007/09/22

包帯クラブ

「友達の気持ちを感じ取って、共感して、それを相手に伝えよう」ということを学習する授業を見ました。

それはとても興味深いものでした。
が、「そんなことまで学校で教えなきゃいかんのか・・・」と、
非常にフクザツな気分になったのも事実。

実際、他人を理解するなんて、とんでもなく難しいことだし。
逆に、人を傷つけるのなんか簡単なわけで。
無意識にやっちゃうこともあるけど、意図的にやってることだって、ある。

私も、最近、意図的な悪意(変な日本語だ・・・)にさらされて、
ちょっと気が滅入っていました。

で、ちょうどその直前に読んだのが、天童荒太「包帯クラブ」
高校生たちが、自分たちが傷ついた「場所」に包帯を巻くことで、「心の傷の手当て」をする話。
映画化もされましたね。
ああ、これだな、と思ったわけです。
そんな包帯で、起こった出来事が変わるわけじゃない。
でも、「手当て」はできる。
もしかしたら、少しは効くかもしれない。

包帯を巻こう、と思ったのです。
私が傷を負った場所に。
本当に包帯を巻くのは、物理的に不可能な場所なので、
心の中で、包帯をぐるぐると。

ほんの少し、癒された気がしました。
イライラして、悲しかったのが、少し消えました。
自分なりに、この事態を乗り越えたいなと思えました。

人と関わって生きていくのは、時に難しいこともあるけど。
傷を負ったら、包帯を巻いて・・・そうやっていくのも、いいかもしれません。

2007/09/20

陽炎の辻「対決の晩夏」

うお~、殺陣だ~!殺陣満載だ~!

というわけで、第8回「対決の晩夏」です。

磐音が関前藩に帰り、いよいよ家老派の陰謀をたたきつぶす!
中居様ともども、磐音、大活躍です。

もう今回はひたすらシリアス磐音で、
それはそれで、眼福でございました(笑)

見所は、とにかく殺陣でしょう!
これでもか、これでもかと・・・。
45分の放送時間に殺陣の占める割合を計ってみたくなりました。
今回は、ちゃんと藩士としての剣でしたねえ。
しかし、最後の小川直也はどうだろう・・・。
あれは・・・プロレス?

それにしても、あれだけ血が流されたこの一件、
なんだかあっさり決着してしまった気がするのは私だけでしょうか。
いや、磐音が活躍してくれれば、それでよいのだけど。

そして、家の窮乏を救うために身売りしてしまった奈緒さま・・・。
せつないですねえ。
次回は、奈緒さまがからんでのせつない話になりそうですね。
そして、磐音さん、総髪・着流しに戻ってましたね、予告で。

ちょいと仕事に追われていて、腰をすえて見る余裕がなかったのが悔しい。
でも、山本耕史のアップは、今週も堪能しました(笑)

2007/09/17

陽炎の辻「指切り」

うう、おきねちゃんが・・・(涙)

先週、木曜日ちょっとバタバタしていたので、録画してもらいました。
自分のビデオが故障中なので、実家で見てきました。
終盤、とっても悲しい展開になってしまい、涙が・・・。
でも、なぜか今まで「陽炎の辻」を見たことのないはずの弟が一緒にビデオを見ていて。
泣き顔を見られて、非常に恥ずかしい思いをしてしまいました。


さて、第7回「指切り」は・・・。
関前藩の家老の陰謀がいよいよ明らかになり、
磐音は関前に戻るよう促される。
一方、長屋の住人おきねが働く矢場の用心棒をつとめることに。
そこにやってきた矢場荒し。
おきねが賭け矢の勝負を受けるも、惜しくも敗れる。
磐音は刀で勝負を挑み、金を取り返すが・・・。

賭け矢のシーンなど、全体的にピリピリした緊張感が漂う回でした。
おきねが磐音を慕っているのが今回はとても微笑ましく、
それだけに、最後は悲しくてしかたなかったです。

前回はやりきれない終わり方でしたが、
今回は磐音が「鬼になり申す」と、仇をとったとこが大きな違い。
でも、おきねちゃんは帰ってこないのですよね。
品川さんの絶叫が、悲しかった・・・。

今回、初めておこんをきれいだと思いました。
関前に旅立つ磐音を見送る場面で。


山本耕史の表情には、つい見とれてしまいます。
おきねと指切りした後の表情とか。
なかなか見られない怒る磐音とか。
微笑んでるところも、すごく好きです。

でも、お気に入りなのは、ごはんを食べてる磐音かもしれない。
すごい勢いで、ぱくぱく食べてるんだもん。かわいい♪


次回はいよいよ関前で、家老派との対決です!

2007/09/15

カモシカを見た日

水曜日のこと。

裏山に、カモシカが2頭、姿を現しました。
1頭は大きくて、もう1頭はひとまわり小柄な。
親子なのか、夫婦なのか。

わいわい騒ぐ私たちの方を眺めながら、
のんびりと草を食んでいました。

岩手の田舎に住んでいますので、
カモシカを見るのは初めてではないのですが。
なんだかずいぶん悠々としていて、
こちらもかなり長い時間眺めていました。

実際、近くに来たら怖いんでしょうけど。


今、町内のあちこちで、すごい勢いで木が伐採されていて。
売れるらしいんですね、高値で。
それに、共有林なんかも管理するのが大変になってきて。
それじゃあ、売っちゃおうということになってるらしい。

あんなに木を切ってしまって、
カモシカや山にすむ動物たちはどうなるのかしら・・・と不安になります。
でも、管理が大変なのもわかるし・・・。

人と動物と自然と。
うまく共存していく道は見つからないものでしょうか。

2007/09/11

ぐるりのこと

あれから何年経っただろう。

ちょうどこうやってパソコンに向かっている時だった。

つけっぱなしのテレビが、なんだか妙に騒がしく。
もうニュースの時間なのに、なんでこんなにうるさいの?と思って。
テレビを見た瞬間、目を疑った。

9月11日、深夜。
人類史上最悪のテロ攻撃。

私はその夜、普通に眠れたんだろうか。
次の日、人と話すのが億劫だったことは覚えている。
今、目の前に起こっていることを現実だと認識できないような。
怒りも悲しみもわいてこなくて、自分の中が空っぽになってしまった感じ。

今でも、あの事件をどう受け止めていいのかわからないし。
その後の泥沼のイラク情勢と、大国の傲慢も、
その泥沼に片足突っ込んで身動き取れなくなっているこの国のことも、
考えると気が滅入る一方で。
いつしか「考えない」癖がついた。

最近は、「考えたくない」ことがたくさん増えて、
それらから目を背けている方が楽なのだ。
でも、それではいけないこともわかっていて。
かと言って、自分を追いつめるようなことは考えたくなくて。
・・・私は、いつもそうだ。

そうやって頑なになっている私の内側の扉を、
少しずつ開けてくれるようなエッセイ。
梨木香歩「ぐるりのこと」(新潮文庫)

時に傷つきながら、時に涙しながら、
自分の「無力」を自覚しつつ、それでも考えようとし続ける梨木さん。
どこかの偉人ではなく、自分と同じ時代を生きている人の血の通った言葉。
それが、私に勇気をくれる。

9月11日に、この本を読んだ偶然を、
何かのめぐり合わせだと信じたい。

2007/09/10

さすが、プロ

コックさんが使う包丁を、使わせてもらった。

スパッと。
小気味いいほど、切れる。
トマトなんか、全然型崩れしない。
ピーマンだって、スッスッと切れる。
よけいな力なんか、全くいらない。

さすが、プロの道具。


でも、そんなものかもしれない。
時間をかけて身につけた技と、ぴったりくる道具。
それがあれば、よけいな力は必要ない。
自然体でやれば、それでいいのだ。

私みたいに、いつも力んで、逆に疲れてしまうような仕事の仕方をしているうちは、まだまだ半人前だということなのだね。

2007/09/09

誰も寝てはならぬ

いわゆる「三大テノール」の中で、
ダントツに好きなのが、パバロッティだ。

テノールの華・ハイトーンはもちろんだけど、
表情やしぐさからにじみでる、陽気ではなやかな雰囲気が大好きだった。

初めてトゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」を聴いた時の衝撃は忘れられない。
この人は、間違いなく神に愛されていると思ったものだ。
そうでなければ、こんなふうに歌えるはずがない、と。


パバロッティの葬儀は、国葬並みの規模で、
彼の歌が流され、拍手や「ブラヴォー」で送られるなど、
実にパバロッティらしいものだったそうだ。

パバロッティは死んでしまったけれど、
彼の歌声は、永遠に記憶に残る。

きっと、天国でも、あのハイトーンを響かせているに違いない。

2007/09/07

台風

すごかったですね。

岩手では(私の住んでる町では)、
7時40分ごろから急に風雨が強くなって、
14時30分ごろに、ふっと雨がやみました。
どちらの時間も、ちょうど外にいたのです。
天候の変化が劇的で、びっくりしました。

道路には、木の葉や小枝が散乱してました。
家の雨樋が飛ばされてきてたり。
運転するのもひやひやものでした。

葉っぱがついた木の枝が、空からふうわり落ちてきて。
避けようのない角度とタイミングで。
幸い、小さい枝だったので、車にぶつかってもダメージはなかったのですが。
ちょっと不思議な光景でしたね。
空飛ぶ木の枝。

母は、テレビで見た「川に流された猫の救出」の話を一生懸命していました。
よく聞いたら、人も一緒に流されていたというではないですか。
お母さま、人より猫、ですか・・・。

明日は気温がグッと上がる・・・というので、
それもまたしんどそうですが。

とにかく。
被害にあわれた皆さまにお見舞い申し上げます。

2007/09/06

陽炎の辻「宵待草」

「陽炎の辻」も第6回。
半分まで来ましたね。

今回は、人情もの風のストーリー。
金兵衛長屋に越してきたお兼が妙にあだっぽいので、
長屋の女房衆はいい顔をしない。
磐音はお兼が男に襲われているところを助けたため、
仲を勘繰られるはめに・・・。
実はお兼には悲しい事情があり・・・という話。

本来、せつない話のはずなのに、
どうも女性陣の芝居にしっとり感がないんだよなあ・・・と思って見ていました。
しかし!
お兼が死んだ後、幸吉が亡き母にだぶらせて「母ちゃん!」とすがりつくシーンで、思わずほろりときてしまいました。

一方、関前藩がらみでは、直目付の中居が再び登場。
いよいよ家老派との対決が近づいてきた感じ。

さて、今回は磐音の立ち回りも少なめで、ちょっと寂しい。
しかし、よく寝てますね(笑)
「居眠り磐音」だから?
今津屋の奥座敷で寝転がってる磐音。いいのか?

今回のツボは、お兼をお姫様抱っこする磐音です。
っていうか、全然ロマンティックなシーンではないのですが。
ちょっとうらやましかったりして(笑)

アップが多いので、山本耕史の何気ない表情の変化がじっくり見られて、至福のひとときです~。
のんびりほんわかしてる磐音と、シリアスできりりとしている磐音のギャップがたまりません。
表情がスッと変わるんですよね~。

そうそう。
品川さん家に行って、酒を飲んで歌い笑う磐音の姿も、
なんだかとっても好きでした。

2007/09/02

黄色い目の魚

「マジになるのは恐かった。マジになると結果が出る。自分の限界が見えちまう。マジで勝負をしなければ、なくすものもない。負けてみすぼらしくなることもない。すべて曖昧なままにしておけば、誰に何を言われてもヘラヘラ笑っていられる。」


佐藤多佳子「黄色い目の魚」 (新潮文庫)の一節。 

主人公の一人のこの言葉が、痛かった。
この気持ち、すごくわかる。

「マジになる」ことで、得られるものの大きさを知っていてもなお。
ものごとに真剣に向き合うのは、怖い。
大事なものであればなおさら。


ああ、今書いていて気づいた。
怖いと思うのは、それが大事だからなのか。
失いたくないと思うくらいには。

でも、マジにならないと、失わないかわりに、
本当に得ることもできないのだよね・・・。


「黄色い目の魚」は、二人の高校生が主人公の小説。
不器用で純粋な二人の姿が、とてもせつなくて、素敵な物語です。
私は十代の頃、こんなにまっすぐだったかしら・・・。

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