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2007/09/11

ぐるりのこと

あれから何年経っただろう。

ちょうどこうやってパソコンに向かっている時だった。

つけっぱなしのテレビが、なんだか妙に騒がしく。
もうニュースの時間なのに、なんでこんなにうるさいの?と思って。
テレビを見た瞬間、目を疑った。

9月11日、深夜。
人類史上最悪のテロ攻撃。

私はその夜、普通に眠れたんだろうか。
次の日、人と話すのが億劫だったことは覚えている。
今、目の前に起こっていることを現実だと認識できないような。
怒りも悲しみもわいてこなくて、自分の中が空っぽになってしまった感じ。

今でも、あの事件をどう受け止めていいのかわからないし。
その後の泥沼のイラク情勢と、大国の傲慢も、
その泥沼に片足突っ込んで身動き取れなくなっているこの国のことも、
考えると気が滅入る一方で。
いつしか「考えない」癖がついた。

最近は、「考えたくない」ことがたくさん増えて、
それらから目を背けている方が楽なのだ。
でも、それではいけないこともわかっていて。
かと言って、自分を追いつめるようなことは考えたくなくて。
・・・私は、いつもそうだ。

そうやって頑なになっている私の内側の扉を、
少しずつ開けてくれるようなエッセイ。
梨木香歩「ぐるりのこと」(新潮文庫)

時に傷つきながら、時に涙しながら、
自分の「無力」を自覚しつつ、それでも考えようとし続ける梨木さん。
どこかの偉人ではなく、自分と同じ時代を生きている人の血の通った言葉。
それが、私に勇気をくれる。

9月11日に、この本を読んだ偶然を、
何かのめぐり合わせだと信じたい。

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