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2010/07/03

夜の病院で

流産が確定的になった時、主治医の先生はおっしゃいました。
「2日後にもう一度だけ検査しましょう。それで反応値が下がったら、残念だけど・・・」

その夜、出血したので、病院へ。
産婦人科の当直の先生は、カルテを見るなり開口一番、
「もうダメだろうって説明は受けてますよね」
そして、内診後。
「流産です。今朝の時点で流産と診断していいくらいです。
 ごく初期で、よくあることです。原因は特にありません。
 そうですね、あえて言うなら年齢ですね」

医者は淡々と言います。
「この年齢で、普通に妊娠出産は無理です。
 これからも、何度も同じことを繰り返すだけですよ」

頭の中が真っ白になりました。
40代前半の私です。そのリスクは承知しています。
でも・・・。
私が子どもを望むことが、大それたことだったのだろうか。
私が奥さんでなければ、夫は父親になれたのに。
私でなければ、この子は生まれてこれたのに。

「出血が始まってるので、このまま自然に流産する可能性が高いですね」
という医者に、夫が「出血を止める手立てはないんですか」と尋ねると、
「ありません。生理と同じなんだから。
 生理を止められる人はいないでしょ。」

夫だって、わかってるんです。
でも、授かった命を助ける手段はないのかという切実な思い、
そして、私のからだを守りたいという一心で言ってるのに。

診察室を出てから、待合室で、夫にすがって号泣しました。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」と繰り返す私に、
「謝らなくていい。謝ることなんてない」と言う夫の目も潤んでいました。


医学的に、医者の言葉は間違っていないと思います。
主治医の先生からも、同じようなことは言われていたし、
流産の診断が出てからも、きちんと説明は受けました。
それには、納得しています。
今は、ときどき泣いてしまったりもしますが、
自分でも意外なほど元気にしています。

でも、あの夜、自分の存在をすべて否定されたような気分になったことは忘れられません。
医者にとっては当たり前のことかもしれません。
ただ、患者にも心があるのだということは、わかってほしいものです。

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コメント

わたしも二人の子を流産しました。
つらかったですね。まゆさん。

>この年齢で、普通に妊娠出産は無理です

夫の妹は、43歳で初産でした。
結婚して16年目で、授かったのです。
今その男の子は、元気いっぱい、やんちゃな小学3年生です。

子どもは、天からの授かりもの。
泣いているとき、母に言われた言葉です。

ひなたさん、ありがとうございます。

授かりもの・・・本当にそうなんですよね。
今回は残念でしたが、絶望したわけではないので。
私たちのところにやってくる運命の子がいれば、いつか授かるでしょうし、
そうでなければ、それだけのこと・・・と思うようにしています。

しかし、生きていると、いろんなことがあるものですね。


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