見えないけどある
いつも車で通っていた道を歩いてみたとき。
高校時代に登らされた(そういう学校行事があった)山が見えることに気づいた。
この辺りでは一番高くて(たぶん)、電波塔なんかも立っている山。
その山が、自宅の2階の窓から見えることに気づいたのは、夏。
2年も住んでいて、毎朝カーテンを開けていたのに、全然気づいていなかった。
気づいていなかったことに、驚いた。
そして、今年になって。
冬休み、午前中だけ出勤して帰る途中。
職場からは、峠を越えてこなければいけないのだけど。
その峠のてっぺんから、あの山が見えることに気づいた。
思わず、「あっ!」と声が出た。
2年以上通っていて、全く気がつかなかったのだ。
私はいったい何を見ていたんだろう。
たぶん、見えていないものはたくさんある。
何かの拍子で今まで見えなかったものが見えてくる瞬間というのがあるのだろう。
そして、見えていないから「ない」のではなくて、
見えていなくても、それはちゃんとそこにある。
見えるようになるのを待っていてくれるかのように。
見えないけど、ある。
それに気づけただけでも、よかったのかもしれない。
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