初めてわかったこと
【その1】
オイルショックの時の映像としてよく流される、
トイレットペーパーを買う人たちの行列。
なくなると困るのはわかるけど、なんでそこまで・・・と思っていた。
今回の震災で、私も全く同じことをした。
最初は、停電でも食べられるものを買いに、コンビニに走った。
店の中は大混雑。
真っ暗な店内で、店員さんたちが電卓で計算をしていた。
停電復旧の目途がたたないと聞いて、食料を買い込みに行った。
スーパーにもたくさんの人。
みるみるうちに、棚が空になっていく。
ティッシュもトイレットペーパーも買い置きがあったけれど、
人が買っていくのを見ると、不安になって買ってしまった。
そして、ガソリン。
田舎では車がないと仕事に行けない。
自転車で通える距離でもない。
たぶん、なんとかもつのではないか・・・と思いつつ、
もし供給されなかったら困ると、行列に並んだ。
買いだめ・買占め・・・愚かだと嗤っていた過去の自分に嗤われている気がした。
悲しいかな、ものがじゅうぶんにあると思うと、安心できた。
そういう自分の心根の貧しさが、情けなくて、凹んだ。
【その2】
終戦後まもなく、青空教室等、学校が再開されたという。
そんな非常時に勉強なんて・・・と思っていた。
これだけの震災にあい、避難所生活を余儀なくされながら、
子どもたちは学校に行きたい、という。
勉強したい、と。
(おそらく、震災前は「勉強したい」と思う子は多くはなかったはず)
内陸から派遣された教員や、地域のボランティアが自習教室を開いている。
うまく言えないけれど・・・。
学ぶことって大切なことなのだ。
子どもたちにとって、勉強すること、学校に行くことって、大切な仕事なのだ。
戦後の焼け野原で教壇に立った先生たちの気持ちが、
ちょっとだけわかったような気がした。
恩師からのメールにこうあった。
「学校は生徒がいて学校なんだな、と最近痛切に思います。
そして、生徒は私たちを待っています。
また、希望を忘れなければ、どんなところにも学ぶものがあります。
今しかできない教育があると思います。」
自分自身が経験しなければ、わからなかったいろいろなこと。
この1カ月、失ったものはあまりに大きいけれど、
得たものも確実にあるのだと思いたい。
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