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2011/05/03

今年の桜

去年の夏、戦争を扱ったドキュメント番組を見ていて、ひどく衝撃を受けた。

「玉砕の島」から生還した元兵士は、今まであまり自らの戦争体験を語らなかったという。
それは、思いだしたくもないほど悲惨な経験だったからだろう・・・。

そんな私の予想は、あっさり裏切られた。

「自分が生きて帰ったのが、申し訳なくて・・・」

涙を浮かべ、絞り出すように語る老人。
私は、何もわかっていなかったのだと思い知らされた。

戦場で生き残ったことは喜ばしいことだ、と信じていた(いや、それ自体は間違っていないはずだ)。
けれど、「自分が生き延びたこと」を、死んだ人たちに「申し訳ない」と思いながら65年生きてきた人たちがいるのだ。

そんなことがあっていいのか。
生きていることを喜べないような、そんなことがあっていいのか。
・・・しかし、生きていることを重い十字架を背負うように感じてきた人たちが、いるのだ。

二度とそんなことはあってはならない。
そう思った。


そして、この震災。

たくさんのものを失いながらも、生き延びた人たちがいる。
「命は助かったから」・・・気丈な言葉が、メディアで報道される。

しかし、人間の心は、常に強くあるわけでは、ない。
震災後も、私たちは生きていく。
どうか、その時に、命が助かったことを負い目に感じる人がいないように。
生きていることを喜びあえるように。

それぞれの立場で、それぞれのなせること、やるべきことに、
全力で取り組んでほしい、取り組んでいきたい、と思わずにはいられない。

人が、その命あることを喜べないことほど、
悲しいことはないと思うから。


岩手も桜が満開になった。
強風にさらされても、花はみごとに咲き誇っている。
この桜を見ることができる・・・何者かに生かされていることに感謝しつつ。

きっと、今年の桜は、忘れられない。

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