真田丸まとめ~「歴史」の視点~
私たちは、歴史を「結果」として知っています。
織田信長は明智光秀に攻められて自害するし、
豊臣秀吉は死後のことを憂いながら死んでいく。
真田幸村は、大坂の陣で家康を追い詰めるけれど、あと一歩及ばず敗れる。
正直なところ、「真田丸」の企画を聞いたとき思ったことは、
「最後、負けて死んじゃう人じゃん。悲しいラストは嫌だなあ」
・・・我ながら、なんと浅はかだったことか。
「真田丸」は、全く異なる角度から歴史を見せてくれました。
私は、このドラマを見ていて、現代から過去を眺めるのではなく、
その「時」を生きている人たちの視点で物事を見ているような気分になりました。
自分の選択が、決断が、是か非か、それはわからない。
当事者には、「結果」はわからないのだから、今、自分がなし得ることを、する。
そうして、生きていく。
つまり、連綿と続いてきた人の営み、それこそが歴史だと、初めて実感させられたのです。
今まで、結果から過去を振り返るような見方しかしてこなかった私は、
初めて逆方向から歴史というものを眺めたような気がします。
見えてきたものは、右往左往する人たちの姿でした。
歴史に名を残した人も、そうでない人も、それぞれの人生を生きていたんだ、と。
こんな感覚を味わえたのは、やはり脚本のブレなさだったと思います。
信繁を軸とした真田家の視点を守り通したこと。
登場人物一人ひとりのもつ物語を大事にしたこと。
この二つを両立させるのって、すごく難しいことだと思うのですが、三谷さんは見事にやってのけました。
すばらしかったです。
さて、「まとめ」をつらつらと書いてますが、
あともう一つ、どうしても書いておきたいことがあるので、それで打ち止めとしたいと思います。
もしよろしければ、もう少しだけおつきあいください。
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