2023年1月31日 (火)

水 本の小説

3328「水 本の小説」 北村薫   新潮社   ★★★★★

「鈴を鳴らせば、鈴それぞれの音が出ます。揺らす手により、鳴り方も違います。/本の言葉もそのように、読み手の心に伝わっていくのです。」・・・その伝わる過程をたどるうちに、次々立ち現れる謎。それを解き明かしていく物語。

 

「雪月花 謎解き私小説」に連なる小説、でしょうか。北村薫さんだから書ける、北村薫さんにしか書けない、そんな物語です。

「手」「〇(まる)」「糸」「湯」「ゴ」「札(ふだ)」「水」の7つの章。この章題だけでも興味を惹かれますが、水が形を変えて流れていくように、一つの謎が次の謎につながっていき、徐々に大河になっていくような感動を味わえます。

特におもしろかったのは、北村薫作「いろはかるた」。文学作品の好きなフレーズを選んで編んだもの。どれが誰のどの作品か、すぐわかるものもあり、全く知らないものもあり。確かに知っているのに題名が出てこない!!というものもあり。いやあ、楽しかったです。自分でも作ってみたくなって考えてみましたが、思いつかない・・・。北村薫さんの知識と感性の豊かさには脱帽です。

図書館から借りてきましたが、手元に置きたい本ですね。いずれ購入します。

 

 

 

2023年1月28日 (土)

虹の涯

3327「虹の涯」 戸田義長   東京創元社   ★★★★

幕末。天狗党を率い決起した水戸藩士・藤田小四郎。藤田幽谷を祖父に、藤田東湖を父にもつ小四郎は、ただひたすら攘夷を使命として生きてきた。水戸藩の凄絶な内紛の中、父の死の真相を知り、不可解な密室殺人を解き明かし、さらに戦場に現れる殺人鬼「化人」の正体を暴く小四郎は、過酷な運命の果てに何を見たのか。

 

幕末を舞台にしたミステリ「恋牡丹」「雪旅籠」の作者が今回題材にしたのは、天狗党・藤田小四郎。歴史に材をとったミステリは大好物ですが、今回は手に取るのをものすごく迷いました。なぜかというと、水戸藩が苦手だから。

幕末の水戸藩の内紛は凄まじいの一言で、特に天狗党の顛末は以前ちょっと調べて、ショックを受けたことが。少々トラウマになっているし、以来徳川慶喜が苦手になってしまったほど。さらに、天狗党の始末が終わってからの水戸藩のことをその後知ってしまい、これまたひどすぎて・・・。もう、私にとって幕末の水戸藩はアンタッチャブルなものと決まってしまったのです。(この水戸藩の歴史については、「後書き」に書かれています)

ただ、やはり気になるので勇気をふりしぼって読みました。父・東湖の死の真相を小四郎が推理する「天地揺らぐ」、小四郎が巻き込まれた密室事件を解き明かす「蔵の中」と「分かれ道」、そして、天狗党が決起してからの行軍の中で起こった「化人」による殺人を描く中編「幾山河」の4編から成る連作ミステリ。

最終的に小四郎がたどる運命はわかっているので、眉間にしわを寄せて読んでいました(苦笑) でも、意外なほどに悲惨さはなくて。最終的にたどり着いた場所は無念だったかもしれませんが、まっすぐに自分の信念だけを見据えて生きた小四郎の人生は、それほど悪くはなかったのかもしれないという気持ちにさせられ、なんだか救われた気分でした。でも、やっぱり徳川慶喜は嫌いですけどね。

 

2023年1月25日 (水)

お墓、どうしてます?

3326「お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記」 北大路公子   集英社   ★★★★

父の急逝から一年半。いろいろな後始末に追われ、後回しになっていたお墓のことを考えないと・・・と思った矢先にコロナ禍に突入。いろいろなことが思うに任せぬ世の中、お墓を買うより先に猫を飼うことになったり、当たらないと思った墓地の抽選になぜか当たったり。さて、キミコ先生は果たしてお墓を買えるのか?

 

非常に個人的なことですが、父が亡くなったすぐ後にキミコ先生のお父様が亡くなられたのです。うちの父は病気で、もう長くないとわかっていたのですが、思ったよりだいぶ早くの急変で、家族はみな呆然としていたし、遠くに住む親戚も慌てて駆けつけてくれ、なんだかもう非日常ここに極まれり・・・みたいな。(ちょうど北海道胆振東部地震があった時でした) それからまもなく、キミコ先生のお父様の訃報をTwitterで知りました。もちろん、知らない方なのですが、エッセイに何度も登場し、その独特のキャラのファンだったので(笑)、父の死に続いてショックで。勝手に、とうてい他人事と思えない気持ちになっているのです。

そして、キミコ先生が直面した「父の死後のあれこれ」は、まさに私が直面したあれこれと同じ。「わかる!!!」と、何度も首がもげそうになるほど頷きました。「選んで決めなきゃいけないこと」がいっぱいあって、大変なのです。棺桶を選べと言われ(パンフレットに値段がついてる)、しばらく悩んだことは今でも鮮明に記憶しています。「棺桶なんて焼くんでしょ? 二度と使わないでしょ? 人に見せびらかすものでもないでしょ? シンプルな安いやつでいいじゃん! でも、ここで一番安いの選んだらケチって言われる?」と、脳内で葛藤が生じ、嫁に行った身なのに決定権を母と弟(喪主)に丸投げされ(長女なのと、葬儀のスポンサーがうちの夫ゆえ)、父方・母方それぞれのの本家のいとこたちが見つめる中、恐る恐る「これで・・・」と一番安いのを指さした時の緊張感ときたら! 一応みんな、「うんうん、それでいいんだ」と言ってくれましたが。

そんなあれこれを思い出しながら、お墓の話が一向に進展しないキミコ先生の日常に笑わせてもらいました。

そして、ものすごく心に響いたのは、こんな一節です。

『お骨を納める場所が必要だからお墓を建てるけれども、そこに父はいない。では、どこにいるのかというと、よくわからない。例の歌の風のようなアレになって、森羅万象に溶け込んでいると言われてもピンとこないし、きれいさっぱり消えて「無」になったとも思えない。やはりまだ自分の中で、「死んだ父」という存在の収まりどころが見つからないのだろう。』

まさに。わかる。ほんと、そうでした。今も、まだそうかも。

さて、結局連載が終わるまで、キミコ先生はお墓を買っていないのです。さすが。

ちなみに、うちの父のお墓も買っていません(笑)

 

2023年1月21日 (土)

濱地健三郎の幽たる事件簿

3325「濱地健三郎の幽たる事件簿」 有栖川有栖   角川書店   ★★★★

この世ならぬ者とのトラブルに困り、心霊探偵・濱地健三郎のもとにやってくる依頼人たち。探偵の助手として働く志摩ユリエは、徐々に霊が視えるようになってきて・・・。

 

読んだと思って読んでいなかったシリーズ2作目(苦笑) 3作目と順番が逆になってしまいましたが、このシリーズは順番が前後しても読めると作者が言うとおり、大丈夫でした。

「ホームに佇む」「姉は何処」「饒舌な依頼人」「浴槽の花婿」「お家がだんだん遠くなる」「ミステリー研究会の幽霊」「それは叫ぶ」の7編とあとがき。

「ホームに佇む」はアンソロジー「ザ・ベストミステリーズ2019」で読みました。思えば、これがこのシリーズとの出会い。心霊探偵という奇妙な設定ですが、読めば読むほどおもしろくなってくるのが不思議です。

今回は、どの話も完成度が高く、好きな話が多かったです。特に好みだったのは、「ミステリー研究会の幽霊」。高校のミス研の部室で起こる小さな怪異。それがある時期を境に頻繁かつ危険なものになっていく。それはなぜか。まさかこのシリーズで青春ミステリが読めるとは。

「饒舌な依頼人」は、なんとなく先が読めますが、それでも最期まで見届けたい気持ちにさせられました。

それにしても、有栖川さんの文章は本当に読みやすい。ミステリには着想や構成はおもしろいのかもしれないけれど、読んでいてすごくストレスがたまる文章を書く作家が少なからずいるのですが、有栖川有栖はそういうことがほぼないのです。

 

2023年1月15日 (日)

こいごころ

3324「こいごころ」 畠中恵   新潮社   ★★★

病弱な長崎屋の若だんな・一太郎。彼のもとにやってきた妖狐の老々丸と弟子の笹丸。笹丸は立派な妖狐となる将来を期待されていたが、残念ながら妖の力が尽きかけているのだという。そこで、笹丸を荼枳尼天の庭に預けたいと考えた老々丸は、一太郎の祖母で荼枳尼天に仕えるおぎんの力を借りたいと言う。簡単におぎんに会えるわけではない一太郎は困り果てるが・・・。

 

「しゃばけ」シリーズ。

「おくりもの」「こいごころ」「せいぞろい」「遠方より来たる」「妖百物語」の5話。

今回は、寿命がものすごく長い妖たちが、滅多に遭遇しない妖の最期に直面する話や、一太郎のかかりつけの医者が引退し、新しい医師が登場する話など。ものすごくゆっくりとですが、時間は流れているようです。

やはり表題作「こいごころ」がよかったですね。

このしりーず、いつまで続くんだろうと思いつつ、読むとそれなりにおもしろいから困るんです(苦笑)やめられなくなっちゃうんですよね。

 

2023年1月11日 (水)

承久の乱

「承久の乱」 坂井孝一   中公新書   ★★★★

再読です。副題『真の「武者の世」を告げる大乱」。

「鎌倉殿の13人」は完結しました。本当にすごいドラマでした。あまりにもどっぷりハマって、まだ鎌倉時代から帰ってこれない感じなので、冬休み中に以前、よくわからないまま読み終えてしまったこの本を再読しよう!と思い立った次第。

取り出してビックリ。著者は「鎌倉殿」の時代考証・坂井先生ではないですか(読んだ当時はよくわかってなかった)。

そして、頁をめくってみると・・・おお、以前よりかなりわかりやすい!! 出てくる人たちがドラマのキャストでイメージできるのでわかりやすい!! ドラマのあの話か!と思うことがたくさんある!!という状態でした。初読の時は、御家人たちの区別がつかなかったものなあ。承久の乱の戦の部分なんかも、当時は全くイメージできなかったし・・・。

というわけで、実に勉強になりました。

後鳥羽上皇と鎌倉幕府。この二つの関係はそもそもどうだったのか。なぜ決裂したのか。乱の明暗を分けたものとは。

坂井先生も文中で何度か述べられていますが、結果を知っている我々が、当事者たちをあれこれ評価するのはおこがましいというものでしょう。先が見えない中で右往左往するのが人間であり、その道のりが刻まれて「歴史」と認識されるだけのこと。勝者が正しく、敗者が愚かというものではないわけで。そんなことをしみじみ考えさせられました。

 

2023年1月 8日 (日)

もののふの国

3323「もののふの国」 天野純希   中公文庫   ★★★★

源平、南北朝、戦国、幕末・・・戦乱の時代を駆け抜けた「武士(もののふ)」たち。この国を支配した彼らは、戦から逃れられぬ運命だったのか。平将門から始まり、西郷隆盛で終わる「もののふ」たちの物語。

 

複数の作家が共通テーマのもとに小説を書く「螺旋プロジェクト」の中の一作。これ、なぜか地元図書館に入らなかったので、文庫化されてようやく読みました。おかげで、「鎌倉殿の13人」にはまった身にはなんともタイムリーな感じでの読書となりました。

さて、「螺旋プロジェクト」は、「海族」と「山族」の対立を軸に、人は争わずには生きられない野か?というテーマで描かれる小説群。伊坂幸太郎や澤田瞳子といった好きな作家さんたちが参加しているので興味をもっていくつか読みました。が、テーマに引きずられているような感じがして、私としては微妙でした(苦笑)

でも、久しぶりに読んでみると、「もののふの国」はそれなりにおもしろかったです。

「源平の巻」「南北朝の巻」「戦国の巻」「幕末維新の巻」の四部で構成され、誰もが知っているような歴史上の人物が次々登場します。ある者H「海族」として。またある者は「山族」として。決して相容れることのない二つの種族は、螺旋のように絡み合って争い、そうすることで時代をつくっていくのです。

こんなふうに「もののふ」というくくりで、将門の乱から西南戦争までを一つの物語として描くのは、ありそうでないのでは。なかなか読み応えがありました。

そして、巻末には「螺旋プロジェクト第2弾始動」の告知が! ちょっと気になりますねえ。

2023年1月 6日 (金)

濱地健三郎の呪える事件簿

3322「濱地健三郎の呪える事件簿」 有栖川有栖   角川書店   ★★★

探偵・濱地健三郎のもとには、この世ならぬものに関わってしまい、困り果てた人たちからの依頼がやってくる。彼の事務所の電話番号はどこにも公開してしないのに、必要とする人はなぜかその番号を知ることができるのだという。助手の志摩ユリエと共に怪異に挑む濱地のもとには、今日も奇妙な依頼が。

 

心霊探偵シリーズ第3作。今回は、コロナ禍だからこそという事件が多かったです。

「リモート怪異」「戸口で招くもの」「囚われて」「伝達」「呪わしい波」「どこから」の6話。

探偵もの本格ミステリとオカルトの掛け合わせという、とんでもないシリーズも3作目。濱地の佇まいもしっくりしてきて、彼なりの人間くささも垣間見えてきました。

どの話もおもしろかったのですが、「リモート怪異」はありそうな話でした。「伝達」は濱地のもとに依頼がくるということの不思議を描いたもので、濱地の人間らしさが感じられる物語。それを読んだあとの「呪わしい波」「どこから」は、ちょっと考えさせられるものがありました。何が濱地を心霊現象と相対するこの仕事に導いたのでしょうね。

考えてみれば、謎の解明において、辻褄が合わないことをごまかすためにオカルトがご都合主義的に使われるのがNGなのであって、「なぜそんな現象が起こるのか」をつきとめること自体は立派なミステリなのですよね。ということで、今回もいたって理詰めで濱地が謎を解いていきます。ただ、彼のおもしろいのはこの世ならぬものが「見える」ことなのですが。

とりあえず、作者はまだこのシリーズを続けたいようなので、楽しみです。

ところで、今回、感想を書こうとして、過去のシリーズの感想を遡ってみたのですが・・・。なんと、2作目の感想がない! あれ?読んだつもりだったけど、読んでなかった? 感想、書き忘れた? でも、2作目もどんな話があったか思い出せないし・・・やはり、読んでいない? ものすごくビックリしてしまいました。とりあえず、2作目を借りてくることにします・・・。

2023年1月 4日 (水)

吼えろ道真

3321「吼えろ道真」 澤田瞳子   集英社文庫   ★★★

菅原道真が大宰府に流されてから五ヶ月が経った。博多津での美術品の目利きを楽しみにする道真だったが、京から唐物使の役人がやってくる。朝廷への献上の品に不審な点があったという。果たして不正はあったのか。

 

「泣くな道真」の続編。前回は道真の世話を押しつけられた大宰府の役人「うたたね殿」こと龍野保積の視点で物語が展開しましたが、今回はその上司・小野葛根の視点がメインになります。この葛根、育ての親とも言うべき伯父・小野葛絃の力になりたいと大宰府までついてきた男。大宰大弐として事実上大宰府を取り仕切る伯父の下、大宰小弐として働く葛根は悪い人ではないのですが、居丈高なところがあり・・・。

今回は、改元の詔で自分のことを貶められたことに憤る道真の姿から始まります。そこに京の役人たちが不正の調査を兼ねてやってきて、なぜかその一行に同行する形で、葛絃の息子たち・好古と阿紀も大宰府へ。なぜか葛根を敬遠する好古とは対照的に、阿紀はやたらなついていて、将来は筆で身を立てたいという夢を葛根に語り始める。

葛根の成長物語であり、道真のいろいろな伝説がうまくアレンジされて物語になっていくのも楽しめました。特に、阿紀については「ああ、そういうことか!」と。

なんとなく大宰府というのはもっと地の果てのような気がしていたのですが(道真が流された土地というイメージが強くて)、立派な一大文化圏ですね。また、そこで生まれ育った人たちと、京から来ていずれ去って行く人たちとの差異も描かれていて、興味深かったです。

何より、人間くさい道真の姿が非常に魅力的なのです。

 

2023年1月 3日 (火)

清浄島

3320「清浄島」 河﨑秋子   双葉社   ★★★★

北海道礼文島。この小さな島の出身者から相次いで「エキノコックス症」が発見された。その調査のために派遣された動物学者・土橋義明は、村の役人・山田や村議会議員・大久保の協力を得て奮闘する。しかし、流行拡大を防ぐため、どうしても取らざるを得ない手段があり、土橋らの心を重く沈ませていた。寄生虫による感染症との闘いに勝てる日は来るのか。

 

読むのにちょっと勇気が要りました。エキノコックスについては詳しい知識はありませんが、感染症との闘いというのは、生やさしいものではないことはわかりますから。きっと主人公がつらい目に遭うのだろうな。河﨑さんの筆では、その辺のつらさも容赦なく書くんだろうな。正月早々、そんな話を読むのもなあ、と(苦笑)

それでも、読んでよかったです。土橋たちの苦悩はやはり堪えましたが、山田や大久保、長谷川医師など島の人間で協力してくれる人たちもいて(彼らには彼らなりの理由があるのですが)、その存在にこちらも救われました。また、土橋が煙たがっていた上司・小山内の存在も大きく、土橋が「独りで」苦しむ必要がなかったのが救いでした。

多大な犠牲を払って、礼文島ではエキノコックスの封じ込めに成功したわけですが、今度は根室でエキノコックス症が見つかります。土橋は礼文島での経験を生かし、衛生研究所の責任者として対策に奔走します。この終盤が実に心に響きました。あれほど苦労したのに、またほかの地方での発症事例。しかも、かつての島と違い、封じ込めは非常に困難であるという現実。一方、現地に派遣した沢渡と土橋の関係は、かつての土橋と小山内の関係を想起させ、土橋が人として何を学んできたかを浮かび上がらせます。

土橋は聖人君子ではありませんが、非常に真摯な人です。感染症と闘うために必要なことでも、それによって傷ついた人たちがいたことを忘れずにいようとする。データの数字ではなく、そこにいたのが命あるものだっということを受け止めようとする。「仕方がなかった」で済ませてしまってはいけないのだと。そうすることで自分が生涯抱えていかねばならない重みから逃げようとしない。・・・もちろん、島でたくさんの経験を積んで、時には失敗もして、少しずつそういうことを学んできたわけです。ただ、そういう研究者としての、人としての有り様に、救われす思いでした。

感染症との闘いは、人類史上延々と繰り返されていて、今もまさにその渦中なわけです。私は、終章での土橋の言葉に、思わず涙しました。

「悲しみ、怒り続けることです。国民でも役人でも研究者でも。感染してもしょうがない、と粛々と生を終える人は、そりゃあ仙人みたいで格好いいかもしれませんが、そういう人の存在は他人にも有形無形に同じ生き方と死に方を強いることになる。そんなこと許されちゃいけない。」

悲しみ続けること、怒り続けることは、難しいです。それは膨大なエネルギーを必要とするからです。それでも、私たちは安易に「格好いい」生き方に流されてはいけないのでしょう。生きることは、格好いいことではないのだから。

「清浄島」という言葉に込められた切なる思いが、今の私たちには理解できるはずです。

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