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2002年8月29日 (木)

蝉しぐれ

13「蝉しぐれ」藤沢周平   文春文庫   ★★★

 海坂藩の少年藩士・牧文四郎。良き友にも恵まれ、学問に剣にと充実した毎日を送っていたが、ある日、父が御家騒動に巻き込まれて切腹を命ぜられる。文四郎は苦難に耐えながら成長していく。
 …と書くと、重苦しい話のように聞こえるが、文章がテンポよく、読んでいて全く苦にならなかった。文四郎、逸平、与之助の友情。やがては藩主の側室になる、隣家の娘おふくへのほのかな思い。剣の修行にかかわるさまざまなエピソード。時代物の醍醐味がこれでもかとつまっている。特に後半、おふくが命を狙われ、文四郎が窮地を救う場面は、物語が急展開し、息もつかせぬ迫力。
 時代物、といっても、古臭さはなく、むしろ文四郎の青春物語といった感じ。それなりの長さがあるけれど、一気に読みました。
(余談・その1)今年から、中学校国語の教科書に一部が採用されています。
(余談・その2)だいぶ前ですが、宝塚で舞台化されました。(私は見てません)かなり評判はよかったようです。

居眠りクマ > 藤沢周平さんの文章は山の湧き水のように鮮烈で無駄がなく、けれどやさしい。教科書でみた、というだけで、くわずぎらいになる人が、いなければいいな~、と思います。 (2002/08/30 22:38)
まゆ > 藤沢周平、読んだのはこれで2つ目くらい…たぶん。前に読んだのは何かは思い出せませんが。「山の湧き水のように鮮烈」。たしかに、居眠りクマさんのおっしゃる通り。その表現、ピッタリです。 (2002/09/01 18:27)

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