« 食う寝る坐る 永平寺修行記 | トップページ | てるてる坊主の照子さん(中) »

2003年9月28日 (日)

サマータイム

341「サマータイム」佐藤多佳子   新潮文庫    ★★★★

11歳の夏、進は右腕のない少年・広一と出会った。ピアニストの母と暮らす広一はひどく大人びていて、進と姉の佳奈は彼にひかれていく。

 「サマータイム」「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」の4編。それぞれ、進、佳奈、広一が語り手になって、物語がリンクしていきます。
 明るく素直な気質の進。かんしゃくもちでわがままだけど、きれいな佳奈。事故で父親と左腕を失い、妙にさめて大人びた広一。それぞれの登場人物が魅力的でした。佳奈なんてすごくいやな女の子なはずなのに、ちっとも嫌いになりませんでした。
 好きなのは「サマータイム」で、佳奈が作ったしょっぱいゼリーを三人が食べるところ。広一が「海だ」と言ったのを聞いて佳奈が真っ赤になる場面がお気に入りです。佳奈ったら、この瞬間に広一のこと好きになっちゃったのねー、と。
 それから、ラストシーンもものすごく好きです。片腕で鮮やかに自転車をこぐ広一の後ろに、佳奈が乗って、それを進が見送っている場面。その映像が目に浮かぶようで。
 広一が語り手の「九月の雨」も、広一のひねくれ具合がかわいくて、なかなか好きでした。
 私も大昔ピアノを習っていたので(ものすごく下手だったけど)、全編にピアノの音が聞こえてくるようなこの物語は大好きです

莉子 > 素直になれない佳奈が結構可愛く感じました。だから『ホワイト・ピアノ』は大好き!センダ君のお陰で、自分の気持ちに素直になれた佳奈が『サマータイム』で、広一と再会できた事が凄く嬉しかったです。 (2003/09/28 20:35)
まゆ > わがまま娘(笑)なんだけど、かわいいですよね、佳奈って。「ホワイト・ピアノ」まで読んでから、「サマータイム」のラストを読み返しちゃいました。ああ、よかったなあって。 (2003/09/28 23:52)
さくら > やっぱりゼリーのシーンは印象的ですよね。最後カチっときめないラストっていうのが佐藤さんらしいのかな~と思いました。 (2003/09/29 09:38)
まゆ > ゼリーの場面も、ラストシーンも、とっても視覚に訴えてきて、印象的ですよね。佐藤さん、これで2作目ですが、あいまいなようでいて希望が持てるラストがすてきですね。 (2003/09/29 20:16)

« 食う寝る坐る 永平寺修行記 | トップページ | てるてる坊主の照子さん(中) »

佐藤多佳子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サマータイム:

« 食う寝る坐る 永平寺修行記 | トップページ | てるてる坊主の照子さん(中) »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

カテゴリー