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2004年1月22日 (木)

淋しい狩人

432「淋しい狩人」宮部みゆき   新潮文庫   ★★★★

東京下町で古書店を営むイワさん。週末に手伝いにやってくる孫の稔。本にまつわるさまざまな事件を祖父・孫コンビが解き明かしていく。

 小さな古本屋を舞台にした連作短編集。再読です。
 イワさんと稔のコンビがとってもいい感じで、お気に入りなのです。それだけに、後半、稔の恋愛沙汰からこのコンビの連携にひびが入る展開は、ちょっとつらいです。でも、孫のことが心配で心配で・・・というイワさんはかわいいかも(笑)
 事件はなんだかやりきれないような、タイトルどおり「淋しい」ような気持ちになるものばかり。穏やかなようでいて、実は厳しく人間を見つめている作者の視線をひしひしと感じます。宮部さんの特徴であり、同じようなスタンスを私は北村薫にも感じます。文章のもつ雰囲気は違いますけど。
 読んでいて、はっとさせられる言葉が、一編につき一ヶ所はあって、そのたびにドキッとしました。
「常識とは、人の心のなかに居座ると、えらく場所をとるものなのだ」
「必死になってやることって、あんまりいい事がないような気もするし」
 鋭いです、宮部さん。

ハイジ > イワさん、古きよき時代のおやっさんって感じでものすごい好感触でした。さびしさの色々な形について考えてしまうそんな作品ですよね。どきっとする部分、確かにあったです~ (2004/01/23 01:30)
すもも > 宮部さんの作品に出てくる年配の男性は、みなとても魅力的ですよね。それが時代物でも現代物でも。大家族の中で育ったと、どこかで読んだ気がしますが、そういった環境が作品にも生かされているのでしょうか。 (2004/01/23 09:41)
モネ > こちらの本は古本屋さんで買って読んだのですが、その本を売ったどなたが遊んでくれるんですよ。メッセ-ジを漂わす不思議なメモを栞代わりにはさんで残してくれているんです。思わずじっくり読んでしまいましたよ。ただイワさんではない凡人の私が受け手だったので結局ただの栞で終わりましたが。素敵な遊び心に思わず笑いました。(←こちらの本を読んでない方には意味不明ですね。) (2004/01/23 17:07)
まゆ > ハイジさん、イワさんのキャラがよいですよね。私は稔もけっこう好きです。「淋しい狩人」は最終話のタイトルでもありますが、全作品がどこか淋しさを感じさせる物語です。
すももさん、年配の男性もとってもよい味をだしてますが、宮部さんの書く少年も大好きなのですよ。いちばんのお気に入りは「ステップファザー・ステップ」の双子ちゃんですが。
モネさん、粋なことをする人がいるもんですね。この本にそういうことをするとは。私は古書ってちょっと苦手でめったに買わないのですが、そういう楽しみもあるんですねえ。 (2004/01/23 19:27)
流歌 > 連作短編大好きなこともあって、とても好きな作品です。イワさんと稔の関係が絶妙で良かったです。宮部さんの少年、いいですよね。私は「マサ」シリーズが大大大好きなので、進也君が特にお気に入りです。 (2004/01/23 23:43)
まゆ > 進也もいいですよね。稔と同じ系列のキャラかもしれませんね、なんとなく。私は長編好きなのですが、宮部さんは短編も連作短編もおもしろくて、なんでも読んでしまいます。 (2004/01/24 00:49)

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