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2004年4月11日 (日)

王妃の離婚

493「王妃の離婚」佐藤賢一   集英社   ★★★★

 フランス王ルイ12世が、王妃ジャンヌとの離婚を申し立てた。裁判がおこなわれるものの、王の威勢を恐れた弁護側は腰がひけるばかりで、ジャンヌにとって不利な証言ばかりが蓄積されていく。かつて一流のインテリとして名をはせた弁護士フランソワは、王妃の弁護を買って出るのだが・・・。

 世界史は苦手な私ですが、「ベルばら」世代なもので、王室ものには興味があるのです。ただ、ルイ12世と言われてもいつ頃のことなのか、ピンとこないわけで。時代背景もよくわからないし。
 ・・・と思ってずっと手を出さずにいたのですが、これが見事な「食わず嫌い」でした。難しい歴史のことなんか知らなくても楽しめる、見事なエンタテイメントでした。もっと堅苦しい小説かなあと思っていたのです。
 キャラクターがとっても生き生きしていて魅力的。主人公のフランソワは一癖ある人物ですが、法廷での胸のすくような弁護なんか最高です。かつての恋人のべリンダや、その弟で近衛隊長のオーエンも、一つ間違えばありがちな人物設定になりかねないのに、不思議とかっこいいのです。それから、王妃のジャンヌ! この人がかっこよくて、かわいくて、私はいちばんのお気に入りです。
 これは徹底して男性の視点で語られた物語なので、読んでいて「そうかなあ」と思うところもあったのですが、それが気にならないくらいおもしろかったのでした。特に、フランソワが法廷に立ってからは、もう一気読みでした。緩急自在な言葉のやりとり、緊張感、民衆の熱狂。どきどきしながら読みました。
 この人の作品では「傭兵ピエール」も気になっているのです。いつか読んでみようかなあ。 

あさこ > 佐藤さんの作品は『カルチェ・ラタン』しか読んでないのですが、とても面白かったので色々と読んでみたいと思ってます。この作品はたしか直木賞受賞作ですよね。まゆさんの評価も高いので、気になります~!いずれ読んでみたいです。 (2004/04/12 00:51)
ふく > 僕の初・佐藤作品もこれでした。多少下世話な部分も含めて、キャラが「生きてる」感じがとても強く感じられました。『傭兵ピエール』も面白いですよ。 (2004/04/12 11:55)
まゆ > あさこさんのおっしゃる通り、直木賞受賞作です。なぜか堅そうな印象をもってました。なんでだ? 「カルチェ・ラタン」はどんな話なのでしょう。この話でも、学生の町カルチェラタンが重要な場所としてでてくるのです。
ふくさん、そうそう、キャラが「生きてる」んですよね。主要人物から名もない庶民に至るまで。なんとなく藤本ひとみの歴史ものの男性版という印象をうけました。「傭兵ピエール」もいつか読みますね。 (2004/04/12 19:11)
たばぞう > これ、確かふくさんの日記で見て読みたいなぁと思っていた1冊でした。そのままになっていたけれど・・・読まなきゃ~!。 (2004/04/12 23:13)
まゆ > 予想していた以上におもしろかったです。全然堅苦しくないし、おすすめですよ~。 (2004/04/13 00:10)

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