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2004年10月11日 (月)

約束

633「約束」石田衣良   角川書店   ★★★★

 カンタにとって、おさななじみのヨウジは英雄だった。そのヨウジがカンタの目の前で死んでしまった。ヨウジになりたいと思っていたカンタの夢も、その時消えてしまったのだった。死に場所を求めてさまようカンタの前に現れたのは・・・。

 表題作を含む7編の短編集。かけがえのないものを失った人たちの再生「バック・トゥ・ライフ」の物語。
 「泣ける話」として宣伝されていたらしいので、「けっ、簡単に泣いてやるもんか」と読み始めた天邪鬼な私。読みながら、これはヤバイ・・・と思いつつ、最終話まで持ちこたえました。しかし、最終話「ハートストーン」で玉砕。それまでこらえていたのもあって、大泣きしてしまいました。
 いつもの石田衣良よりも、ちょっぴりウエットだったでしょうか。題材が題材だけにそうなったのかもしれませんが。ほかの作品はもっとクールな感じがするんですが。ただ、確かに泣かせる話が多いんですが、わりあい淡々と描かれているような。
 表題作の「約束」は、池田小事件に影響を受けて書かれたものだそうです。私も仕事柄、あの事件には大きな衝撃を受けました。あの第一報をニュースを見た時には、体がガタガタ震えて、涙がとまらなくなりました。「約束」のカンタは土壇場で救われるのですが、現実に友達が目の前で殺されるのを見た子達は、誰が救ってくれるのでしょう。そう思うと、怒りとやりきれなさでいっぱいになります。

ハイジ > 私も帯の「泣ける~」コピーで、けっと思いながら読んだのですが、「天国のベル」と「ハートストーン」に号泣。やられた~、でした。池田小学校の事件、異例の速さの死刑執行のニュースも野球のストで少しかき消されてしまった感がありましたよね。遺族も、あの小学校の生徒達も未だに闘っているのにと思うと本当にやりきれませんね。 (2004/10/11 23:02)
まゆ > 「ハートストーン」は・・・最後の最後にこれをもってくるかああっ!て感じでした。同じく号泣でしたよ。それまで我慢してたのに。池田小事件はとてもショッキングでしたが、そこにいた児童や先生たちの傷が少しでも癒されていればと思います。あれ以来、学校でも不審者対策をするようになりました。授業が始まると昇降口にカギをかけたり、不審者からの避難訓練をしたり。なんか、殺伐としてきたなあと感じています。 (2004/10/12 00:27)

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