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2005年2月13日 (日)

我らが隣人の犯罪

746「我らが隣人の犯罪」宮部みゆき   文藝春秋   ★★★

 6年1組の卒業研究のテーマは「サボテンの超能力」。荒唐無稽なその内容に、担任教師をはじめまわりの大人は非難ごうごう。
 四面楚歌の彼らを見守ってくれるのは、「ナマハゲ」こと定年間近の権藤教頭。さて、子供たちの「研究」の顛末は??

 文庫を持っているのですが、実家の押入れのダンボールで眠っています。「サボテンの花」を読み返したいなあと思っていた矢先、古本屋でハードカバーを発見。しかも、安い!というわけで、衝動買い。
 宮部さんとの出会いになった、記念すべき一冊です。
 表題作「我らが隣人の犯罪」のほか、「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」が収録された短編集。
 正直言って、初めてこれを読んだときには、後に「宮部みゆき」を追いかけて読むことになるとは思いませんでした。まあ、可もなく不可もなく、という感じで。小説としては(あるいはミステリとしては)及第点だと思うけど、それ以上ではないかな、と。
 再読してもその感想は変わりません。
 しかし。「サボテンの花」だけは、別格です。この作品だけは非常に印象的で、おりにふれて思い出していました。いったい何のために、彼らはサボテンの研究をしたのか? その「理由」が、読む者の胸に優しく響きます。
 おそらく「現在(いま)」の宮部さんだったら、もっとうまく話を展開させるのかもしれませんが、宮部作品の魅力の一つである「人を見る目の優しさ」が、初期作品から確かに息づいていると思うのです。

すもも > まゆさんの日記を読んだら、ひさしぶりに宮部さんの初期作品を掘り返してみたくなりました。その前に、本棚の整理が必要なのですが。 (2005/02/15 13:13)
まゆ > 初期作品、実家に埋もれているんですよね、どっさりと。読み返した伊のいっぱいあるんですが・・・。初期でもやっぱり宮部さんは宮部さんなんですよねえ。 (2005/02/15 20:20)
EKKO > 私はこれが初・宮部作品でした。これ以降、何冊も続けて宮部さんを読んだ覚えがあります。最近はご無沙汰しているのですが、初期の作品はとくにハートウォーミングな読後感がとても好きです。「サボテンの花」は最初の文章から楽しくて、ぐいぐいひきこまれ、ラストはジーンとさせられました。 (2005/02/15 23:48)
まゆ > 私もこれが初・宮部でしたが、第一印象は「ふ~ん」って感じだったんですよ。この後「魔術はささやく」「龍は眠る」ときて、「レベル7」ではまりました。「サボテンの花」は、初期の名作だと思います。宮部さんならではですね。 (2005/02/16 20:12)

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