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2005年7月 8日 (金)

蝦夷拾遺 たば風

821「蝦夷拾遺 たば風」宇江佐真理   実業之日本社   ★★★★

 蝦夷松前藩の家臣の娘・まなは、同じ家中の幸四郎のもとへ嫁ぐことが決まっていた。幸せいっぱいのまなに、突然の不幸が。幸四郎が倒れ、半身不随となってしまったのだ。まなはそのまま嫁ぐことを望むのだが・・・。

 蝦夷松前藩にまつわる6つの短編を収録。
 秀逸なのは、表題作「たば風」。
 不意の病がもとで許婚と別れることになったまな。彼女の思いの複雑さと、女中あがりの母の意地。そして、幸四郎の真心。短い物語の中で、それぞれの生きざまが浮かび上がってくるようで、あっというまに世界に引き込まれてしまいました。宇江佐さんの「斬られ権佐」や、藤沢周平「蝉しぐれ」を髣髴とさせる物語は、短編とは思えないほど読み応えがありました。
 
 蝦夷地という「米がとれない」土地ゆえの特殊性で、松前藩は交易が命綱でした。箱館戦争のこともあって、最近非常に興味をもっている藩にちなんだ、しかも幕末あたりの話とあって、まさに私のストライクゾーン。
 この流れで行けば、きっとあの方が登場するはず・・・と思いながら読んでいたら。やっぱり出ました、土方歳三!!(笑)ちょこっとだけでしたけどね。

nanao > 良かったですよね。
幸四郎の真心、なかなかいい男は違うなとおもいました。
母の意地も良くわかるけど、まなの気持ちもかなえてやりたい。
実に見事な短編でした。 (2005/07/09 10:47)
まゆ > nanaoさん、宇江佐さんってどうして人間のせつない情愛をここまで描けるのでしょうね。読むたびにどんどん好きになっていく作家さんです。「たば風」では、それぞれの登場人物の思いがせつなくてせつなくて・・・しばらく次が読めませんでした。 (2005/07/10 20:04)

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