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2005年12月15日 (木)

4TEEN

908「4TEEN」石田衣良   新潮文庫   ★★★

 大食らいで太ってるダイ、小柄で頭のいいジュン、ウェルナー症のナオト、普通の中学生のテツロー。
 中学2年、14歳の時間を共に過ごす4人組が遭遇する「事件」。

 直木賞受賞作。文庫を同僚から借りました。
 8つの連作短編。語り手はテツローです。
 実を言うと、最初、話に乗り切れなかったのです。みごとに石田ワールドだし、クールだけれど優しくせつない語り口はいつもと同じ。だけど、何かしっくりこないなあ、と。「池袋ウエストゲートパーク」は作り物だとわかっていてもすごく楽しめるのに、これは「作り物」感がどうしても鼻について。
 だけど、「大華火の夜に」のあたりからだんだんなじんできて、「ぼくたちがセックスについて話すこと」と、「空色の自転車」のあたりは、いつもどおり石田ワールド堪能しました。特に、ダイがお父さんを殺してしまう(!)「空色の~」は、泣けました。
 最終話も途中までよかったけれど、クライマックスのテツローの妙に悟ったような台詞で申し訳ないけど冷めてしまいました。身近にいる「14歳」たちは、あんなこと言いそうにないんだもん(苦笑)
 要は、「14歳」に日常接しているので、「お話」として楽しめない私の方に、読み手としての冷静さが欠けているのでしょう。いい話だとは思います。純粋に楽しめなくて、ちょっと残念。
 文庫の表紙、すごく好きです。

れんれん > そうですね。実際こんなに優しさとユーモアと思慮分別をバランスよく併せ持つ14歳って日常目にしませよね。まゆさんのお気持ちとてもわかります。 (2005/12/17 09:03)
たばぞう > 「池袋~」がダメだった私は、その後これを読んで「絶対こっちが好き!」と思いました。自分も含めて、確かに本物の14歳って違うかも(笑)。ファンタジーとして読んだ方が楽しいのかしら。 (2005/12/17 11:56)
EKKO > 扱っているテーマは現代的なんですが、何故か現代のおとぎ話・・という感じを受けました。少年たちが現実離れしているせいかもしれません。それでも私は結構楽しめましたが、まゆさんが純粋に楽しめない気持ちはよくわかります。私も自分の仕事にリンクする話は苦手です。 (2005/12/17 14:10)
まゆ > れんれんさん、いや、14歳っていろいろ考えてるとは思うんですよ。でも、それを理路整然と口にできないから14歳。最後のテツローみたいなことって、大人になってからわかることじゃないかなあと思ってしまって。私の考えすぎなんでしょうけど。 (2005/12/17 19:40)
まゆ > たばぞうさん、私の身近にいる14歳が、世間一般とはちょっとズレているというのもあるんですが(笑)「池袋~」は、全く無縁の世界なので、かえって「お話(それこそファンタジー)」として楽しめたんですよ。 (2005/12/17 19:42)
まゆ > EKKOさん、現代のおとぎ話・・・ああ、そんな感じです。彼らが妙にかっこいい台詞を吐くところが、どうにも苦手でした。そんなかっこいいこといえないから、14歳は苦しいんだよなあ、とか思ってしまって。 (2005/12/17 19:44)

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