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2006年12月18日 (月)

一瞬の風になれ3 ドン

1059「一瞬の風になれ3 ドン」佐藤多佳子   講談社   ★★★★★

 新二は無事に陸上部に復帰した。3年生になり、いよいよ本格的に南関東大会を、そしてインターハイを狙いはじめた連と新二。一方、春野台高陸上部には、問題児・鍵山が入部してきて、今までのなごやかなムードに暗雲が立ち込める。走るのは速いが、部の雰囲気を乱す鍵山を加えて、果たして4継のレースができるのか?

 最終巻まで、一気に来てしまいました。まるでスプリント並みの読み方(笑) だってもう、がまんできないのですもの。レース前、「早く走りてぇ」と言う新二の気分です。
 さて、「ドン」のサブタイトルにふさわしく、この巻はレースに次ぐレースです。地区・県・南関東。新二と連の100・200と、物語のメインの4継はもちろんのこと、4×400mリレー(マイル)や、中長距離や投擲も・・・。とにかく、ページの許す限り、筆の及ぶ限り、書けるだけのものを書きました!って感じ。
 すごく、その気持ちはわかります。そして、いろんな競技が同時進行して、それぞれでドラマが展開する陸上の大会の、あの独特の雰囲気がリアルに描写されています。
 好きなシーンは、地区大会での谷口若菜の3000m。ゴールした後、新二に抱きついちゃったところ。ある意味、この場面が一番お気に入りかも。その後の新二の動揺ぶりなど、めちゃくちゃよかったです(笑)
 泣いたのは、県のマイル決勝。それから、県で溝井たちが敗退した時のみっちゃんの態度。監督として、あんなふうになかなか言えないです。もう一緒になってうるうるしてしまいました。
 それから、根岸、ここにきてグッと男をあげましたねー。いや、もともといいキャラでしたが。県での4継もよかったけれど、その後の根岸の潔さ、最高でした。
 そして・・・南関東大会。もう、何を言ったらいいのやら。レースのシーンは圧巻です。でも、なんだかここまできたら、とても静かな気持ちで読めました。熱いんだけど、それまでの息が詰まるような感じじゃなくって、落ち着いている。新二だって、連だって、ここまでがんばってきたんだから、大丈夫。行け!って、ただそれだけ。でも、泣きながら読んでるのですけれどね(苦笑)特にも、守屋たちの登場は反則です。私は、ああいうシチュエーションにめちゃめちゃ弱いのです・・・。
 もっともっと書きたいことがあるけれど、まだこれから読まれる方も多いようなので、自粛。3巻は一番厚いですが、その中にこれでもか!ってくらい、いろんなドラマがつまっています。あとでもう一回読み返そう・・・。

 たかが走ること。ただ走ること。
 その中で、新二も連も、自分の生き方を見つけていくのです。一人であるということ。一人で頑張らなければいけないということ。それでも、みんながつながっているということ。バトンでリレーメンバーがつながるように。
 この物語がどうしようもなく心を打つのは、そのことをまっすぐに描ききったからだと思うのです。新二が自分の走る道を・・・光る走路を見出したように、この物語を読むと、私たちの前にも、自分自身の走路がまっすぐに伸びているのが見えるような気がします。 

トントン > まゆさん、こんにちは♪一気読みですね!走るのは苦手だけど(笑)私もこれすごく気になってるんです。まゆさんの高評価にますます読みたいと思いました。 (2006/12/19 15:32)
イギー > 今本当に話題になっていますよね。すごく気になっていますが、図書館で100人ほど待ちがあったので、購入するか否か悩んでいます・・・。 (2006/12/19 23:59)
まゆ > トントンさん、走るの苦手な人は(私も)、一緒に走ってるような感覚を味わえますよ~。自分では絶対わからない、100m10秒台の世界。ぜひ、堪能してください。 (2006/12/20 22:57)
まゆ > イギーさん、100人待ちですか~。すごいことになってますね。私は自分へのクリスマスプレゼントと思って、買ってしまいました。 (2006/12/20 22:58)
流歌 > 久々に本プロに来たら、この本をアップしてる人がとても多くてびっくりしました。
スポーツの中で一番好きなのが陸上なので、学生時代陸上部だった私としてはすごーく嬉しいです。陸上小説って、意外とあまりない気がするので。
川島誠の『800』とか、最近出た三浦しをんの『風が強く吹いている』位ですかね?これも読みたいなーと思っていたので、比べながら読みたいなあと思います。 (2006/12/21 02:11)
three bells > ずっとパソコン触れず、久しぶりに来れました。まゆさんも☆5!まゆさんの日記見てまたじわじわと感動が甦ってきました。運動苦手の私が陸上に感動できるのかな…と思っていましたがすべてに通ずるものありです。 (2006/12/21 09:46)
すもも > 図書館に予約しているのですが、まだ当分かかりそうです。走るのは大の苦手ですが、走っている人を見るのは好きです。『風が強く吹いている』三浦しをんさんの本もあわせて予約しているので、来年が楽しみです。 (2006/12/22 09:51)
まゆ > 流歌さん、おひさしぶりです。新聞の書評で取り上げられ、テレビでも紹介され、一気に火がついたみたいですね。私もようやく読めました。「800」も「風が~」も読んでます。流歌さんは陸上部でしたか。かっこいい!私は走れないけど、陸上競技、見るのは大好きです。 (2006/12/22 19:38)
まゆ > three bellsさん、お久しぶりです。「すべてに通ずるものあり」・・・そうそう、そうなんですよ!陸上のことだけじゃないのですよね。何かに打ち込んだ経験のある人なら、きっと共感できるはずです。

(2006/12/22 19:39)
まゆ > すももさん、私は図書館待ちきれなくて、買ってしまいました。「風が~」もめちゃくちゃよいですよ~。すももさんの感想、楽しみにしてます。 (2006/12/22 19:40)

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