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2006年12月17日 (日)

一瞬の風になれ2 ヨウイ

1058「一瞬の風になれ2 ヨウイ」佐藤多佳子   講談社   ★★★★★

「俺さ、おまえとかけっこしたくて、この部に入ったんだよ」

 2年生になった新二と連。レースを経験するたびに、少しずつ結果を出してきたが、連に故障が発生してしまう。
 3年生が引退し、部長になった新二。練習を重ねるうちに、連をただの憧れではなく、ライバルとして「認めさせたい」と思うようになる。そんな矢先、新二の兄でJリーガーの健一に思わぬトラブルが・・・!

 まだもう一冊あるのに、☆5つつけていいのか?と思いつつ。でも、泣かされてしまったのです。
 スプリンターというのは、基本的に「一人」だと思っていたのです、私は。でも、4継(4×100mリレー)の時に、不思議なほどのポテンシャルを発揮する新二と連。彼らの4継のレースは、読んでいてドキドキします(ドキドキしてる新二にシンクロしてるのかも)。全力疾走でバトンを渡す。加速しながらバトンを受ける。なんてリスキーな競技。でも、4人だから起こせる奇跡もある・・・。
 マイペースな連が、ケガをおしてレースに出ようとしたのは、先輩の守屋のため。それをわかっていて、連を止められなかった守屋の葛藤。もう、このへんから私の涙腺はあやしかったです。そして、守屋が次期部長に新二を指名したあたりで、決壊。引退のとこなんて、わずか数行なのに、ボロボロ。
 あとはもう、何回泣いたかわかりません。
 みっちゃんの過去の話。
 若菜が磐田からの帰りに、新二に「神谷くんのほうが、すごい」と言うところ。
 もちろん、この巻のクライマックス、新二が自分を見失って、そこから戻ってくるところは、もう大泣き。駅伝の応援に駆けつけた新二が気づいたこと。

「走ることが、等しく、尊いのだ。短距離でも長距離でも、タイムにも順位にもかかわらず、限界にチャレンジして走ることが、単純に尊い。」

 もう、これを読んだ時には、涙がとまりませんでした。実感として、わかるのです、これは。走るのが遅くても、一生懸命練習している子とか、私はたくさん見てるので。そういう姿に感動して泣きそうになったことも何度もあるし、彼らに勇気づけられることも多いので。
 自分のそういう経験に裏打ちされて、この巻には激しく心揺さぶられました。
 この巻のサブタイトル「ヨウイ」通り、まさに新二と連にとっての「ヨウイ」の1年でした。「ドン」で思いっきり走り出す彼らと出会うのが楽しみです。

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