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2007年3月 6日 (火)

恋いちもんめ

1088「恋いちもんめ」宇江佐真理   幻冬舎   ★★★★

 両国広小路の水茶屋・明石屋の娘お初は、幼い頃里子に出されていた。里親の死を機会に実の両親にひきとられたものの、なんだか親としっくりいかないし、水茶屋の仕事も好きになれない。
 そんなお初に突然縁談が。相手は青物屋・八百清を営む栄蔵。あまり気乗りはしなかったはずが、初めて顔をあわせて以来、お初は栄蔵に惹かれていく。しかし・・・。

 6話から成る連作短編です。
 いつもながら江戸の空気を描き出す宇江佐さんのうまさに脱帽。そして、今回は、お初の思いのせつなさにすっかり共感してしまい、最終話は思わず涙してしまいました。
 お初はきかん気が強くて、言いたいことははっきり言う性質の女の子。離れて暮らした両親とは微妙に波長が合わず、病弱な兄のわがままさにはむかっ腹が立つばかり。そんなお初が恋におちてしまう栄蔵は、子供の頃に親もとから離れ、ぐれていたこともあるという男。相思相愛の二人の間に、栄蔵のおさななじみのおふじが割って入り、波風が・・・。そして、栄蔵を思わぬ不幸が襲い・・・。
 このおふじという女の子がとんでもなく嫌なやつで。彼女もそれなりに傷を負うのですが、それでもとことんひどい女です。さらに、お初の周りには、男との仲にがんじがらめになって、大変なことになってしまう女たちが。それを見て、お初もかなり悩むことになります。
 心が何度も揺れながら、お初と栄蔵がたどりついた先に、本当にホッとしました。それまでがもう、せつなくて。
 そして、この物語でとってもいい味出してたのが、お初の父・源蔵と、その親友・佐平次。この親父さんたちが、最高です。彼らがいなきゃ、お初の恋は成就しなかったでしょうね。子供の頃のお初を手放さなきゃならなかった源蔵にとって、お初の幸せは何よりうれしいことだったと思うのです。

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