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2008年10月

2008年10月30日 (木)

龍天ノ門

1361「龍天ノ門」佐伯泰英 双葉文庫 ★★★

とうとう奈緒は吉原へ。手の届かぬ存在になった奈緒に、磐音はある誓いをたてる。そんな奈緒の吉原入りを邪魔しようとする者たちに、磐音の剣がうなる!


奈緒は白鶴花魁になってしまいました。白鶴は、関前城の異名なんですね。それもせつない。
磐音は奈緒をたた見守るだけでなく、生涯めとらぬ決心をしていたのですね。これまたせつないなあ。
ドラマではしょられた部分が、原作でよくわかりました。
ドラマ第2シリーズの敵役利高様はすでに登場していたのですね。

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2008年10月20日 (月)

少女七竈と七人の可愛そうな大人

1360「少女七竈と七人の可愛そうな大人」桜庭一樹   角川書店   ★★★★

わたくし、川村七竃は遺憾ながら美しく生まれてしまった・・・。いんらんな母のおかげで、複雑な生い立ちをした七竃は、美しい少年雪風と、二人のせかいで生きていた。たった一つの疑念・・・二人はきょうだいではないのか・・・を抱きながら。

桜庭さんの描く「少女」は、本当に純粋で、鋭敏で、痛々しい。どの作品を読んでいても、そう思います。いずれ大人になっていく直前の、あやういバランス。それを切り取ってみせることに関しては、桜庭さんの筆は異様な冴えを見せます。

スキャンダラスなというか、ショッキングなというか・・・そういう設定が多い桜庭作品ですが、読んでいるうちにそれが必然のように思えてくるから不思議です。七竃にも、母の優奈にも決して共感できないのに、最後の七竃と雪風の別れのシーンでは胸がいっぱいになってしまって・・・。このせつなさを言葉で表現するすべを、私はもちません。

不思議でせつなくて、すてきな、恋愛小説でした。

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2008年10月18日 (土)

雪華ノ里

1359「雪華ノ里」佐伯泰英    双葉文庫    ★★★

許嫁の奈緒が苦界に身を沈めた。磐音は奈緒の足取りを追って、長崎から京、金沢まで旅をする。そうして行き着いた先は、江戸の吉原であった…。

シリーズ4作目。
このあたりはドラマでは大幅カットされていました。
時代物は長く続くと、マンネリ打破のためか、主人公が旅に出ますが、これもご同様。しかし、遊女となった許嫁を追って…というせつなさがたまりません。しかも、磐音に身請け代があるわけでなく。ただ奈緒の無事を見届けたくて。奈緒が待っている気がして。
この過程があってこそ、吉原で花魁となった奈緒を見守る磐音のせつない心情が生きてくるのですよね。

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2008年10月15日 (水)

武士道セブンティーン

1358「武士道セブンティーン」誉田哲也   文藝春秋   ★★★★

磯山香織は、東松学園で順調に剣道のキャリアを重ねていた。一方、甲本(西荻)早苗は、強豪・福岡南に転校し、自分の目指す剣道とのギャップに悩む。ともに全国大会の常連校。全国の舞台で活躍しながら、自分たちの武士道をめざす二人は・・・。

読みました、「セブンティーン」。「シックスティーン」では香織の方がジタバタしていましたが、今回は早苗の方が葛藤しています。「勝つための剣道」を徹底し、そのシステムにのっとって練習している福岡南と、同級生の黒岩(これがまた、香織と因縁があったりして)に対する違和感が、早苗を悩ませます。

1年前とは二人とも全く違う立場になっていて、それがまたおもしろかったです。香織も変わったなあ〜と思ったし、早苗が強くなるためには、こういう試練も必要だったかなと思えたし。

それにしても、香織視点と早苗視点と、交互に語られるわけですが、この全く異なる雰囲気を表現するのって、なかなか難しいと思うんですが・・・。それがブレずに描かれてるのってすごいですね。

しかし、この終わり方は、絶対「エイティーン」もありますよね?大いに期待します!

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2008年10月10日 (金)

ひゃくはち

1357「ひゃくはち」早見和真    集英社    ★★★★

野球の名門・京浜高校に一般入試で入った雅人は、同じ立場のノブと、甲子園を目指していた。野球に情熱を傾けつつ、普通の高校生であることにこだわった雅人たちの夏は、意外な展開をみせ…。

ずっと気になっていた本です。
高校野球と聞くと、なんとなく落ち着かない気分になります。私にとって、甲子園は憧れの場所であり、本当に甲子園に立った時の感動は忘れられません。
この物語は、甲子園を夢見ながら、そんなことを口に出せず、でも野球のことで必死な高校生たちの物語。一般入試組の雅人やノブと、野球エリートたちの対比や、その友情、野球だけでなく合コンに明け暮れたりする彼らの姿が描かれます。
彼らが甲子園出場を果たすのと、その後訪れた亀裂と…。青いし、痛いんだけど、不思議なくらい、胸に迫るものがありました。
雅人の回想の形で語られますが、最後の再会のシーンが、とにかくよかったです。
それにしても、試合のシーンはすごくリアルというか…作者も野球経験があるのでしょうか。

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2008年10月 8日 (水)

花芒ノ海

1356「花芒ノ海」佐伯泰英    双葉文庫    ★★★

江戸の長屋で貧乏暮らしをしてきた磐音だったが、とうとう関前藩に足を運ぶことに。獅子身中の虫を退治すべく、磐音は剣をふるう!

三巻です。
このあたりが、ドラマではかなりはしょっていたのですが、原作は読みごたえありました。
磐音の剣が変化していくさまも、なかなか。
悪を倒すのはよいのですが、身売りした奈緒が哀れで…。奈緒の手紙は、せつなかったです。
これは、次も読まねば。

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2008年10月 6日 (月)

別冊図書館戦争Ⅰ

1355「別冊図書館戦争Ⅰ」有川浩    アスキー・メディアワークス    ★★★★

「図書館革命」で無事カップルになった郁と堂上。甘々ラブラブな二人が結婚するに至るまでの顛末とは…。

「図書館戦争」シリーズのスピンアウト企画です。
もう、甘々てんこ盛りの(笑)
郁はともかく、堂上!鬼教官的なキャラはどこにいったんだ?っていうか、どんだけ郁のこと好きなんだー!(笑)
いや、作者も「ダメな人はスルーして」と訴える通り、こんなの読んでられっか!という方もいると思います。が、私はけっこう楽しんでしまいました。
続きも出てるので…手塚と柴崎の仲に進展があると嬉しいなあ。手塚、苦労しそうだけど。

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2008年10月 5日 (日)

寒雷ノ坂

1354「寒雷ノ坂」佐伯泰英    双葉文庫    ★★★

浪人・坂崎磐音。相も変わらぬ貧乏暮らしで、用心棒稼業に精を出す毎日。そのなかで、磐音の剣は確実に磨かれていく。そして、磐音が藩を出奔する元となった事件が、仕組まれたものではないかという疑いが…。

「居眠り磐音 江戸双紙」二作目。相変わらず事件に巻き込まれる磐音です。
ドラマを先に見ちゃってるので、ついつい原作との違いを探してしまいます。ドラマは、けっこうおいしいとこどりをしてますね。印象的だった矢場荒らしの話とか、映像を思い出しながら読んでいました。
関前藩の陰謀に関わるくだりは、小説の方が詳しく説明してあって、おもしろいです。
とりあえず、ドラマ第1シリーズにあたる6巻までは読みたいと思ってますが…読めるかな?

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2008年10月 3日 (金)

れんげ野原のまんなかで

1353「れんげ野原のまんなかで」森谷明子 東京創元社 ★★★★

秋庭市の郊外にある図書館の司書・文子は、職員の目を盗んで閉館後も図書館に居残ろうとする少年たちと出会う。彼らの狙いは?

図書館が舞台のミステリ…というだけで、ツボです。主人公が司書とくればなおさら。謎を解くのは、文子の先輩司書の能勢。この能勢と、同期の日野の、本に対する知識と愛情の深さに圧倒されました。
本が絡んだ事件…なんて、本好きにはこたえられません。私も本が大好きですが、文子たちには負けます。同時に、司書って、ただ本が好きなだけではやっていけないのだろうな…と感じました。
季節を感じさせる自然の描写も、文子の能勢に寄せるほのかな思いも、なかなか印象的でよかったです。

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