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2009年6月

2009年6月27日 (土)

ブラザー・サン シスター・ムーン

1400「ブラザー・サン シスター・ムーン」恩田陸   河出書房新社   ★★★★

三人がいたあの夏の日。空から蛇が降ってきたあの日は、今ではもう遠い時間になってしまった…。綾音と衛(まもる)と、一(はじめ)。学生時代を通りすぎた三人が語るあの時間。

さて、1400冊目はやっぱり恩田さんです。恩田フリークを自認する私ですが、最近はご無沙汰してました。だって、恩田さんを読み始めると、ほかのことは何もできなくなるので。なので、久々の恩田陸。
意外にもというか、恩田風「青春小説」は、ものすごく淡々としていて、いつも感じる物語のうねりはありませんでした。なんか、散文詩を読んでる気分。
綾音→衛→一と話が進むうちに見えてくるものもあって、その辺は恩田さんらしいのですが…。一番今の恩田さんに近いであろう綾音の章が、一番照れくさそうでした。
なんとなく、恩田さんの中で、学生時代ってまだ客観視できないのかな…なんて思いながら読んでました。
小説と音楽と映画。そういうものに時間を費やし、没頭できた時代、確かに私にもありました。この三人は、恩田さんの分身であり、私たちの分身でもあるのでしょう。
懐かしく、恥ずかしく、思い出すとちょっとせつない…かと言って、感傷に浸る気にはなれない時間。私の中にも確かに存在したあの時間を、まざまざと思い出してしまった…そんな物語でした。

さてさて、どうにか1400冊に到達しました。結婚して、自分のことだけにかまけてるわけにいかなくなったので、本を読むペースはガクンと落ちてしまいましたが、ここまでなんとか続けてきました。これからも細々と続けていくつもりです。よろしくお願いします。

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2009年6月22日 (月)

シンデレラ・ティース

1399「シンデレラ・ティース」坂木司   光文社文庫   ★★★★

歯医者が怖くて仕方ない咲子は、母の陰謀で歯科医院の受付のバイトをすることに。咲子はそのクリニックで、かけがえのない経験をする…。

坂木さんのミステリで女の子が主人公って初めてじゃないでしょうか?
最初は咲子の受け身な姿勢が好きになれず、ちょっとイラッとしましたが、だんだん彼女が成長していく過程に好感がもてました。
私も歯医者苦手ですが、こんなにいいクリニックがあったら行きたいです。
実際、自分も今病院通いをしていて、ドクターやスタッフの方の患者への接し方には、いろいろ考えさせられるものがありました。この舞台になっているクリニックは、理想的ですね。
ミステリとしては日常の謎系ですが、それに歯科治療がうまく絡んで、「ほ〜」と思うことが多かったです。

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2009年6月11日 (木)

フライ,ダディ,フライ

1398「フライ,ダディ,フライ」金城一紀   文藝春秋   ★★★★

平凡だが幸せな生活を送っていた中年男・鈴木一の人生は、ある日一変した。娘が故ない暴力にさらされたのだ。復讐しようとした鈴木は、ひょんなことから奇妙な高校生たちと知り合い…。

さて、手術の合間の読書その2。
これ、ずっと読みたかったのです。というわりには、読みかけで止まってましたが。
ゾンビーズ再び、です。今回は瞬臣メインですが、南方も、間の悪い山下も活躍します。
それにしても、読んでてすごいスピード感でした。鈴木が南方たちと知り合ってからは、本当に一気でしたね。余計なまわりくどさはなく、でも、シーパラダイスでの場面とかはいい感じで…。
最後に南方たちの用意周到さがわかり、「さすが、ゾンビーズ!」と叫びたくなりました。

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2009年6月10日 (水)

賢者はベンチで思索する

1397「賢者はベンチで思索する」近藤史恵   文春文庫   ★★★★

フリーターの久里子がバイトするファミレスにいつもやってくる国枝老人。公園で偶然会った彼は、全く別人のようで…。その矢先、犬たちが毒入りの餌を食べさせられる事件が。その謎を解いたのは…。

現在目の手術の合間です。先日片方を手術して、そちらだけ視力が回復してます。することもないので、本を読んでますが…疲れるので、休み休み読んでます。
さて、ファミレスに現れる謎の(?)老人をめぐる、日常の謎系ミステリ…かと思いきや、最終章で意外な展開を見せます。やはり、近藤さんはあなどれません。
ミステリとしてもおもしろいのですが、先の見えないフリーターである久里子や、引きこもりっぽい弟の信、そんな姉弟を見守る親とか…そういう部分にぐっときました。
久里子の家の飼い犬になったアンとトモも、物語の中で大事な役割を果たしてましたね。ご自身も犬を飼ってる近藤さんだから書けるところもあったりして。
久里子の恋は進展しそうなところで終わりましたが、続編では何か動きがあるのかな。
派手なミステリではないのですが、人と人との関わりについて書かれた何気ない部分に心惹かれる物語でした。

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2009年6月 6日 (土)

配達あかずきん

1396「配達あかずきん」大崎梢   創元推理文庫   ★★★★

ファッションビルに入っている書店・成風堂。その店員の杏子とアルバイトの多絵のもとには、今日も本にまつわる不思議な事件が・・・。書店の謎は、書店員がとかなきゃ! 

これ、ずっと気になっていた本です。予想にたがわずおもしろかったです。

本にまつわる5つのミステリ。「パンダは囁く」「標野にて 君が袖振る」「配達あかずきん」「六個目のメッセージ」「ディスプレイ・リプレイ」の5編。どれも書店ならではの「日常の謎」系ミステリですが、一番おもしろかったのは表題作かな。これは書店員の経験がある作者ならではのミステリだと思いました。

「六個目のメッセージ」もおもしろかったです。さりげないけど素敵なラブストーリーですね。

シリーズ化されてるみたいなので、ほかのもぜひ読みたいです。

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