坂の上の雲(五)
1437「坂の上の雲(五)」司馬遼太郎 文春文庫 ★★★★
旅順攻略の鍵となる二〇三高地がついに陥ちた…。これにより、ロシアの旅順艦隊は壊滅。日本は亡国の危機から脱したかに見えたが、本当の決戦はこれからだった。
いきなり「二〇三高地」の章だったので、しばらく読む気になれずにいました。
意を決して読み始めましたが、この凄まじい戦場の有り様にげんなり…。ただ、児玉源太郎が乃木から指揮権を奪い取り、二〇三高地を陥落するに至る展開は、人間ドラマとしておもしろかったです。
これで日露戦争は一気に日本が有利に…と思っていましたが、そうではないのですね。つくづく、私はこの戦争をよく知らないのだと痛感しました。
好古と真之の兄弟は、陸軍と海軍でそれぞれ重責を担っています。が、参謀として作戦立案の中心となっている真之より、騎兵を率いて苦労している好古の方がワリをくっている気がします。
さて、長い物語も折り返し地点を過ぎました。あと3巻…読みきれるかな?
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