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2010年6月13日 (日)

これで古典がよくわかる

1512「これで古典がよくわかる」橋本治   ちくま文庫   ★★★★

「古典はわかりにくい」と言う人が多い。でも、それは当然なのです。なぜかというと・・・。日本語の文章の変遷から、古典作品が描かれた時代背景、そして、作者の人物像・・・さまざまな角度から古典の魅力に迫る入門書。

橋本治というと、私が強烈な印象を受けたのが「桃尻語訳枕草子」でした。実は、当時、私はあれを全く受け付けなくて(苦笑)、おじさんのくせに何書いてんの、キモチワルイ・・・というのが、正直な感想でした(すみません)。

その後、職業柄古典と付き合うようになって、そのおもしろさにはまりこみ、どうにかしてこのおもしろさを中学生にもわかってほしい!と悪戦苦闘するようになりました。でも、年々ハードルは高くなる一方。で、いろいろ参考になりそうな本を読んでいるのですが・・・これは、非常におもしろかったです。

古典といえば、やはり「源氏物語」「枕草子」という感じがしますが、私たちがそう感じるのも、実は歴史的に理由があるのだそうです。そして、一番読みやすい(わかりやすい)古典は、「徒然草」なのだ、と。のけぞってしまいましたが・・・橋本さんの「徒然草」解釈は、すごくおもしろい。なるほど!と思うことが多いのです。

目からウロコだったのは、「新古今集」の歌の解釈。私は新古今が苦手で苦手で、授業で出てくると困ってしまうのですが・・・なるほど、私が苦手なのはそういう理由だったのか!と納得しました。

それから、源実朝と後鳥羽上皇に関するくだりも。二人のおかれた環境、そこからうまれた価値観、それゆえに到達したそれぞれの「和歌の世界」・・・というと難しそうですが、とてもわかりやすく、「なるほど~」とうなずいてしまいました。

古典が苦手な人はもちろん、ある程度興味がある人にもおすすめの一冊です。

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コメント

この本は読んだことがないのですが。

『一番読みやすい(わかりやすい)古典は、「徒然草」なのだ』ですか?
それは橋本さんが男性だから共感できるということではないのでしょうか。まゆさんも納得できました?
私は「徒然草」を読んだ時、この人はおじさんだなあ、おじさんっていつの時代もいたんだ!と当たり前のことになんだか感動しちゃったのです。確かにその点では分かりやすいっちゃ分かりやすいか・・・。

ときわさん、「読みやすい」というのは、根拠がありまして。
日本語の文章の変遷というか、文章の成立過程をたどっていくと、現代の文章に最も近いのが「徒然草」だという説でした。(詳しくは、ぜひお読みください)
ちなみに、私は「徒然草」は好きではないですが、橋本さんの理論には納得しました。あくまで、「内容」ではなく、「文章」の「読みやすさ」です。

ところで、橋本さんは、「兼好法師はおじさんだったのか」という章も立ててらっしゃいますよ~。
ちなみに、今の中学生に「徒然草」を読ませると、「何が言いたいのかよくわからん!」と投げだします(笑)

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