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2010年8月11日 (水)

あんじゅう

1540「あんじゅう」宮部みゆき   中央公論新社   ★★★★

三島屋で「百物語」の聞き手をつとめる、姪のおちか。自分が遭遇した事件を乗り越え、少しは周りを見る余裕もできたきた今日この頃、相も変わらず奇妙な話がおちかの周囲に集まってくる。その縁に導かれるように、おちかが出会った人々は・・・。

副題は「三島屋変調百物語事続」。「おそろし」の続編です。

若いながらもつらい経験をしたおちかが、叔父夫婦の家に身を寄せて女中仕事をする傍ら、奇妙な話の聞き手をするようになった、その後の物語。今回は、四つの「不思議な話」をおちかが聞くことになります。

白眉は、第3話。今回のタイトル「あんじゅう」って何のこと?と思ってましたが、そういう意味でしたか・・・。こういういとしくてせつない話、宮部さんは本当に上手ですねえ。いつのまにか、すっかりくろすけに情がうつってしまって、加登夫妻に共感しまくり。思わずうるうるしてしまいました。その前の第2話「藪から千本」が、本当に怖かったので・・・よけいに、心が和むような気がしました。

第1話の「逃げ水」もよかったです。祟り神として恐れられていたものが、かわいい女の子の姿をしてるっていうのがいいですね。お旱さまと平太のやりとりや、幕切れの新太の話がとても好きです。そういえば、今回、新太はすごくいいキャラになりましたね。やっぱり、宮部さんが描く「男の子」は、とってもかわいい!

新しく登場したお勝。最初は不気味な印象すらありましたが。美形なのに、疱瘡を患ったため、一面にあばたが残った女性。彼女の心映えのみごとさには憧れます。こういう人がおちかのそばについているというのは、読者としても心強いです。

というのは、どうやらおちかには恋の気配が・・・。おそらく、事は簡単には進まないでしょうけれど。何より、おちか自身が負った傷が、まだ癒えていないのですから。でも、これからのおちかがどうなっていくのか、よりいっそう楽しみになってきました。

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コメント

私も第3話が一番好きです~♪
くろすけ、なんて可愛いんだ!
でも、可愛くなればなるほど、大切な存在になるほど、切ない気持ちも強くなっていくものなんですね。。。
出会えた喜びと失う哀しさはペアのようなものかもしれませんが、それでも「会えて良かった」と思えることは幸せだと思います。
くろすけもきっと。。。
そう思いたいです。

くろすけ・・・かわいいけど、せつないですね。
「あんじゅう」ってひらがな表記にすると、なんだか余計にかわいくて。
おそらく、双方とも、「会えてよかった」と思っているんじゃないでしょうかね。
やっぱり、せつないけど・・・。

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