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2012年6月10日 (日)

寒椿ゆれる

1876「寒椿ゆれる」 近藤史恵   光文社文庫   ★★★

南町奉行所の同心・玉島千蔭の年下の義母・お駒が懐妊した。それを契機に、千蔭のもとに縁談が舞い込む。相手は、奥祐筆組頭の娘・おろく。あまりの身分違いに動転する千蔭だが、おろくは一風変わった女性で・・・。

「猿若町捕物帳」シリーズ第4弾。千蔭は相変わらず、花形役者の巴之丞や、彼に瓜二つの花魁梅が枝、年下の義母お駒たちに振り回されっぱなしです(笑)

つわりで食欲のないお駒を心配して猪鍋屋に連れて行くと、その店に絡む事件が起こったり。新作狂言が始まってまもなく、主役の巴之丞が見知らぬ娘に刺されたり。やがて、奉行所の役人が不正を働いているらしいという事実にゆきあたったり。事件が次々起こります。

いつもなら梅が枝が千蔭に助言してくれるのですが、今回登場した見合い相手のおろくがなかなかのもの。二十八歳独身。決して美人でもなく、愛嬌もない。でも、おろくの観察眼の鋭さと、きよらかな心根には、「なんか、この人、いいかも・・・」と、千蔭ならずとも思わされてしまいます。

しかし、うまくまとまってしまっては、このシリーズ終わってしまうわけで(苦笑) なるほど、これが伏線でしたか・・・という展開が待っています。

なんとなく、シリーズ4冊目にして、ようやく世界になじんでいたというか。登場人物もみな魅力的に見えてきました。「巴之丞鹿の子」の時は、千蔭も、巴之丞も、梅が枝も、なんだかぴんとこなかったのですが。

積読本の山に埋もれていたこの本の存在を思い出したのは、先日読んだ「桜庭一樹読書日記」に記述があったから。へえ、桜庭さんも読んでるんだあ・・・と嬉しく思っていたら、「Mの同心が出てくる」にぶっ飛んでしまいました。そ、そうか、千蔭って、そうなんだ・・・。

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