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2014年3月31日 (月)

ペテロの葬列

2107「ペテロの葬列」 宮部みゆき   集英社   ★★★★★

バスジャックの被害者になってしまった杉村三郎。わずか3時間で事件は解決したものの、本当の謎はそこから始まった・・・。「誰か」「名もなき毒」に続く、杉村三郎シリーズ第3弾。

読み終えて、しばらく「う~ん」と唸っていました。なんというか・・・黙っていることもできず、かと言ってうまく言葉にならなかったのです。

今多コンツェルンの「マスオさん」である杉村三郎が、上司とともに巻き込まれたバスジャック事件。その事件が解決したのち、人質たちは本当の謎に直面します。あの犯人は誰だったのか。なぜ、あんな事件を起こしたのか。そして、送られてきた「慰謝料」をめぐり、彼らの心は大きく揺れ動きます。犯人のことを調べ始めた杉村三郎は、思いもかけない真実にたどり着くことに。

誰もが関わるかもしれない事件(バスジャックだけのことでなく)。このシリーズに共通して描かれるのは、そういう事件です。そうはならないだろう・・・でも、あと一歩踏み出す足を間違えてしまえば、登場人物の誰かは自分かもしれない、というリアルさ。今回は、本当に「ありそう」と思えるものでした。「悪は伝染する」という言葉のリアルが怖かったです。

そして、いつも事件に巻き込まれる三郎は、今回も見事に探偵役を務めるのですが・・・衝撃のラストが。

でも、「名もなき毒」の自分の感想を読み返したら、どうやらすでにこうなることは既定路線だったようで・・・。やっぱり、夢の中だけで生きていける人はいないし、自分を犠牲にするだけで生きていける人もいないのですね。でも、なんともやりきれない気分です。

杉村三郎の明日は、どっちだ。

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宮部みゆき」カテゴリの記事

コメント

  まゆさん、本当につらい結末が待っていました。
 まさにi宮部さんの底知れない力量を感じさせるものでしたね。

 今までの作品に張り巡らせた伏線に唸る思いでした。
 ずっと、ある人物の違和感ある言動が気になっていたので。
 この作品はある種の叙述トリック。こういう見せ方もあるんですね。見事なサプライズを与えてくれました。
 

こんにちは。同じ時期に同じ本読めて、感激です。
結局、あのお嬢様も破滅型だったんだ・・・正直な感想です。お嬢様の言い分、筋が通っているようで(女性にはいくつか共感できることあり) でもやっぱり支離滅裂。
アマゾンには、男性陣(と思われる)悲鳴のようなレビューが載っていました。
井出の言動も、すごかった・・・

まるさん、まさに驚愕のラスト、でした。
何かあるだろうと思ってましたが、こんなことだとは!
思い出すと、今でも「う~ん」です。
でも、さすが宮部さん!!と思うのです。
これ、まだ続くんでしょうか。
私は、この後の杉村三郎に会いたいです。

ほっそさんも読み終わりましたか!
いやはや・・・ビックリな結末でした。
「悲鳴のようなレビュー」・・・そうでしょうね(苦笑) わかる気がします。
男性にとっては恐怖でしょう。
でも、お互いにとって、これでよかったのかな、という気もします。

 まゆさん、ちょっと補足させて下さいね。
 私が違和感を持った人物とは杉村さんのお母さんでした。
 彼の視点のみで物語が展開してきた事はちゃんと意味があった。こうした部分にも工夫のある事にも感銘を受けました。

まるさん、なるほど~。
私はそこはあまり気にしていませんでした。
言われてみれば、なるほど、と。
宮部さんの叙述には無駄がないということですね。

まゆさん、図書館の予約が100以上で気長に待っていましたが
ドラマ化で学校にも入れて読ませていただきました。

事件もほぼ先が見えたのに、この残り部分の厚さは何?と気になりつつ読み進めたのですが、えええ!そっち?
私も杉村さんのお母さんの言動
そこまで言うか、そこまでするか…って気になっていたので、
何とも言えない気持ちになりました。
しかし、ほかに選択肢はなかったのかなぁ~
ドラマ、孝太郎くんの困った顔、何でも受け入れる態度に慣れそうな自分がいたのですが、どんな展開になるのか。とても気になります。

なぎさん、事件そのものより衝撃の展開でした…。
おすすめにできないという気持ち、よくわかります。

実際、無理はあったと思うのですが…せっかくあんなに頑張ってきたのにと思うと(涙)
なんともいえない気持ちで本を閉じました。
ドラマではどんなふうになるんでしょうね。

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