« 荒神 | トップページ | 荒神絵巻 »

2014年9月 7日 (日)

兄いもうと

2171「兄いもうと」 鳥越碧   講談社文庫   ★★★

正岡子規の妹・律。若くして病魔におかされた兄を献身的に支え続けた妹。彼女を支えたものは何だったのか。

副題「子規庵日記」。子規の生涯を、妹・律の視点から描いたものです。

以前、「坂の上の雲」を読んだおり、一番印象に残ったのは正岡子規の鮮烈な人生と、彼に寄り添うように生きた律の存在でした。二度の離縁を経験し、その後は病んだ兄の看病をするためだけに生きたような律。子規の随筆の中で酷評されることもあった彼女はいったい何を思っていたのか。

この小説では、律は兄に対して一人の男性として思いを寄せているようです。(もっとも、そう断じているわけではありませんが)・・・そう言ってしまうと身もふたもない気がするのですが、なまなかな気持ちで脊椎カリエスの激痛に泣きわめく子規のそばにいられるわけでもないだろうという気はします。

できることなら、子規没後の律の人生も描いてほしかったと思います。学がないと子規に評された律は、その後教育を受け、自活し、正岡家を守りぬくのですから。子規亡き後の彼女が何を思っていたのか、私はそこに興味があります。   

« 荒神 | トップページ | 荒神絵巻 »

「た」行の作家」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92733/60276309

この記事へのトラックバック一覧です: 兄いもうと:

« 荒神 | トップページ | 荒神絵巻 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー