« 現代秀歌 | トップページ | レベッカ(上)(下) »

2014年11月 9日 (日)

月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話

2194「月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話」 宇江佐真理   文春文庫   ★★★★

江戸の大火で別れ別れに暮らすことになった伊三次とお文の夫婦。伊三次の色恋沙汰、お文の実の父親との邂逅、娘・お吉の誕生前後の、今まで語られなかった十年の物語。

いきなりの文庫書き下ろしです。

伊三次たちが大火で家も何もかも失ったあと、物語はぽんと時間をとんでいたのでした。その時間にあった出来事を、今回初めて描いてくれました。

お文がお座敷で偶然実の父親に出会った話。向こうもそれと気づいて、互いに親子の名乗りをあげないままで、焼け出されたお文に金銭的な援助をしてくれます。伊与太も祖父になつき、お吉の名付け親は実の祖父だということもここで明かされます。

伊三次は一人で姉のもとに身を寄せていましたが、女房子供と離れて生活する寂しさと仕事のつらさに、ふと魔が差したようになって・・・。何もなかったけれど、あぶないところでしたね(苦笑)

それから、不破家がらみの話も。かつて不破龍之進たちが追い回していた本所無頼派のその後と、龍之進の母・いなみの日常も描かれます。

10年という歳月の中にはいろんなこと・・・つらいことも大変なことも起こるけれど、それは誰も同じ。どんな人でも大変な思いをして、でもちょっとだけ幸せなこともあって、そんな日常の繰り返して、人の営みは成り立っているのだと、そんなことを考えさせられました。

« 現代秀歌 | トップページ | レベッカ(上)(下) »

宇江佐真理」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92733/60624328

この記事へのトラックバック一覧です: 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話:

« 現代秀歌 | トップページ | レベッカ(上)(下) »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー