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2015年5月 3日 (日)

桜の下で待っている

2282「桜の下で待っている」 彩瀬まる   実業之日本社   ★★★★

新幹線で北へ。そこに待っているふるさとや家族は、いとしいはずなのに、どこかめんどくさかったり、うっとうしかったり・・・。5人それぞれの「ふるさと」と「家族」の物語。

今すごく気になっている彩瀬まる。地元図書館に唯一入った作品、ダッシュで借りてきました。

「モッコウバラのワンピース」(宇都宮)、「からたち香る」(郡山)、「菜の花の家」(仙台)、「ハクモクレンが砕けるとき」(花巻)、「桜の下で待っている」の5編。4つめまでは、それぞれの主人公が新幹線でその地に出かけ、「家族」と再会する話。最終話は、その新幹線の車内販売のお姉さんが主人公。

ああ、わかる・・・と思えることがいっぱいあって。家族なんだけど、わかっていなかったこと。生まれた家に帰ると、ちょっと人がかわったようになること。家族だからこそのいさかい。久しぶりに訪れた町の変化。

どの話も好きだったのですが、鷲掴みにされたのは、「ハクモクレンが砕けるとき」でした。主人公は小学生の知里。かわいがっていた下級生が事故で死んでしまったことを、うまく受け止められないまま、叔母の結婚式のために花巻へ向かうのです。ちょっとほかの話とは雰囲気が違っていて・・・。読んでいるうちに、私自身、小学校の時、隣のクラスの子が事故で亡くなったこと、それをずっと引きずっていたことを思い出しました。知里がちょっと不思議な経験をして、彼女の死と折り合いをつけたときには、なんだか涙があふれてしかたなかったです。

★は4つにしましたが、4.5という感じ。彩瀬まる、要チェックです。

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コメント

彩瀬まるさん、ずっと気になってますが未読です。
でもまゆさんが要チェックならぜひ手に取ってみなければ!

柚木さんも自分の好みと違うような気がしてなんとなく避けていましたが、読んでみたいと思っています。  

はぴさん、私もこれしか読んでいないのですが、
かなり気になる作家さんです。

柚木麻子さんは、私もずっと避けていました。
が、おもしろかったのです。
お試しあれ。

どれもこれも、本当にありそうな日常だけど、彩瀬さん、なんかいいですよね!

私は本屋さんからいただく薄い冊子の特集で、たっくさんの人が2冊選んでいて、相当な数の本が紹介されていたなかで、綾瀬さんの「骨を彩る」だけがかぶっていたんですね。しかも両方とも大絶賛!もう気になって気になってしかたなくて読んで、「はぁ~っ」ってなって、それ以来です。

機会があれば、こちらもぜひ読んでみてください。

なぎさん、彩瀬さん、なんかいいですよね~。
おかげさまで、すてきな作家さんに出会えました。
ありがとうございます。
彩瀬さんの被災体験記もすごく気になっているんですけどね。
いずれ、読みたいと思います。

こんにちは~
遅ればせながら読みました。
ありがたくて嬉しいけど、ちょっぴり息苦しい・・そんな家族への思いがとても共感できました。
彩瀬さん、要チェックですね!これからぼちぼち追いかけます~

EKKOさん、こんばんは。
おっしゃる通り、「家族」を実にリアルに描いてましたね。
彩瀬まるさん、今、大注目の作家さんです!

彩瀬まるさん、これから読めば良かったようですね。
「くちなし」読んで、最初でくじけそうになりましたが。
後で調べたらわが町の図書館にもこれはありました。
と「桜…」もあったはず、選択ミスったみたいf^_^;

chiiさん、「くちなし」から行っちゃいましたか~。
彩瀬さんずっと読んでいても、「くちなし」にはちょっと驚きました。
「桜の下で待っている」は、たぶん、とっつきやすい作品だと思うので、おすすめです。
文庫は、瀧井朝世さんの解説が丁寧で、彩瀬さんのこれまでの歩みもわかりますよ。

まゆさん、読みましたー
やさしさ一杯でした。
「ハクモクレンが砕けるとき」は切ない物語でしたが。
なんだか「くちなし」のインパクトが強くって、忘れなくなっています。

chiiさん、読まれたんですね!
「ハクモクレン~」は、ずっと忘れられないです。
この本、図書館で借りたのですが、文庫化されたので先日買いました。
単行本と同じ表紙でうれしかった!
あの表紙絵、好きなんです。
もっとも、彩瀬さんは口当たりのいいだけの作家さんではなくて、一筋縄でいかないところもありますが。
そういうところも含めて、お気に入りです。

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初・彩瀬さんです。 春、東北新幹線に乗って故郷へ旅する人たちを描いた短編集。 温かくて、優しくて、それでもとても厄介で、息苦しい。そんな家族への思いが胸のなかに広がりま ... [続きを読む]

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