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2016年10月 2日 (日)

蜜蜂と遠雷

2475「蜜蜂と遠雷」 恩田陸   幻冬舎   ★★★★★

芳ヶ江国際ピアノコンクール。世界的にも有名なこのコンクールに、それぞれの思いを胸に集うコンテスタントたち。亡きピアニスト・ホフマンから届けられた「ギフト」とは、いったい何を意味するのか。今、コンクールの幕が上がる。

読んでいる途中から、完全に魂もっていかれてました。前半を読んだだけで、こんなに盛り上がって、緊張感も半端なくて、この先どうなるんだ?と思っていたら、後半はさらに加速し、物語は大きくうねり・・・。

本を読んでいるのに、ずっと音楽のなかに浸っていた気分。活字で音楽をあらわすってのは容易なことではないのに、コンサートホールの中に、あるいは演奏者の宇宙の中に、完全に「入って」いました。そう、舞台はほとんどコンクールが行われるホールの中。その数日間の物語なのです(ああ、恩田さん得意の限定された時空間の物語でもあるんだ)。

風間塵。栄伝亜夜。マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、高島明石。4人のコンテスタントを軸に、物語は進みます。彼らはそれぞれ異なるバッググラウンドをもち、このコンクールに参加。そして・・・。

もうこれ以上は書きたくありません。どうか、この本を読んで、その奇跡を味わってください。

人が自分の生きる道を見出すというのはどういうことか、人とのかかわりとは何なのか・・・私は何度も目頭が熱くなりました。一番泣かされたのは、亜夜にですけれどね。

私は「六番目の小夜子」以来の恩田陸信者ですが(笑)、それをさっぴいても、これには★5つつけられます。

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恩田陸」カテゴリの記事

コメント

読みましたよ!読みましたよ!

かつては、あんなに夢中になった恩田さん。すっかり遠ざかっていましたが、そうそう、これだよ、これだよと夢中で読みました。クラシックにそんなに造詣が深いわけでもないけれど、音のない「小説」という世界で、こうも飽きさせずに読者をコンクールの一参加者としてしまう恩田陸恐るべし!です。

ホフマン先生の遺した「ギフト」の意味がわかったときには鳥肌がたちそうになりました。個人的には亜夜と明石が…のシーンにもらい泣きしました。
このピアノ曲を聞けるサイトがあるので、少し聞いてみました。無料試聴は15分間なので限られますが、ちょっとだけ気分に浸れます。

なぎさん、読みましたね!読みましたね!

すごいですよね。
文章で音楽を表現するって。
それを、この分厚い本でやりきってるんですよ。
あらためて恩田さんの筆力に脱帽です。

亜夜と明石のシーン、私も泣かされました。
あそこはいい場面でしたよね。
亜夜の思いも、明石の思いも、すとんと胸に落ちました。

実際のショパン・コンクールのドキュメントも読んだのですが、
「蜜蜂と遠雷」は実によく取材されて、それを咀嚼して書かれたものだということが、よくわかりました。
間違いなく恩田さんの代表作です。
これで直木賞とれなかったら・・・。

塵と亜夜が一緒にピアノをひくシーンが一番印象に残りました。
とてもやさしくて力強くておおらかで、なんて楽しそうなのだろうと。。。
聞こえてないはずなのに、音が聴こえるように思えるのですよね。
恩田陸さんって、やっぱりすごいなあ。

まゆさんの感想を読んで改めて感動しちゃった(笑)

ひなたさん、恩田さん受賞の瞬間に私のことを思い出してくださってありがとう(笑)
とってもうれしいです。

さて、塵と亜夜の連弾もいいシーンでしたね。
なんか、知らない曲もいっぱい出てきたのですが、
知らなくても音が鳴ってる気がしたのですよ。
恩田さんって、もともと読者の想像力をかきたてるのに長けた方だったけど、
とうとうここまできましたか、っていう・・・。

うん、塵の物語、読みたいですね。
「ギフト」が、音楽の世界でどうなっていくのか、私も知りたいです。

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