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2017年2月24日 (金)

終りなき夜に生れつく

2541「終りなき夜に生れつく」 恩田陸   文藝春秋   ★★★★

「山」で育てられ、そこで生きのびた三人の少年。強力な「在色者」である彼らは、山を降り、それぞれの人生を歩んだ。一人は傭兵となって。一人は途鎖国の入国管理官となって。そしてもう一人は、犯罪者となって。

恩田さんの本が次々出るので、うれしくてしょうがないのです。この本の帯にも「祝・直木賞」の文字が。

「夜の底は柔らかな幻」のスピンアウト短編集。青柳淳一が傭兵をしていた頃の「砂の夜」。葛城晃の学生時代の「夜のふたつの貌」。同じく葛城が入国管理官になるきっかけを描いた「夜間飛行」。そして、神山倖秀が稀代の犯罪者になる直前の物語「終りなき夜に生れつく」。

本編がやたら怖かった記憶しかなかったので、慌てて読み返しました(斜め読みだけど)。で、途鎖国とか、在色者とか、イロとか、いろんな設定と登場人物の復習をして、読み始めました。

いずれも「夜の底は~」の前の話。本編では、それぞれ名を成している(悪い意味で)三人が、そこにいたるまでの断片が描かれています。本編にも登場した軍(いくさ)勇司が登場して、なかなかいい味出しています。

葛城たちの行き着く先が先なので、決して愉快な話にはならないのですが、まだ若い彼らの姿を見られるのがおもしろかったです。やはり、一番書き込まれているのは葛城ですね。神山はやはり得体が知れないというか。稀代の犯罪者という設定ながら、とらえどころがない人物です。

イロという特殊能力をもって生れたために、殺人者となっていった三人。もう少し彼らの物語が読みたい気がします。

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