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2017年4月 6日 (木)

羊と鋼の森

2555「羊と鋼の森」 宮下奈都   文藝春秋   ★★★★

高校2年の2学期。たまたま立ち会ったピアノの調律が、僕の生きる道を決めた。ピアノどころか、音楽に何の興味もなかった僕が。調律師となってからも、うまくいかないことの連続だけれど、少しずつ何かが見えてきて・・・。

遅ればせながら読みました。

今やすっかり売れっ子になった宮下さん。その大きなきっかけになったのが、この物語。どちらかといえば、地味で、静かな物語だと思うのに、これを支持した人が多かったというのは、なんともうれしい限りです。

主人公の「僕」こと外村は、北海道の山村で育った少年。これといったこだわりもなく、おとなしい、没個性といってもいいようなタイプ。そんな彼が17歳で偶然出会った調律の世界。彼の学校のピアノを調律に来た板鳥に魅せられて、何もわからないまま、未知の世界に飛び込むのです。

外村は専門学校を卒業し、板鳥が所属する会社に無事就職。しかし、板鳥は想像以上にすごい調律師で、一方の外村はすべてにおいて自信がもてず、とまどうばかり。

そんな外村の成長物語ではあるのですが、ものすごくドラマティックな事件が起こるわけではありません。外村が他の調律師やお客たちと関わる中で、じわじわと潮が満ちてくるような変化をしていく感じ。それが、なんともいとおしく、美しいのです。

思えば、宮下さんの物語は、いつもそうです。人と人との関わり。そこから生じる小さな気づき。きっかけ。そうして広がっていく世界。・・・私はそういうものに魅せられているのかもしれません。

ピアノには苦い思い出しかないのですが(苦笑)、それもまた私にとって無駄なものではないのかなと、ちょっとだけそんなふうに思えました。

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コメント

おはようございます!
この物語、引き込まれました。
北海道の田舎はよく知ってるし(^^)
ピアノの経験はありませんが、心に響きましたね。
外村の成長を願って読み終えました。

chiiさん、北海道は地元ですもんね。
宮下さんも一時期北海道に住んでいたので、こういう物語に結びついたのかも。
宮下さんとは同い年だからでしょうか、作品を読んでいて「あ、わかる」と思うことが多くて、すごく好きな作家さんです。
派手さはないですけど、いい物語がたくさんありますよ~。

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