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2017年6月25日 (日)

明るい夜に出かけて

2594「明るい夜に出かけて」 佐藤多佳子   新潮社   ★★★★

ある出来事がきっかけで、大学にいけなくなってしまった富山一志。休学して、アパートで一人暮らしをし、コンビニでバイトを始める。唯一の楽しみは深夜ラジオを聴くことだったが・・・。

山本周五郎賞受賞、おめでとうございます。いつか読もうと思ってうっかりしてて、受賞のニュースを聞いて、あわてて図書館でゲットしてきました。

ラジオってほとんど聴かないので、ついていけるかなあ・・・という感じでおそるおそる読み始めました。実在する(した)番組や芸人さんたちの固有名詞がバンバン出てきて、うわ!となりましたが、大丈夫、なんとかなりました(笑)

深夜ラジオのヘビーリスナーで、投稿もガンガンしていた富山。採用されることも多くて、それなりに有名な「ハガキ職人」だった彼は、大学生になり、彼女もできて、それなりに充実した日々を送っていた。しかし、ある日それが突然暗転。投稿もやめ、大学にもいけなくなってしまう。

そんな富山が始めた夜のコンビニでのバイト。バイトの先輩の鹿沢。コンビニの客の女子高生・佐古田。富山の昔からの同級生・永川。この4人を中心に、物語は展開します。

自分が何者なのかわからない。何ができるのか、何がしたいのか、どうすればいいのか。やりたいこと。得意なこと。苦手なこと。やりたくないこと。いろんなものがつかみきれなくて、焦ったり、イライラしたり。ものすごく楽しかったり、せつなかったり。・・・誰もが経験したことのあるそんな思いが、ギュッとつまったような物語。

人と出会うことで、自分の扉が開いていく。そんな当たり前のことの大切さを、しみじみと実感させられました。

「明るい夜」という言葉が、とても印象的でした。

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