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2018年1月23日 (火)

カーテンコール!

2701「カーテンコール!」 加納朋子   新潮社   ★★★★

閉校になった萌木女学園。しかし、最後の卒業生になりそこねた学生が十名ほど存在した。温情で、半年の補講を受けることになった彼女たちは、外出・ネット・面会、すべて禁止の寮生活に突入。筋金入りの「ワケあり」女子大生たちは、無事に卒業できるのか?

加納さんの新刊は、閉校した女子大を舞台にした連作短編。「砂糖壺は空っぽ」「萌木の山の眠り姫」「永遠のピエタ」「鏡のジェミニ」「プリマドンナの休日」「ワンダフル・フラワーズ」の6編。

それぞれ深刻な「ワケ」を抱えた学生たちが、半年という期間限定ながら再チャレンジの機会を与えられる。しかし、そう簡単にいくわけはなく、角田理事長や校医の湯本先生たちが知恵をしぼって、指導・ケアしていくのです。彼女たちが抱えているものは、とてつもなく重くて、根が深いものが多く、そのくせ他人には理解されにくい。理事長たちは、よく観察し、話を聴き、彼女たちが社会で生きていく手がかりを見つけようとする。

私は、ちょっと彼女たちの気持ちがわかるのです。本当に、「人生詰んだ」と思うときってあるのです。そういうときは、自分を責めてしまうんですね。そうして、ますます深い穴の中に落ちていくんです。

でも、なんとかなる。世の中と折り合いをつけて、なんとかやっていく手段はある。そう思えたときの、徐々に世界が明るくなっていくような感じ。読んでいて、その感覚を思い出しました。

加納さんらしい「日常の謎」がちりばめられた物語なので、ネタバレは避けますが、私はこれ大好きです。

最後の「ワンダフル・フラワーズ」は、ちょっと頭が混乱しましたが、そういうことか、と。涙が出ました。

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コメント

こんにちは~
包み込むような理事長先生の優しさのおかげで、ワケあり女子たちが少しずつ心の霧を晴らしていけたんですね。終盤の理事長先生の告白は想像以上に切なくて、涙があふれました。女子たちのその後が知りたいです!笑

EKKOさん、とっても加納さんらしい物語でした。
理事長先生がどうしてこんなに親身になるのか、その理由がせつなかったです。
人生詰んだ!と思っても、意外となんとかなったりするものですが、
一人ではどうにもできなかったりするんですよね・・・。

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