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2018年3月 5日 (月)

物語と歩いてきた道

2719「物語と歩いてきた道」 上橋菜穂子   偕成社   ★★★★

国際アンデルセン賞受賞の際のスピーチをはじめ、単行本初収録のインタビュー、スピーチ、エッセイをまとめた一冊。

去年の10月、仙台文学館で「精霊の守り人展」を見てきました。想像していたより充実した展示で、上橋さんの自筆の手紙や自作イラストなど、珍しいものもたくさん。この本には、そのイラストなども一部ですが収録されています(タンダのイメージ画など)。

上橋さんの物語も、エッセイも、いろいろ読んできましたが、生きることに前向きな姿勢にいつも圧倒されます。それでいて、決して「上から目線」ではないのです。だから、読み終えても、時間が経っても、何かのおりにふと思い出して、なんとなく勇気をもらったような気になったりするのです。

今回特に印象に残ったのは、アンデルセン賞受賞スピーチ等をまとめた「文化の差異を越えて」という章でした。世界の「分断」が大きな問題となっている今だからこそ、上橋さんのおっしゃることは身にしみましたし、この視点を忘れてはならないのだと肝に銘じました。

NHKの「精霊の守り人」は、3年にわたる放送が無事終了しました。ファンタジーを実写化するだけでなく、原作で描かれていた「異なる人との交流」「人と人とがわかりあうこと」というテーマに、逃げずに向き合った作品でもありました。きっかけは、ドラマでも、コミックスでも、なんでもいいのです。上橋さんのこの視点・・・彼我の違いを認めて、なおかつ手を伸べる姿勢に、少しでも多くの人にふれてほしいと思います。

この本には、ジュンク堂書店池袋本店で2016年から2017年にかけて企画された「上橋菜穂子書店」で紹介されたブックリストが載っています。これが楽しい!

こんな本を読んでるのか。これ、私も持ってる! やはりこの本は一度は読まねば・・・などなど。膨大なリストですが、多岐にわたるジャンルの約700冊。要チェックです。

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コメント

拙ブログで本の感想を書くとき、なかなか思うように書けなくて苦労しているのですが、まゆさんの感想を読ませてもらうと「そうなの、その通り!」とすっきりします。
今回もすっきりしました(笑)ありがとうございます。
上橋菜穂子さんのブックリスト、読んだことがある本を見つけると、うれしくなります。
興味のある本もたくさんあったので要チェックでした。

ひなたさん、ありがとうございます。
私も思うように書けなくて、毎回PCの前でうなってますが、そう言っていただけるとうれしいです。
上橋さんのブックリスト、ファンとしては興奮しますよね(笑)
自分では絶対手を出さない領域の本もあるので(科学的な分野とか)、興味深かったです。

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