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2018年8月16日 (木)

錆びた滑車

2783「錆びた滑車」 若竹七海   文春文庫   ★★★★

女探偵・葉村晶は、尾行していた石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれ、怪我をする。それがきっかけで、ミツエの所有するアパートに住むことに。ミツエの孫のヒロトは、交通事故で大怪我を負い、記憶の一部を失ったという。ヒロトに、なぜ自分が事故現場にいたのか調べてほしいと頼まれた晶だったが・・・。

「不運すぎるタフな女探偵」葉村晶シリーズの新作です。

ハードボイルド苦手な私ですが、この葉村晶は大好きです。今回も、これでもかと「不運」な目に遭う晶ですが、そんな自分を哀れまない彼女はかっこいい。もちろん、痛い思いはするし、傷つくのですが・・・。

たまたま受けた下請けの調査(老女の尾行)が、思わぬ展開を見せ、複雑な事件の渦中に巻き込まれていく晶。けっこう話は入り組んでいて、枝葉の部分かなと思っていたのが、あとで本筋に絡んできたり、いい意味で予想を裏切られることの連続でした。

記憶を失った青年・ヒロトの依頼は、思わぬ真相に晶と読者を導きます。それは、けっこう苦い真実で・・・。すべてを読み終わってから、冒頭の晶のモノローグを読むと、泣きたいような気分にさせられます。

とにかく、話が際限なく広がっていくようでいて、終盤、すべてがピシッとはまって真実が明らかになっていく快感は、ミステリの醍醐味というやつでしょう。

初版限定でシリーズガイドがついています。おすすめですよ。

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