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2019年1月 3日 (木)

秘密

2842「秘密(上・下)」 ケイト・モートン   東京創元社   ★★★★

女優として名を成したローレルは、死期が迫った母ドロシーの秘密を探り始める。50年前の夏の日、訪ねてきた男を母が刺殺した瞬間を見てしまったローレルは、母がなぜあんなことをしてしまったのかを知ろうとする。母は正当防衛が認められたが、あの男はたしかに母に呼びかけたのだ。「ドロシー、久しぶりだね」と。手がかりは、ヴィヴィアンという友人の存在。ローレルは、若き日の母の人生をたどるが・・・。

2019年は、この本からスタート。「忘れられた花園」がすばらしかったケイト・モートンですが、これまた読み応えありました。

現在(2011年)と、過去(主に1941年)を行ったり来たりしながら、徐々に真実が明らかになっていく構成は、「忘れられた花園」と似ています。あちらはどこか浮世離れした雰囲気がありますが、こちらはドロシーやヴィヴィアンといった登場人物の娘時代の言動に、なんとなく親近感がわいてきました。

それにしても、ドロシーはなかなか大変な娘で(苦笑) 読みながら何度も「おい!」と思ったし、ものすごくイライラしました。ただ、それがめぐりめぐって不思議な運命の意図に絡め取られていく過程が、複雑ながら物語としてじゅうぶんおもしろく描かれていく手腕はさすが、です。

そして、このミステリの真骨頂は、ドロシーが何をやってしまったのか、どうやって第二のチャンスを手に入れたのか、すべての謎が氷解する一瞬です。私は完全に油断していて、その瞬間、鳥肌が立ちました。ネタバレ絶対できないので、これ以上は書けませんが、この瞬間を味わうためだけでも、長い物語を読んできてよかったと思えました。

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