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2019年7月16日 (火)

東の海神 西の滄海

「東の海神 西の滄海」 小野不由美   新潮文庫   ★★★★

王も麒麟も胎果という生まれつきの延王尚隆と、延麒六太。今や五百年にも及ぶ治世を誇り、豊かな国となった雁国だが、尚隆が登極したころは、国は荒れ果てていた。まだ新米の王と麒麟だったころの、最強コンビの物語。

これは人気が出るよねえというタイプの延王と延麒ですが、彼らがどうやって今の雁国をつくったのか。それぞれが蓬莱でどんな人生を送り、どんな思いで王として、麒麟として国づくりに取り組んできたのかがわかるようになっています。

国が荒れるとはどういうことか。戦乱の世とはどんなものなのか。そして、国を治めるということは、為政者にどれだけの覚悟を強いるものなのか。

「捨てられた子」六太の切実な思い。精神的にタフな尚隆が声を荒らげる瞬間。そこに、もう一人の「捨てられた子」更夜が絡むことによって、国のあるべき姿の輪郭が浮かび上がってきます。

この3作目までは、主要登場人物の紹介と、「この物語世界はこうですよ」という基本設定を読者に示す役割が強いと思うのですが、一番明るい気性の延コンビが、心の部分を一番色濃く提示する役割を担うというのも、なかなかおもしろいなあ、と。

それにしても、五百年も国を治め続けるって・・・あらためて考えると気が遠くなります。それを続けられる尚隆って、どれだけタフで、繊細なんだ・・・。

 

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