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2019年7月27日 (土)

風の万里 黎明の空

「風の万里 黎明の空(上)(下)」 小野不由美   新潮文庫   ★★★★

泰麒の物語、雁国の物語を経て、話は陽子に戻ります。玉座にのぼったものの、王として何をなすべきか、悩む陽子(基本的に真面目だから)。補佐たる景麒ともかみあわないまま(景麒も景麒だから・笑)、国政は混乱を続け・・・。一方、陽子と同年代の二人の少女の物語が交錯します。

一人は、海客の鈴。才国で仙女の下働きをしていた鈴は、仙女の横暴に耐えかねて、そこを逃げ出す。

もう一人は、芳国の王女・祥瓊。父王はあまりに苛烈な政をしたために誅殺され、祥瓊も仙籍を剥奪される。

二人とも紆余曲折の末、慶国を目指すようになるが、彼女たち自身の心はすさみ、歪んでいて・・・というお話。

今までの物語がしっかり根付いているので、「ここであの人が!」というのが、実に効果的なのですね。そして、三人の少女が出会うことで、それぞれの「自分にできること」「なすべきこと」「やりたいこと」が見えてくるというのが。

前半は、とにかくイライラさせられるのですが、鈴の自己憐憫や祥瓊の驕りは、決して他人事ではなく、清秀や楽俊の言葉にはけっこうえぐられます(苦笑) それが終盤になって一気に解消していく過程の気持ちよさといったら!

そして、何度読んでも陽子の初勅は最高なのでした。

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