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2020年6月25日 (木)

大名倒産

3055「大名倒産(上・下)」 浅田次郎      文藝春秋      ★★★

丹生山松平家の当主となった小四郎。しかし、隠居した父は藩が抱えた膨大な借財をもて余し、藩の倒産を目論んでいた。父の企みを阻止しようと小四郎は奔走するが…。


浅田さんの「語り」は、わかっていてもついつい引き込まれてしまう。今までは講談か落語のように思っていましたが、むしろ寅さんの啖呵売みたいな口上に思えてきました(苦笑)  無茶苦茶なんだけど、おもしろいのです。

さて、松平家の当主になった小四郎ですが、足軽の子として育てられ、ある日突然城主の子として認知されたという生い立ち。しかも、兄が三人もいたのに、急死したり、病弱だったりして、急遽小四郎にお鉢が回ってきたという。父は藩を倒産させることしか頭になく、小四郎にはその際に責任をとらせようと。つまり、小四郎は切腹要因。

あんまりな話ですが、ここから小四郎の奮闘が始まるわけです。それ自体はおもしろいのですが、あまりに登場人物が多すぎて、一つ一つのエピソードが散漫になってしまったような。特に下巻は小四郎の存在感が希薄でした。浅田さん、ちょっと風呂敷広げすぎました?

ただ、浅田次郎がずっと描いてきた「人の幸せ」に対する思いは、やはり心を打つのでした。

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