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2020年6月16日 (火)

3052「占(うら)」  木内昇      新潮社      ★★★★

人が迷うとき、悩むとき、救いを、道しるべを、何に求めるのか…。「占い」にまつわる七つの話。


あー、これは…到底他人事とは思えないというか(苦笑)  世の中には占いなんて全く興味がない人もいますが、朝からテレビで「今日の運勢は?」なんてやってると、つい見ちゃうという人は多いのでは(私は、あのランキング形式の占いが嫌いです)。

かくいう私も子どもの頃から、星座とか、血液型とか、手相とか、いろんな占いに興味があって、雑誌を買ったりしてました。でも、当時は他愛もないことを占っていたのですが、だんだん自分の手に負えないような迷いに直面すると、真剣にすがりたくなることもあるもので。

これは、「占い」に関わってしまった女たちの物語。「時追町の卜い家」「山伏町の千里眼」「頓田町の聞奇館」「深山町の双六堂」「宵町祠の喰い師」「鷺行町の朝生屋」「北聖町の読心術」の七話。微妙なリンクもあって、連作短編としての構成も秀逸です。

とにかく、占いを通して、女たちの浅はかさや醜さや、弱さみたいなものがどんどん明らかになっていく過程が、もう他人事でなくて。ああ、そういうとこあるよねえ、そうなっちゃうよねえ…と、身につまされました(苦笑)

ただ、作者はそんな女たちを嘲笑ったり、断罪したりはしません。思い迷いながら生きる女たちの姿は、愚かかもしれないけれど、私たち自身でもあるのです。最終話まで読んで、そう感じました。

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