怨霊とは何か
3089「怨霊とは何か 菅原道真・平将門・崇徳院」 山田雄司 中公新書 ★★★
日本史上の三大怨霊とも言うべき菅原道真、平将門、崇徳院にフォーカスして、彼らがなぜ怨霊となったのか、その過程を史料から読み解く。
私が本格的に日本史にはまるきっかけになったのは、永井路子「悪霊列伝」でした。長屋王、早良親王をはじめ、怨霊として恐れられ、のちに神として祀られた人々がテーマ。それまで馴染んできた英雄譚とは全く異なる視点が面白く、繰り返し読んだものです。
この本も、オカルトやホラーではなく、それぞれの時代で怨霊と呼ばれた人たちが、なぜそこに至ったのか、どのような背景があったのかを解説してくれます。
有名な人物ばかりなので、概略は知っていましたが、細かいところではやはり知らないこともたくさん。特に、崇徳院は後鳥羽上皇との関連という視点は新鮮でした。
現代にいたるまでの流れをまとめた「第六章 怨霊から霊魂文化へ」が、なかなか面白かったです。特に「怨親平等」という考え方が芽生えたこと、それが戦中どのように利用されたか。考えさせられるものがありました。
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