上橋菜穂子

2019年6月16日 (日)

鹿の王 水底の橋

2913「鹿の王 水底の橋」 上橋菜穂子   角川書店   ★★★★

 

オタワル医術の後継者たるホッサルは、東乎瑠帝国の清心教医術の祭司医・真那に招かれ、真那の故郷・安房那領へ。恋人ミラルを伴って向かったそこは、清心教医術発祥の地であった。真那の姪の治療に訪れたはずのホッサルとミラルは、いつのまにか次期皇帝をめぐる争いに巻き込まれてしまう。さらに、医術師としてのあり方に直面せざるを得なくなった二人は・・・。

 

「鹿の王」の続編! しかも、ホッサルの話!!

「鹿の王」は、ヴァンのストーリーとホッサルのストーリーが交互に進む形でしたが、物語の推進力になるエネルギーはヴァンサイドにあったと思います。そのせいか、ホッサルに関しては何かしら物足りないというか、ちょっと消化不良感があったので、ホッサルがメインと聞いて、なんだかすごく腑に落ちたのです。そうそう、まだまだホッサルの物語があるでしょう?と。

天才的な医術師のホッサル。滅びたオタワル王国の末裔という血統もあり、オタワル医術は清心教医術からは異端視されているのもあり、なかなか複雑な立場にいるのだけれど、それを意に介さぬプライドの持ち主。優秀な人材にありがちですが。ホッサルにあるのは、とにかく「人を病から救いたい」という強烈な思い。今まではやり手の祖父・リムエッルの比護のもと、自分のやりたいことに打ち込んできたけれど、皇帝の代替わりが近づき、オタワル医術の未来にも暗雲がたちこめる。ホッサルにもオタワル医術を守る責任と、それがらみで縁談が舞い込み、身分違いの恋人・ミラルとの間に微妙な空気が。

簡単に言ってしまえば、我々の現実における西洋医学と東洋医学の関係がベースにした物語。上橋さんがお母様の闘病でお世話になったお医者さんが、東洋医学の知識も豊富な方で、いろいろな気づきがあった・・・というのは、他の著作で読んでいました。それが、こんな形で結晶したのですね。ただ、事は簡単なものではなく、ホッサルも、ミラルも、真那も、ほかの医術師たちも、医療とは、死とは、人の尊厳とは、という永遠の課題の前に葛藤を繰り返します。

現実においても、絶対の答えなどないわけで。その難問に登場人物たちは向き合い、悩み、討論し、それぞれの立場を見出していきます。その過程が実に息が詰まるようなというか・・・ものすごい緊張感でした。

「もしかして、人の命の長さはみな同じとでも思っているの?」

安房那領の花部という秘境で、古来の医術をつかうマヒムの言葉は、医師でない私の胸にもぐっさり刺さりました。

去年、父を送ってから、死とは、寿命とは何か、人は病とどう向き合えばいいのかということをつらつら考えていて。いまだに思考はまとまらないのですが、こういう思いも人間が繰り返してきた普遍的なもので、医師という人たちはそれに正面から向き合う覚悟をした人たちなのだなあと痛感しました。

それにしても、ラストのミラルの決断は見事でした。いいなあ、こういうの。上橋さんの描く女性のしなやかなたくましさ、大好きです。

タイトルの「水底の橋」という言葉。普段は気づかないけれど、たしかにそこにあるもの。今は役に立たないけれど、かつてはたしかにそこにあったもの。そこに思いを致すことが、時には必要なことかもしれません。

2019年6月 3日 (月)

風と行く者

2907「風と行く者」 上橋菜穂子   偕成社   ★★★★★

 

市で助けたサダン・タラム<風の楽人>たちを護衛して、ロタへ向かうことになったバルサ。旅をしながら思い出すのは、かつてサダン・タラムの護衛をしたときのこと。あの頃バルサはまだ十六で、その側にはジグロがいた。過去と現在が交錯するうちに、ロタ北部の歴史の秘密が明らかになり・・・。

 

「守り人」外伝、やっと読めました! 

外伝がまた出るなんて! しかも長編!と狂喜してたのですが、期待に違わぬおもしろさでした。特に、バルサが少女だったころの話が好きなので、これはもうストライクゾーンど真ん中です。

サダン・タラムは旅芸人の一座だけれど、本来は鎮魂のために、決められた日に、決められた場所を訪れる。バルサはかつてジグロとともに、彼らを護衛したことがあるけれど、その記憶にはバルサの失敗と、ジグロとサダン・タラムの頭・サリとのロマンス(?)が絡んでいる。そのサリの娘・エオナが率いるサダン・タラムの護衛を再び引き受けたバルサ。過去の記憶と、現在とが重なり合うようにして、バルサはロタの氏族の闇の歴史に関わっていくのです。

ジグロにそんないい人がいたの?と、バルサと一緒に動揺しまくりましたが(笑) それはともかく、抜き身の刃のようなこの時期のバルサがとっても好きなのです。そして、そんなバルサをどう育てようか、どう守ろうか、悩みまくっていたであろうジグロの気持ちも、以前よりリアルに想像できるようになりました。この不器用な二人にとって、タンダとトロガイの住む家が、唯一のセーフティネットだったのだろうということも。

終盤はなんだか泣けて泣けてしかたなくて、なぜ私はこんなに泣いているのだろうと思いながら読んでいたのですが。あとがきを読んで、なぜ上橋さんが、今、これを書いたのかがわかって、納得しました。弔いでもあったのだな、と。

それにしても、脳内ではジグロは完全に吉川晃司で映像化されていました。バルサはもちろん綾瀬はるかさんで、少女のバルサは清原果耶ちゃんです。

2018年10月 5日 (金)

ほの暗い永久から出でて

2800「ほの暗い永久から出でて」 上橋菜穂子 津田篤太郎 文藝春秋 ★★★★

母の肺がんがきっかけで知り合った作家と医師が、往復書簡で語り合う生と死のこと。


父の病状が悪化して、何かのヒントになればと手に取りましたが、いざとなると読む覚悟がなくて。結局、父を送ってから読むことになりました。

上橋さんのお母さまが肺がんと診断され、その治療の過程で知り合い、治療に参加された津田先生。お母さまの死の前後に交わされた書簡は、生と死を通して、人の心と身体の在り方について、深く考察していくものになりました。

互いに敬意をもって言葉を交わしているので、読んでいてとても心地よかったです。上橋さんはやはり作家であり、文化人類学者であり、文系の方。感覚的に物事の本質をつかみ、言語に変換していく。津田先生は、やはり理系なのですね。実証的であり、理詰めできちんと解析しようとなさる印象でした。

このお二人がおこす化学反応が、とっても面白かったです。一方が投げた球を受けて、思いもかけない方向へ投げ返したり。途中でお母さまが亡くなり、その辺りは読むのがつらかったですが(父のことがよみがえってきて)。でも、その過程を他者の言葉で語ってもらうというのも、得がたい機会だったのかなという気がします。

語っても語り尽くせるはずのない「生と死」というテーマ。それに真摯に向き合い続けるお二人の姿勢に感銘を受けました。

2018年3月 5日 (月)

物語と歩いてきた道

2719「物語と歩いてきた道」 上橋菜穂子   偕成社   ★★★★

国際アンデルセン賞受賞の際のスピーチをはじめ、単行本初収録のインタビュー、スピーチ、エッセイをまとめた一冊。

去年の10月、仙台文学館で「精霊の守り人展」を見てきました。想像していたより充実した展示で、上橋さんの自筆の手紙や自作イラストなど、珍しいものもたくさん。この本には、そのイラストなども一部ですが収録されています(タンダのイメージ画など)。

上橋さんの物語も、エッセイも、いろいろ読んできましたが、生きることに前向きな姿勢にいつも圧倒されます。それでいて、決して「上から目線」ではないのです。だから、読み終えても、時間が経っても、何かのおりにふと思い出して、なんとなく勇気をもらったような気になったりするのです。

今回特に印象に残ったのは、アンデルセン賞受賞スピーチ等をまとめた「文化の差異を越えて」という章でした。世界の「分断」が大きな問題となっている今だからこそ、上橋さんのおっしゃることは身にしみましたし、この視点を忘れてはならないのだと肝に銘じました。

NHKの「精霊の守り人」は、3年にわたる放送が無事終了しました。ファンタジーを実写化するだけでなく、原作で描かれていた「異なる人との交流」「人と人とがわかりあうこと」というテーマに、逃げずに向き合った作品でもありました。きっかけは、ドラマでも、コミックスでも、なんでもいいのです。上橋さんのこの視点・・・彼我の違いを認めて、なおかつ手を伸べる姿勢に、少しでも多くの人にふれてほしいと思います。

この本には、ジュンク堂書店池袋本店で2016年から2017年にかけて企画された「上橋菜穂子書店」で紹介されたブックリストが載っています。これが楽しい!

こんな本を読んでるのか。これ、私も持ってる! やはりこの本は一度は読まねば・・・などなど。膨大なリストですが、多岐にわたるジャンルの約700冊。要チェックです。

2017年1月 9日 (月)

炎路を行く者

「炎路を行く者」 上橋菜穂子   新潮文庫   ★★★★

再読です。

「精霊の守り人シーズンⅡ」の放映にあわせて、文庫化されましたね。待ってました!って感じです。ドラマも、文庫も。

シリーズの番外編で、ヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」と、バルサの少女時代を描いた「十五の我には」を収録。

「十五の我には」はやっぱりいいですねえ。本を読むジグロってのも、そそられます。ドラマを見たあとなので、少女時代のバルサが映像でイメージできて、初読のときとはまた違うリアリティを感じました。

今回は、少年・ヒュウゴの葛藤に胸が熱くなりました。タルシュ帝国の密偵として本編に登場する彼が、まだ何者でもなかったころの物語。故国をタルシュに征服されてしまった彼が、自分の生きる道を見つけようとあがく姿には、こちらまで必死にもがいているような気持ちにさせられました。

この「守り人」シリーズは、それぞれの登場人物にドラマがあり、本編にいたるまでのストーリーがあり・・・そういうところが読む人の心を打つのだなと、あらためて感じました。

今回、文庫あとがきを読んで、思わず落涙。上橋さん、きっと大丈夫です。またいつか、上橋さんの新作を読むのを楽しみに待っています。

2015年3月18日 (水)

三人寄れば、物語のことを

2249「三人寄れば、物語のことを」 上橋菜穂子・荻原規子・佐藤多佳子   青土社   ★★★★

大好きな作家さん3人の鼎談集。買ってしまいました。

上橋さんの「守り人」、荻原さんの「RDG」、佐藤さんの「シロガラス」について、お三方が語り合うという、とっても豪華な一冊。やはり作家ならではの視線があって、すごくおもしろかったです。

各章のタイトルがなかなか素敵で。

 Ⅰ「こちら」と「むこう」が出会うときー物語の生まれる場所(上橋さん)

 Ⅱ物語を紡ぐ女神ー世界の襞へわけいる力(荻原さん)

 Ⅲ乱調が織りなすリアルー子どもたちは<物語>と遊ぶ(佐藤さん)

それぞれの鼎談のテーマと、作家さんの特徴がビシッとまとめられていて、編集者さんのセンスに脱帽しました。

上橋さんはエッセイ集を去年2冊読んだので、なんとなく物語の背景もつかめていましたが、荻原さんや佐藤さんはこういうの初めてだったので、興味津々でした。私がそれぞれの作品のどこにひかれているのか、これを読んでよくわかりました。

佐藤さんの「シロガラス」も読んでみたいし、何より「RDG」は途中でリタイアしているので・・・うーん、やっぱり読みたくなってきました。

2014年12月 7日 (日)

鹿の王(下) 還って行く者

2204「鹿の王(下) 還って行く者」 上橋菜穂子   角川書店   ★★★★★

連れ去られたユナを追ったヴァンは、父祖の地を追われた<火馬の民>と出会う。一方、医術師ホッサルは、辺境の民との接触を試みるが、それは<黒狼熱>の治療薬作りに大きな影響を与えることになる。そして、ヴァンとホッサルが出会ったとき、ひとつの仮説が生まれ・・・。やがて、ヴァンはある大きな決断を迫られる。

最終章を読むのが、ほんとに嫌でした。

ヴァンがどんな選択をするのか、わかっていたから。「鹿の王」というタイトルの意味がわかってしまい、それならヴァンがとる道は一つなのだろうと確信してから、それが嫌でしかたなかったのです。(ちなみに、旦那はこの本を見て、「鹿が主人公?」と言ってました)

そして、もっとこの物語世界に浸っていたかったから。残りページがもうこれしかない。これだけ読んだら、ヴァンやユナ、サエ、ホッサルともミラルともお別れなんだと思うと、とってもさびしかったのです。まだまだ読んでいたかった。

下巻は、ヴァンとホッサルがとうとう邂逅し、<黒狼熱>に関する仮説が成り立ちます。同時に、ヴァンを絡め取ろうとしていたいくつもの縄が交錯し、国や民族の思惑も複雑に絡み合い、皆がそれぞれの立場でうごめいて・・・とても一言では説明できない物語になっています。私も頭がこんがらかりそうでしたが・・・。でも、それをこれだけの分量にまとめきるというのが、すごい。

人とウイルス(この言葉は作中に出てきませんが)との戦いを描いた物語なのですが、「命とは何か」「生きるとは(死ぬとは)どういうことか」という根源的な問題に、より生物的に向き合った作品、と言えるかもしれません。だから、ヴァンの選択も、決してヒロイックなものにはなりません。できる者がやる。ただそれだけ。・・・でも、人間だから、哀しい。

だから、ユナの存在は、救いでした。飛鹿に乗ってヴァンを追いかけていくユナたちの姿を思い浮かべただけで、涙が・・・。ユナがいてくれてよかったと思うのです。虚ろだったヴァンがあの選択をしたのは、ユナやトマたちと出会ったからなのですよね・・・。

そうそう、トマがたくましくなったのも、うれしかったです。初めてヴァンたちと会ったときには、頼りなげな若者だったのに。飛鹿を乗りこなし、深い森林に分け入っていく姿に、感動しました。

たぶん、何年かしたら、この物語はもう一度読み返すと思います。その時の自分が何をどう感じるか、楽しみです。

2014年12月 6日 (土)

鹿の王(上) 生き残った者

2203「鹿の王(上) 生き残った者」 上橋菜穂子   角川書店   ★★★★

東乎瑠(ツオル)帝国との戦でただ一人生き残った<独角>のリーダー・ヴァン。奴隷として送られた岩塩鉱に狼たちが襲来し、病が蔓延する。ヴァンはそこでもただ一人生き残った。いや、もう一人。母の背に守られた幼子がいた。ヴァンはユナと名付けたその子と生きていくことを決意する。

読みたいけどもったいない~と、ずっと積んでましたが、とうとう手を付けました。

今回は、二人の男が主人公。戦士のヴァンと、医術師のホッサル。ヴァンは「黒狼熱」という病から生還した数少ない人間。ホッサルは、「黒狼熱」から人々を守るために奔走する医師。生い立ちも立場もまったく異なる二人は、上巻では交錯することなく物語が進みます。でも、どちらの物語も実に読みごたえがあるのです。

岩塩鉱で働かされていたヴァンは、獣に噛まれたことで病を発症。しかし、奇跡的に一命をとりとめます。そして、同じく奇跡的に生き残ったユナと、父子のように生きていくことになります。東乎瑠帝国に飲み込まれたアカファ王国の辺境に育ったヴァンは、「飛鹿」の飼育に長けていて、たまたま知り合った若者・トマの集落で「飛鹿」の世話を教えながら暮らすことに。しかし、病から生還してから、時折おかしな感覚がヴァンを襲うようになっていたのでした。それは、ユナにも・・・。

一方、ホッサルは古オタワル帝国の血を引く「聖なる一族」の出で、それなりの身分があるのだけれど、とにかく病から人を救うために戦っている青年。そんな彼は、岩塩鉱を襲った病が伝説の「黒狼熱」だと看破し、薬をつくろうとします(今でいう解毒薬や、ワクチンですね)。しかし、東乎瑠では身に穢れを入れるとして、ホッサルの医術を受け入れない面があったり。政治上の駆け引きがあったり。

一章ずつ交互に物語が展開するのですが、とにかく息もつかせぬというか、いつもながら上橋さんのストーリーテラーとしての力量に感動してしまいます。今回は、「伝染病」「感染症」というのがモチーフになっていて、ファンタジーでありながら、とうてい非現実の世界とは思えないものがあります。エボラ出血熱の流行もあったし。そして、人の「体」というものから「生きる」ということを見るような場面が随所にあり、はっとさせられました。

もちろん、国や民族といったテーマや、人がどう生きるかといったテーマも、今までの作品同様に描かれており、上橋ワールド全開です。

この巻の最後、ヴァンはユナを連れ去られ、ホッサルは襲撃を受け囚われの身となり・・・。さらに、黒狼熱の流行には人為的な何かがあるのか、あの山犬たちを操っているのは誰なのか・・・とっても気になる状態で、下巻に続きます。

2014年11月 7日 (金)

物語ること、生きること

2192「物語ること、生きること」 上橋菜穂子   講談社   ★★★★

「物語は、私そのものですから」・・・上橋菜穂子が作家になるまでの道程のすべてを語った一冊。

以前読んだ「隣のアボリジニ」や、先日読んだ「明日は、いずこの空の下」、それらで書かれていたことも含めて、上橋さんがどんな生き方をしてきたのかがよくわかります。それが、作品に結晶していることも。

おばあちゃんが語ってくれたお話。武術の鍛錬(これは驚きでした)。英国への憧れ。文化人類学との出会い。研究者として、作家として、歩いてきた道のり。すべてがあったからこそ、現在の上橋菜穂子があるのだ、と。

上橋さんは自分を甘い人間だというふうに評価しているようですが、とんでもない! 上橋さんのバイタリティーを分けてほしいと思う今日この頃。

作家から生まれてくる物語というのは、その人をうつす鏡なのだということをあらためて感じました。

2014年11月 2日 (日)

流れ行く者

「流れ行く者」 上橋菜穂子   新潮文庫   ★★★★

再読です。初読は6年前。

「浮き籾」「ラフラ<賭事師>」「流れ行く者」「寒のふるまい」の4つの短編は、まだ十三歳のバルサと、幼いタンダの姿を描く「守り人」外伝です。

「浮き籾」では、バルサがトロガイの家に一人で過ごした時のこと。タンダの里での生活や、姉弟みたいな二人の関係が描かれます。タンダ、かわいい(笑) ラストでバルサはロタへと旅立ちます。

「ラフラ<賭事師>」は、ジグロと共にロタへ流れてきたバルサが、酒場で働いていた時、熟練のラフラ・アズノと知り合う話。人生の終わりが見えてきた人たちの生き様は、少女のバルサにはとうていわからないでしょうけれど・・・。

「流れ行く者」は、隊商の護衛をして、バルサが初めて命のやりとりをする話。怒りを身の内にたぎらせていたバルサも、初めて人を殺したときには、決して平静ではいられなかったのでした。

「寒のふるまい」は、バルサたちがトロガイの家に戻ってくる場面を描いた掌編。タンダが待ち構えているのです。

初読の時は表題作が印象に残りましたが、今回は、ちびタンダのかわいさにノックアウトされました(笑) バルサにとって、タンダがいてよかったなあ、と。もちろん、タンダにとってもバルサが必要だったのですけど。

もう一つの外伝、「炎路を行く者」はまだ文庫化されてませんよね?早く文庫にならないかなあ。もう一度読みたいです。

その他のカテゴリー

「あ」行の作家 「か」行の作家 「さ」行の作家 「た」行の作家 「な」行の作家 「は」行の作家 「ま」行の作家 「や」行の作家 「ら」行の作家 「わ」行の作家 あさのあつこ いしいしんじ こうの史代 さだまさし その他 たつみや章 ほしおさなえ よしもとばなな アンソロジー 万城目学 三上亜希子 三上延 三島由紀夫 三木笙子 三浦しをん 三浦哲郎 三谷幸喜 上橋菜穂子 中山七里 中島京子 中田永一 中野京子 乃南アサ 乙一 井上ひさし 京極夏彦 伊坂幸太郎 伊藤計劃 伊集院静 佐藤多佳子 佐藤賢一 俵万智 倉知淳 光原百合 冲方丁 初野晴 加納朋子 加門七海 北大路公子 北山猛邦 北村薫 北杜夫 北森鴻 原田マハ 司馬遼太郎 吉村昭 吉田修一 向田邦子 坂木司 夏川草介 夏目漱石 大倉崇裕 大崎梢 太宰治 奥泉光 宇江佐真理 宮下奈都 宮尾登美子 宮部みゆき 小川洋子 小川糸 小路幸也 小野不由美 山崎豊子 山本周五郎 山白朝子 岡本綺堂 島本理生 川上弘美 平岩弓枝 彩瀬まる 恩田陸 愛川晶 戸板康二 日明恩 日記・コラム・つぶやき 有川浩 朝井まかて 朝井リョウ 木下昌輝 木内昇 朱川湊人 杉浦日向子 村山由佳 東川篤哉 東野圭吾 松本清張 柏葉幸子 柚木麻子 柳広司 柴田よしき 栗田有起 桜庭一樹 梨木香歩 梯久美子 森博嗣 森絵都 森見登美彦 森谷明子 横山秀夫 橋本治 氷室冴子 永井路子 永田和宏 江國香織 池波正太郎 津原泰水 津村記久子 浅田次郎 海堂尊 海外の作家 深緑野分 湊かなえ 漫画 澤村伊智 澤田瞳子 瀬尾まいこ 田中啓文 田丸公美子 畠中恵 石田衣良 磯田道史 福井晴敏 笹尾陽子 米原万里 米澤穂信 芥川龍之介 若竹七海 茅田砂胡 茨木のり子 荻原規子 菅野彰 菅野雪虫 藤沢周平 藤谷治 西條奈加 西澤保彦 角田光代 誉田哲也 辺見庸 辻村深月 近藤史恵 酒井順子 重松清 金城一紀 門井慶喜 阿部智里 青崎有吾 須賀しのぶ 額賀澪 高城高 高橋克彦 髙田郁 鷺沢萠

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー