加納朋子

2019年9月11日 (水)

いつかの岸辺に跳ねていく

2945「いつかの岸辺に跳ねていく」 加納朋子   幻冬舎   ★★★★

幼なじみの平石徹子と森野護。ちょっと風変わりな女の子と見られていた徹子のことを、護はずっと見守っていた。それは、恋なんて呼ぶのがもったいないような、もっと大事できれいなものを守るような気持ちで。少年時代から大人になっても、二人はずっとそんな生き方をするはず、だったのに・・・。

 

護視点の「フラット」と、徹子視点の「レリーフ」の2話で構成されています。

クラスの中でもちょっと変わった女の子と見られている徹子。幼なじみの護から見ても、徹子はときどき奇妙な言動をとる。その意味するところはわからないけれど、とりあえず護は徹子を見守り続け・・・。やがて語られる徹子視点の物語で、今までの出来事の意味が、明らかになります。なぜ、徹子はあんなことをしていたのか。小学生の頃、事故で入院した護のために流した涙の意味。高校入試の朝、護を助けてくれた理由。成人式の日の出来事。なぜ、徹子は看護師になったのか。

たぶんそういうことだろうな・・・と、読者にも見当がついてはいるのですが、徹子側から語られると、トランプをきれいにひっくり返されていくようで、見事に徹子の筋が見えてきます。ただ、その過程がなかなかしんどくて。もうやめて・・・と思った瞬間、これまたトランプが逆から裏返されていくように、新しい世界が開かれます。それもまた見事でした。

つらいこと、悲しいことはなかったことにならないけれど、徹子の頑張りは無駄ではなかった。そして、一人の頑張りはやっぱり限界があって、誰かと手をつなぐことで、打開できることもあるのだ、と。

とりあえずホッとした最後の最後・・・物語のラストシーンで、ホロホロと泣いてしまいました。悲しいのではなく、なんというか、温かい涙でした。そうか、そういうことだったのか・・・。

加納さんは決して作品の多い方ではないですが、書くほどになんというか、深みを増している気がします。私がとりこになったのは「いちばん初めにあった海」でした。あの頃の雰囲気も残しつつ、優しく、深く、主人公を抱きとるような感じがして、この話、すごく好きです。

2018年1月23日 (火)

カーテンコール!

2701「カーテンコール!」 加納朋子   新潮社   ★★★★

閉校になった萌木女学園。しかし、最後の卒業生になりそこねた学生が十名ほど存在した。温情で、半年の補講を受けることになった彼女たちは、外出・ネット・面会、すべて禁止の寮生活に突入。筋金入りの「ワケあり」女子大生たちは、無事に卒業できるのか?

加納さんの新刊は、閉校した女子大を舞台にした連作短編。「砂糖壺は空っぽ」「萌木の山の眠り姫」「永遠のピエタ」「鏡のジェミニ」「プリマドンナの休日」「ワンダフル・フラワーズ」の6編。

それぞれ深刻な「ワケ」を抱えた学生たちが、半年という期間限定ながら再チャレンジの機会を与えられる。しかし、そう簡単にいくわけはなく、角田理事長や校医の湯本先生たちが知恵をしぼって、指導・ケアしていくのです。彼女たちが抱えているものは、とてつもなく重くて、根が深いものが多く、そのくせ他人には理解されにくい。理事長たちは、よく観察し、話を聴き、彼女たちが社会で生きていく手がかりを見つけようとする。

私は、ちょっと彼女たちの気持ちがわかるのです。本当に、「人生詰んだ」と思うときってあるのです。そういうときは、自分を責めてしまうんですね。そうして、ますます深い穴の中に落ちていくんです。

でも、なんとかなる。世の中と折り合いをつけて、なんとかやっていく手段はある。そう思えたときの、徐々に世界が明るくなっていくような感じ。読んでいて、その感覚を思い出しました。

加納さんらしい「日常の謎」がちりばめられた物語なので、ネタバレは避けますが、私はこれ大好きです。

最後の「ワンダフル・フラワーズ」は、ちょっと頭が混乱しましたが、そういうことか、と。涙が出ました。

2015年1月17日 (土)

トオリヌケキンシ

2219「トオリヌケキンシ」 加納朋子   文藝春秋   ★★★★

「トオリヌケキンシ」の表示のある道を入って行った先にあったものは・・・。「トオリヌケキンシ」「平穏で平凡で、幸運な人生」「空蝉」「フー・アー・ユー?」「座敷童と兎と亀と」「この出口の無い、閉ざされた部屋で」の6つの短編集。

初期の加納さんの作品を久しぶりに読んだような感じです。優しくてほんわかした物語なのに、ときどきピリッと痛いところがあって、なんとも言えないせつなさ感ががあって。そして、5つの物語がラストの「この出口の~」にリンクしていて。

要するに、ものすごく私好みの物語でした。

加納作品は「無菌病棟より愛をこめて」以来読んでいなかったのですが、やっぱりいいですね。

ミステリなので、ネタバレできないのがつらいところですが、「平穏で平凡で~」がすごく好きです。ほんと、幸せな感じで。子どもへの虐待とかダメなんで、「空蝉」はしんどかったです。

ラストの「この出口の~」には、泣かされました。あなりのせつなさに。加納さんだから書ける、加納さんゆえの説得力だなと思いながら。1月17日の今日だから、「未来に向けて、生き続けねばならない」という言葉が、より身に染みて感じられました。

2012年6月11日 (月)

無菌病棟より愛をこめて

1877「無菌病棟より愛をこめて」 加納朋子   文藝春秋   ★★★★★

2010年6月、急性骨髄性白血病だと告知された筆者。「なるべく死なないように頑張ろう」・・・化学療法から骨髄移植。およそ8カ月におよぶ闘病記。

この本の存在に初めて気づいたのは、春休みの終わりごろ。盛岡の大型書店をふらりと流していた時に、ふと目に留まったのです。加納さんは大好きな作家さんなので、「あれ、新刊?」と手に取ってギョッとしました。加納さんご自身の闘病記?え?白血病って?いつのまにそんなことに?新作じゃないの?・・・気づくとそこは、「ノンフィクション」の棚でした。

なんだかものすごくショックで、読む勇気が持てず、本を戻して立ち去りました。後ろ髪をひかれつつ。

それから・・・どのくらいたってからだったでしょう。朝日新聞に、笑顔の加納さんの写真が載っていました。かつての「著者近影」に比べると、ものすごく痩せていて。泣きたいような気持になりましたが、加納さんはすがすがしく笑ってらっしゃいました。もし、あの写真を見ていなかったら、この本はずっと読めなかったかもしれません。

さて、この本は、加納さんの闘病記です。白血病と診断されるまでと、その後の化学療法。さらに骨髄移植。さらに骨髄のドナーとなった弟さんの日記も。

この経過を拝見すると、加納さんはかなり幸運な部類の患者だったのだと思えます。もちろん、薬の副作用等々、すさまじい苦痛に襲われていますが、看護師さんやほかの患者さんたちがビックリするほど元気。それは、弟さんがドナーという恵まれた状態での移植が可能だったこともありますが、実は加納さんの努力による部分も大きかったようです。

たとえば、体力を落とさないように、本格的な治療が始まる前には運動する。ストレッチをする。また、移植前には口腔ケアをしてもらい、その後も自分でのケアを怠らなかったためか、ひどい口内炎を経験せず、口から食物をとり続けることが可能だったこと。これらが、加納さんの基礎体力を支えていたような気がします。

とにかく、前向きなのです。そんなにがんばらなくてもいいのに・・・と思うほどに。でも、やっぱり、かなり無理をしていたところもあったようで、一度、日記がぷっつり途絶えてしまいます。その前後は痛々しいほど・・・。

それにしても、すさまじいです。化学療法であれだけ苦しんだのに、骨髄移植ではまたさらに・・・。こんなに苦しまなきゃいけないものなのか、と、何度も涙目になりながら読みました。それでも、加納さんはきっちり向き合います。自分でもネット等で病気について調べて、きちんと理解したうえで病気に向かっていこうとする。その心の強さにはただただ頭が下がる思いでした。

支離滅裂な感想になってきましたが・・・印象的だったのは、旦那様の存在です。このご夫婦、ラブラブですね。旦那さんが病院に来てくれた時は、加納さん、ひときわ嬉しそうでした。骨髄移植のために入院する時、病院へと向かう車の中で旦那様が言ったこと。

「やっぱり君がいる方が毎日が楽しいから、早く帰っておいで」

思わず、こちらがボロボロ泣いてしまいました。

昨日、前半部分を読んでいる時、夫が隣にいまして。なんだかやたら話しかけてくるのです。いつも、お互いに本を読んでいる時には邪魔しない・・・というのが不文律なのに、珍しいな、と思ったのですが。今、心身ともにへたっている私が、眉間にしわを寄せて、泣きそうな顔をして読んでいるので、心配だったみたいです。・・・ごめんなさい。

私も、このコンディションで読むのはどうよ、と思ったのですが・・・。でも、読んでよかった。これは、自己満足のための日記ではなく、この病気のことについて知ってほしいという強い願いのもとに世に出たものです。ぜひ、多くの人に読んでほしいと思います。

2010年8月12日 (木)

少年少女飛行倶楽部

1541「少年少女飛行倶楽部」加納朋子   文藝春秋   ★★★★★

中学生になった海月は、一目惚れした先輩に近づきたい幼なじみの樹絵里に付き合わされて、「飛行クラブ」という奇妙な部に入部してしまった。それは、「飛ぶ」ことを目的にしたクラブ。設立者は、2年生の斎藤神。かなり変わり者の斎藤先輩に振り回されてばかりの海月だったが、いつのまにか彼の「飛びたい」という思いをかなえたいと思うようになり・・・。

不覚にも、読み終えて涙ぐんでしまいました。いや、他愛ない(作者には申し訳ないですが)青春ものなんですけどね。ものすごく特殊な話ではないと思うのです。むしろ、ベタな。ただ、何が琴線に触れたのか、考えてみるに・・・。

あとがきで、加納さんはこう書いています。『底抜けに明るい、青春物語が書きたくなりました』・・・そう、この「底抜けに明るい」というところ。おそらく、これがポイントだったのだと思います。本当に「底抜けに明るい」のかというと、そうとは思えません。

たとえば、飛行クラブの女子メンバーは、海月を中心にして、樹絵里、るなるな、イライザ・・・みんな個性が強くて、それぞれの好き嫌いとか、恋愛がらみで気まずい空気になることもあります(原因は、海月の鈍さにもあるのですが)。男子たちも、それぞれ抱えているものが重いです。親の期待に応えられず苦しんでいた球児。ケガで野球ができなくなってしまった中村先輩。そして、体の弱い姉を守るために生まれてきたという斎藤先輩。

でも、そういうのをちょっとだけ乗り越えたり、自分なりにけりをつけたりしながら、自分たちでやりたいことを見つけ、実現していく。この前向きなパワーのいとおしかったこと!彼らは凹んでも、ぐるぐるしても、うまくできなくても、仲間と関わりながら、なんとなく前へ進んでいくのです。そして、「飛ぶ」ことを実現させてしまう・・・。

そう、本当は、人間にはそういうパワーがあって、特に若い時って無茶なことでも実現させてしまうくらいの、大人が「しょうがないなあ」って苦笑してしまうくらいの無駄なエネルギーがあって・・・楽しいんだよって・・・今の子供たちに加納さんは伝えたかったのかな、と感じたのです。それは、私が、いつも今の中学生・高校生たちに言いたいことなのだ、と気づかされました。

最近のヤングアダルト系の小説を読んでいると、なんだか痛々しくて、読んでいると悲しくて泣きたくなるような場面が多い気がします。そんなに、つらいことばっかりなんだろうか。生きていくのは、そんなに息苦しいことばっかりなんだろうか。そうじゃないのに。特に、若いうちは、もっともっと無防備に、無鉄砲でいいはずなのに。

この物語は、そうでした。だから、読んでいて嬉しくなったのです。さすが、加納さん。

ところで、学校でのあれこれや、先生とのやりとりとか・・・変なところがリアルで、ニヤニヤしてしまいました。

それから、「イライザ」! やはり、同年代の作家さんはこういうところが嬉しいです。そのネーミングで、その子がどんなキャラか、一発でわかってしまいました(笑)

2009年7月24日 (金)

スペース

1402「スペース」加納朋子   創元推理文庫   ★★★★

クリスマスにひいた風邪がようやく治った大みそか、出かけたデパートであるものに目を奪われた駒子は・・・。

「ななつのこ」「魔法飛行」の続編。やっと文庫化され、やっと読めました~。

私はどうも加納さんの書く女の子が苦手です。すごく純粋なタイプの女の子が。そう、この駒子のような。北村薫さんの書く「私」と似ているんだけど、何か違う。たぶん、北村さんの書く女の子は「いそうでいない」タイプで、加納さんの書くのは「いそうにないけど実はいる」タイプなのかも。そういう妙なリアル感があるのです。同性の神経を逆なでする何か、みたいな。

実は、この主人公の駒子も、私が苦手なタイプで、でも、イライラしながら読み終えると、「ああ、この話好きだなあ」と思ってしまう、不思議な物語なのです。前作あたりからは、駒子がただ能天気でまっすぐなだけの子じゃないというのが見えておもしろくなってきたのが、今回は別の視点人物から見た駒子が描かれていて、これまたおもしろかったのでした。

「スペース」と「バック・スペース」の二つの物語で構成されていますが、それぞれの物語と、その両方とに仕掛けがあって、ミステリとしても上出来です。そして、二つのタイトルにこめられた意味にぐっときました。

現実と悪戦苦闘しながら生きている女の子たち・・・。等身大の彼女たちを、とてもいとしおしく思いながら読みました。恋愛ものとしても、素敵な物語です。

個人的には、岩手県が舞台になっているところがあったのが、ポイント高かったです。

2008年8月21日 (木)

ぐるぐる猿と歌う鳥

1340「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子    講談社    ★★★

 森(しん)は、父の転勤で小倉に越してきた。その社宅に住む子たちと知り合うが、その中にいっぷう変わった子が。みんながパックと呼ぶその子は、正体不明で…。

 ミステリーランド13回配本。遅ればせながら読みました。
 加納作品の主人公は女性が多いと思うのですが、これは男の子。それだけで、ずいぶん印象が違う気がしました。
 でも、日常の謎を積み重ねていく手法や、ほんのりあたたかさがにじむストーリーは、とても加納さんらしかったです。
 奇妙なタイトルの意味もわかったし。最大の謎、パックの正体は、なんともやりきれない感がありましたが…明るいラストに救われました。
 子供たちそれぞれが負っている心の傷は決して浅いものではないけれど。それでもみんな生きていけるさ…と思えるところがよかったです。

2008年5月16日 (金)

てるてるあした

1293「てるてるあした」加納朋子    幻冬舎文庫    ★★★★

 親が借金をこさえたせいで、夜逃げするはめになった照代。行き先は佐々良という田舎町に住む、遠縁の久代さんという人の家。親とも離ればなれですさんだ照代のもとに、ある日不思議なメールが届く。

 「ささらさや」の姉妹編。サヤは脇役になり、照代という十五歳の女の子が主人公。「ささらさや」に登場した三婆の一人、元教師の久代さんが、重要な役割を果たします。
照代はかなりかわいくない性格ですが、その大元は、親からの愛情を実感できないというところにあるのです。そして、その原因は…。
 最初はけっこう照代と両親にイライラしたのですが、話の仕掛けが見えた辺りから、どうしようもなく哀しくなってきて…最終話では思わず泣けてしまいました。 

 加納さんって、人のピュアな部分を書くのがうまいと思うんですが、同時に素直になれない不器用な人の、一瞬見せるあたたかさを描くのもうまいなぁと感じました。

2006年11月26日 (日)

レインレイン・ボウ

1049「レインレイン・ボウ」加納朋子   集英社文庫   ★★★★

 高校時代のソフトボール部の仲間、チーズこと知寿子が急死した。その通夜で久々に再会した仲間たち。個性も異なるそれぞれの生き方は・・・。

 「月曜日の水玉模様」の姉妹編。あちらで主人公だった陶子の高校時代のソフト部のメンバー(きっかり9人しかいなかった)のお話。
 7人を主人公にした連作短編。知寿子の死で始まり、最後はその死に隠されていたある事実が浮かび上がります。一編ごとにも小さな謎解きがあって、「日常の謎」が得意な加納さんらしい話です。
 それぞれの個性を虹の七色にたとえて話を紡いでいくという構成は、ありがちな気もします。でも、「色」のイメージと、主人公の個性がうまくマッチしていて、読み終えてから、「ああ、うまいなあ」としみじみ。
 悩むこともあるし、迷うこともある。仕事をしている人も、してない人もいる。前向きな人もいれば、自分に自信がもてない人もいる。それぞれが何かを抱えて、毎日を生きている。そういうところに私自身もすごく共感できたし、どの話も好きでした。
 その中でも主役というべきはやはり陶子です。仲間たちから信頼されていた「キャプテン」の存在は、今でも大きい。だけど、陶子自身は自分をあまりわかっていません。そういう彼女に風穴をあけてくれるのが、萩くんなのですね。「月曜日~」以来、萩くんファンの私としては、登場した瞬間「待ってました!」って感じでした。やっぱり、萩くんいいなあ。
 「月曜日~」とは独立した物語としてもじゅうぶん楽しめますが、読んでるとさらに楽しめますね。

じゅりん > こちらはまだ未読ですが、萩くん登場するんですね。私もファンなので気になります~(笑)。「月曜日~」では二人の関係もあいまいな感じで終わっていたので、こっちではちょっとは進展があったのでしょうか。。(笑) (2006/11/28 13:37)
まゆ > じゅりんさん、萩くん登場です!でも、ちょこっとだけなので、最後まで辛抱強く読んでくださいませ。「月曜日~」よりさらにミステリ色は薄まって、また違った趣の物語になっていますよ。 (2006/11/28 22:11)
流歌 > 専業主婦にも働く女性にも、平等の目線を送っているところが素敵だな、と思いました。こういう仕事をテーマにした作品って、えてして専業主婦やパートの女性を見下して描いていることが多いので。逆に結婚している女性が未婚の女性に優越感を抱いているように描かれている場合が多くて、うんざりしていたので。
萩くん再登場は嬉しかったですが、水玉模様の時より陶子との仲があまり進展してなかったのが残念です。また更に続編か姉妹編が出ないかな~と思ってます。 (2006/11/29 18:36)
まゆ > 流歌さん、作者のスタンスが偏ってないというのは、同じことを感じました。だから、読んでいて気持ちよかったです。
これは「月曜日~」の続編というより姉妹編だと思って読みました。だから、今度はあの「続き」を書いてほしいですね。陶子みたいなタイプにとって、萩くんって大きな存在だと思うので。 (2006/11/30 00:02)

2005年12月31日 (土)

虹の家のアリス

917「虹の家のアリス」加納朋子   文春文庫   ★★★★

 脱サラして探偵事務所を開いた仁木順平。押しかけ助手の安梨沙。あまりはやらない探偵事務所には、今日も依頼人がやってこない。安梨沙が苦労して見つけてくる依頼人たちは、奇妙な事件ばかり抱えてきて・・・。

 2005年のラストを飾ったのが、この一冊。
 ↓の「バッテリー」が少年ものなら、こっちは少女・・・って、安梨沙は20歳だったっけ。
 「螺旋階段のアリス」の続編ですが、私はこっちの方がめちゃくちゃおもしろかったです。なぜかというと、安梨沙が非常に生き生きしてるから。とってもかわいくて、賢くて、いたずら好きで、あくましくて・・・。前作ではイマイチ感情移入できなかった安梨沙というキャラが、一話ごとに血が通ってくる感じ。彼女の「変化」がとても心地よかったのです。
 自分にはめられていた枷をはずして、自分の目で見て、自分の頭で考えて・・・しっかりしてきた安梨沙の姿がに好感がもてました。
 ミステリとしては日常の謎系。表題作「虹の家のアリス」がおもしろかったです。「鏡の家のアリス」にはだまされました(苦笑)
 最終話で「チロ」の正体に気づいた安梨沙。これからどうするのでしょうね。

さくら > 「鏡の家のアリス」私もやられました~でも一番好みです。安梨沙も、仁木との関係も色々と変化していくのが好ましいですよね! (2006/01/04 10:16)
まゆ > さくらさん、「鏡の家」は、あれ?あれ?と思いながら読んでしまうんですが、そこにひっかかるんですよねえ。一話ごとに安梨沙がどんどんたくましく(?)なっていくのが、すごくよかったです。 (2006/01/04 15:06)

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