殺人鬼がもう一人
3244「殺人鬼がもう一人」 若竹七海 光文社文庫 ★★★★
都心まで一時間半のベッドタウン・辛夷ヶ丘。のどかな町で起こる不穏な事件の捜査に駆り出されたのは、辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴。しかし、そこにはただ者ではない人々が・・・。
「ゴブリンシャークの目」「丘の上の死神」「黒い袖」「きれいごとじゃない」「葬儀の裏で」「殺人鬼がもう一人」の6話。辛夷ヶ丘を舞台にしたミステリ連作短編集。
若竹七海さんの持ち味は、軽いタッチで、人の悪意や怖さをサラリと書いてしまえるところだと思っていて。それが実に上手く結晶したのが、「葉村晶」シリーズだと勝手に思っています。そして、この「殺人鬼がもう一人」は、若竹さんのダークな部分を煮詰めたような短編集にしたような(苦笑) ものすごく読みやすいのですけれどね。なかなか凄いものがあります。全員、悪人?
「きれいごとじゃない」と「葬儀の裏で」は再読ですが、やはりこの2作が印象的でした。表題作は、もう何と言っていいか・・・。怖すぎました。
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