鷺沢萠

2008年7月30日 (水)

かわいい子には旅をさせるな

1328「かわいい子には旅をさせるな」鷺沢萠    角川文庫    ★★★★

 海外で。国内で。鷺沢さんの旅はトラブル続き。それでもまた旅立ってしまう鷺沢さん。旅を中心にしたエッセイ集。

 鷺沢さんのエッセイを読むのは久しぶりです。一番初めの話が「元号ってどうよ…!」で始まるのを立ち読みして、「これは買わねば」と(笑)久々に鷺沢節を堪能できるなぁと思ったこのネタは、思わぬ着地を見せます。それがめちゃくちゃおかしくて。
 鷺沢さんが亡くなって以来、作品を読むときは必ず悲しい気分と隣り合わせでしたが、今回は純粋に楽しんで、笑っちゃいました。最高です、鷺沢さん。

 沖縄のおじいというのが、カメラマンの垂見さんだというのは、今回初めて知りました。島らっきょうのエピソードも笑えたし。
 ただ、最後の「心の角質化」の話だけは、ちょっと悲しかったです。鷺沢さん、そんなことないよ、そういうことに心を痛めるほど、鷺沢さんの心は柔らかいじゃないですか…と言いたくなりました。

2007年9月26日 (水)

奇跡の島

1189「奇跡の島」鷺沢萠・文 稲越功一・写真   角川文庫   ★★★

 「この風景を忘れないでいような」・・・彼の言葉は、何度もマリアの耳によみがえる。どれだけ時間がたっても。
 奇跡は決して起こらないから奇跡なのだ。そう思わないではいられないのに。

 稲越さんの写真と、鷺沢さんの小説のコラボレーションってことでいいんでしょうか。文庫なのにフルカラー。ちょっとぜいたくな一冊です。
 なんとも言えない雰囲気のある写真と、とってもせつないラブ・ストーリー。この物語はごく短いのですが、よけいなものがそぎ落とされているぶん、かえって人を恋うるギリギリの気持ちが印象的です。鷺沢さんらしいです。
 文庫化された当時に買って読んで、久しぶりに再読しました。今の方が、マリアの過去やその思いが、切実に感じられます。写真もとっても素敵なので、しばし見入ってしまいました。

2005年5月29日 (日)

明日がいい日でありますように。

800「明日がいい日でありますように。」鷺沢萠   角川書店   ★★★★

 鷺沢萠公式サイト「Office Meimei」、最後の日記ダイジェスト版。

 私がパソコンを購入してインターネットを始めた時、まずやったのが好きな作家さんたちのサイト(オフィシャルサイト・ファンサイト含め)を探すことでした。その過程でヒットした一つが鷺沢さんのサイト、通称「おふぃめめ」でした。
 日記には鷺沢さんの考えがダイレクトに書かれていて、読んでいて痛々しいことも多かったです。鷺沢さんと同じことは私も感じていて、でも、あえて目をそらして生活しているのに、この人は真っ向から向き合っている・・・。故・春風亭柳昇師匠が鷺沢さんを評して、「生きにくそうなヒト」と言ったというエピソードが出てきますが、すごくわかる気がします。
 私も何度かメールして、それを鷺沢さんが取り上げてくれたこともありました。サイト上で自分のHNを見た瞬間の驚きと、それに対して鷺沢さんが答えてくれていることへのうれしさは、きっと一生忘れられません。調子に乗って、けっこう失礼なことを書いたりもしたけれど。
 亡くなる前には更新も途絶えがちになっていて、体調も悪そうだし、なんかまいってるのかなあと心配していたのです。でも、まさかあんなことになるなんて、考えもしなかった・・・。
 亡くなる半年前の日記に、「自殺したくなった人は、沖縄に来るといい。したくなくなるから」という記述があって、泣けてしまいました。
 そして何より、帯の鷺沢さんとコマちゃん(鷺沢さんの愛犬)のツーショットが泣けます。すごく、いい顔してるの、鷺沢さん。私が憧れてやまなかった、「鷺沢萠」の顔なんです。
 鷺沢さんが亡くなったというニュースを見た同僚が、「きれいな人だね」と言ったのを覚えています。そう、顔だけじゃなくて、心も、ほんとにきれいな人でした。

nanao > いい話ですね。
小説からはうかがい知ることの出来ない何かがあったのでしょうか。ただただ残念です。 (2005/05/31 00:50)
yukko > まゆさん、こんにちは。こういう本が出ていたんですね・・・実は鷺沢萠さんが急にお亡くなりになり、つらくて著作を手に取れなくなって今に至ります。このサイト大好きだったのですが、それから訪問できてません。でもきっと、そんな風に鷺沢さんの文章から遠ざかってしまうのは、鷺沢さん哀しいですよね・・・頑張って、まずはこの作品からまた始めてみようと思いました。あ、まゆさん800タイトル!おめでとうございます-♪ (2005/05/31 17:00)
まゆ > nanaoさん、「おふぃめめ」では鷺沢さんの思うところが直接私たちに伝わってくるわけで、リアルタイムで鷺沢さんと一緒に怒ったり笑ったりできるというのは、私にとっても貴重な経験でした。 (2005/06/01 20:25)
まゆ > yukkoさん、800冊目だったんですね。ありがとうございます。全然気づきませんでした。
私もしばらくショックで鷺沢さんの本は読めない時期が続きました。でも、死後刊行された「ビューティフル・ネーム」と「ウェルカム・ホーム!」は絶対読まなければいけないような気がして、刊行されてしばらくたってからようやく読みました。いい作品でした。つくづく、鷺沢さんがいなくなったことが残念でなりません。「おふぃめめ」は、今もわたべさんが管理して、存続しています。新刊情報や、たまにわたべさんからのコメントがあったりして、ファンの心の支えになっています。いつかまた訪ねてみてください。 (2005/06/01 20:29)
トントン > 鷺沢さんの名前はお亡くなりになった時知ったんですが、まだ1冊も読んだことがありません。でもずっと気になっているので『ビューティフル・ネーム』『ウェルカム・ホーム』から読んでみようかなと思っています。 (2005/06/03 09:42)
まゆ > トントンさん、初めて読むなら「ウェルカム・ホーム!」の方がおすすめですよ。「ビューティフル~」は、鷺沢さん初心者にはちょっとつらいかも、です。実は私も未読の作品けっこうあるので、いずれ読破したいなと思ってます。 (2005/06/03 23:57)

2005年4月11日 (月)

そんなつもりじゃなかったんです

777「そんなつもりじゃなかったんです」鷺沢萠   角川文庫   ★★★★

 鷺沢さんの「バカだけどゴキゲンな」友達をネタにしたエッセイ集。

 ここ数年来の「お風呂本」です。
 「男友達編」と「女友達編」って感じになっていて、前者は爆笑ネタ多数。後者は笑えるけれど、しんみりする話も多いです。
 もう何度繰り返して読んだかわからない。けれど、ここ一年、開くことができませんでした。久々に読み返してみて、このたくさんのお友達は、鷺沢さんの死を、どんなふうに受け止めたのだろう・・・と、複雑な気持ちでした。
 同世代の作家で、ものすごく読み込んでいるわけではなかったけれど、常に気になる存在でした。お会いしたことはないけれど、小説やエッセイ、HPで見せる彼女が、好きでした。訃報を聞いた時の衝撃は、きっと一生忘れられません。
 4月11日。鷺沢さんの命日。今ごろ、天国でお酒片手に笑ってらっしゃるのでしょうか・・・。

EKKO > もう1年たつんですか・・・。鷺沢さんの本はそうたくさんは読んでいないのですが、私もなぜか妙に共感できるんです。エッセイは読んだことないのですが、楽しそうですね。 (2005/04/12 21:49)
まゆ > EKKOさん、レス遅くなってごめんなさい。修学旅行で留守にしてました。
もう1年です。しばらくは鷺沢さんの作品を読むこともできないほど、衝撃を受けました。今は、ポツポツと読み返しながら、もう「新作」が読めないこと、そしてこちらの声も鷺沢さんには届かないということを、つくづく寂しく残念に思っています。鷺沢さんのエッセイはおもしろいものが多いですよ。これ、おすすめです。 (2005/04/16 20:44)
たばぞう > 初めて読んだサギサワ本でした。確かに男友達編の方が、がんがん笑った記憶が・・・(笑)。鷺沢さんがお亡くなりになって、もう1年ですか。しみじみと、早いなぁと、思います。 (2005/04/17 12:35)
まゆ > たばぞうさん、お久しぶりです!最近いらっしゃらないなあ・・・どうしたのかなあ・・・と思っていました。私も忙しくて、本を読むペースはガクンと落ちていますが。
もう、1年なんです。あっというまでしたね。HPを毎日チェックして、日記を見て笑っていたのが、ずいぶん昔のことのような・・・フクザツな気分です。 (2005/04/17 18:11)

2004年10月28日 (木)

ばら色の人生

646「ばら色の人生」鷺沢萠   作品社   ★★★★

 倒産した会社。残ったものは200万円と、600箱以上のなめたけの瓶詰め(キムチ味)。社長は200万円をもって雲隠れ。社員たちは差し押さえられる前に、なめたけを運び出そうと悪戦苦闘。そこに社長が戻ってきて・・・。

 鷺沢萠最初で最後の戯曲集。「ばら色の人生」「ビューティフル・ネーム」「ウェルカム・ホーム!」の3作(いずれも上演されました)。「ビューティフル~」「ウェルカム~」は同名の単行本がありますが、内容は全く違います。
 「ばら色の人生」がいちばんおもしろかったです。これにも「在日」の要素が入っていますが、変に重くない。息子が自分の父親の無責任ぶりを罵倒してるうちにボルテージがあがって、あげくに「チョーセンジーン!」と叫ぶシーンがあります。笑っちゃいけない気がするんだけど、笑える。あんたも同じ血が流れてるんだっつーの!って。そうやってコメディとして自分の思いを表現しようという作者の意図が伝わってきます。
 3作とも、伝わってくるメッセージはとてもポジティヴなものです。しょーもない人たちがいっぱい出てくるけど。笑いながら、「うんうん、そうだよね」って頷いてしまいます。
 正直言って、戯曲としての出来がどうなのか、私にはよくわかりません。ただ、小説よりももっと生々しく、鷺沢さんの考え、思い、願いが感じられて、憑かれたように一気に読んでしまいました。
 伊集院静さん、永江朗さん、原田宗典さん、沢知恵さんの寄稿があって、その中の沢さんのエッセイが印象的でした。
 

2004年9月22日 (水)

さいはての二人

610「さいはての二人」鷺沢萠   角川書店   ★★★

 この男(ひと)は、あたしだ・・・。
 女優の卵でアメリカ人の父をもつ美亜は、バイト先で父親ほども年の離れた朴さんと出会う。朴さんと触れ合うことで、心の傷を癒されるような日々ののち、美亜を待っていたのは、彼との別れだった。

 表題作のほか、「約束」「遮断機」を収録した短編集。
 先日、EKKOさんの日記で「この男はあたしだ」というフレーズに目が止まり、これは読まねば!と図書館で借りてきました。
 もうずいぶん前のことですが、やっぱり私もそう思える人に出会ったことがあります。美亜と朴さんのような穏やかな関係ではなく、お互いに傷つけあったような気がしますが。でも、同じ魂をもって生まれたのかと思える相手がいるって、奇跡的というか・・・。
 この話はけっこう私の予想を裏切って、「うわ、そっちに行っちゃいますか」って感じでしたが、しみじみと、いい話でした。
 家族に関わる物語が最近は多かった鷺沢さん。これが「ウェルカム・ホーム!」につながっていったのですね。

EKKO > まゆさん、早速読まれましたね~。まゆさんにはそういう体験があったんですね・・・私はこんな風に思える相手にはめぐり合ったことはないです。この話、私もラストは「あれ、結局そうなっちゃうの?」と少々びっくりしましたが、これが「ウェルカム・ホーム!」につながるというのは私も強く感じました。 (2004/09/23 23:20)
まゆ > はい。先日、図書館でゲットしてきました~。まさか話が原爆に行っちゃうと思わなかったのでビックリでしたが。こういうところから目をそらさなかった鷺沢さんのまっすぐさを強く感じました。 (2004/09/23 23:58)

2004年8月23日 (月)

ウェルカム・ホーム!

583「ウェルカム・ホーム!」鷺沢萠   新潮社   ★★★★★

 「おかえりなさい」・・・そう言ってくれる人が、きっと本当の家族。血がつながってなくても、フツーじゃなくても。

 鷺沢さんがものすごいこだわりをもっていたテーマである「ウェルカム・ホーム」。同名の舞台の脚本&プロデュースもしていました(この小説とは違うストーリーらしいです)。
 「渡辺毅のウェルカム・ホーム」と「児島律子のウェルカム・ホーム」の2編。共通するのは「血がつながってない家族」。
 「渡辺毅」は、一度はなにもかもを失った男。妻を亡くした親友の子育てをたすけるために、「シュフ」として生活している。
 「児島律子」は仕事ができる女で、バツ2。2度目の結婚相手の連れ子・聖奈をいつくしんで育てたが、結局彼女とは心がすれ違ったまま別れてしまう。
 毅編も子供のノリくんがいい味出してて好きでした。でも、私が泣いてしまったのは律子編です。その理由はあまりに個人的なことなので省きますが、「そこついてきますか、鷺沢さん!」って感じでした。
 家族。自分の居場所。ここにいていいよと認めてくれる存在。受け入れてくれる場。おそらく、鷺沢さんはそれを強く強く求めていたのではないでしょうか。この物語は、ほんっとーに心に響いてきます。そこに作者の祈りにも似た強い願いを感じるのは私だけでしょうか。こうあってほしい、と。人と人とが、心でつながっていてほしい、と。
 毅が「こう言ってほしい」と思っていたことを言ってもらえたように、私もまた自分が「ここ」にいる意味を誰かに認めてほしいと思ってるので(これって甘いのかもしれないけれど)、こういう物語が奇跡としてではなく、成り立ってほしいと思うのです。
 

nanao > 私も律子編のラストはジーンときました。
作者の訃報の直後にこの作品を読みましたが、
カバーの挿絵の自転車の少年があたかも、去り行く
作者のようでたまらなく悲しかったです。
作者は家族の嘘を見抜きつつも、あこがれて
いたんだと思います。 (2004/08/24 02:46)
EKKO > 家族って、難しいんですよね。血がつながっているとかそうでないとかではなく、まゆさんのおっしゃるとおり、無条件に「ここにいていいよと認めてくれる場所」であってほしいですね。鷺沢さんはいつもシンプルなテーマをさりげなく深く描いてくれると思います。 (2004/08/24 20:17)
まゆ > 体調くずして寝込んでいたもので、レス遅くなってすいません。
nanaoさん、私は鷺沢さんの死がものすごいショックで、しばらく鷺沢さんの本は読めませんでした。こんなにすてきな物語を紡げる人が亡くなってしまったことは残念でなりません。
EKKOさん、鷺沢さんの「こうあってほしい」という思いがギュッとつまった物語ですね。読んでよかったです。 (2004/08/27 17:31)
たばぞう > 鷺沢さんの思いがそこまで強いとは知らずに読みましたが、こうあってほしいということは、そうでない何かがあったのでしょうか。そうであるのなら、悲しいことです。 (2004/08/28 23:12)
まゆ > 鷺沢さんは自分の居場所を強く求めていた方なのではないかというのが、最近感じていることです。彼女が4分の1の韓国の血にものすごくこだわったのも、それが関係してるんじゃないかと。もっとも、これはただの憶測だし、鷺沢さんが不幸だったというつもりもないです。「ウェルカム・ホーム!」というテーマにはすごく思い入れがあったみたいです。ご自分も含めあらゆる人に「おかえり」と言ってくれる場があることを願っていらしたのではないかと思います。 (2004/08/29 17:03)

2004年8月18日 (水)

ビューティフル・ネーム

579「ビューティフル・ネーム」鷺沢萠   新潮社   ★★★

 「在日」である奈蘭は、中学・高校と「奈緒」と名乗っていた。彼女が再び本当の名前で生きるようになるのは、高校時代のチュー先輩との出会いがきっかけだった。(「眼鏡越しの空」)

 「眼鏡越しの空」「故郷の春」の2編と、それに続くものになるはずだった短編の書き出し、死後パソコンから発見された未完の小説「春の居場所」を収録した遺稿集。
 いわば在日ものに直球勝負をかけた短編集になるはずだったものですが、すんなり読めました。実は、鷺沢さんのこだわりにはちょっとついていけないものを感じていたので、読むのためらっていたのですが。うん、こういうスタンスならわかるよ、という感じ。
 「眼鏡越しの空」はちょっと肩に力入ってますが、ドリカムの同タイトルの曲が効果的に使われていて、私の大好きな曲なので、個人的な思い入れでうるうるきてしまいました。
 「故郷の春」は全編語りで構成されていて、ちょっと疲れましたが、ラストがすごくいいです。
 それから、その3作目になるはずだったのは、「眼鏡~」に出てきたチュー先輩が主人公。これ、読みたかったです。ほんの書き出ししかないのですが、物語として完成していたら・・・。
 そして、「春の居場所」はこれらとは全く違う物語。主人公の高校時代の恋の思い出が語られていて、その後結婚して離婚したってとこで途切れています。読んでいて、主人公と鷺沢さんがだぶってしまって。これも完結したものを読みたかった。本当に。
 
 非常に個人的なことなのですが・・・。
 4月15日朝。鷺沢さんの訃報を知りました。頭の中が真っ白になりました。
 私は鷺沢さんと同世代なので、常に注目していました。公式サイトにはちょくちょくお邪魔して、日記にも登場させていただいたことがあります。気さくなんだけど、かなり細やかな心遣いをされる肩だなあと思ってました。
 同時にとてもあぶなっかしいというか、なんだか「生き急いでる人」っていう印象もありました。それがまさかこういうことになるなんて・・・。
 鷺沢さんの死は、私にとってはかなりのショックで、いまだに消化できていません。この本もすぐに購入したけれど、今まで読めませんでした。
 でも、4ヶ月たって、ようやく鷺沢さんの残したものと向き合えるような気がします。「ウエルカム・ホーム」も今日買いました。近いうちに読もうと思います。

EKKO > 私もさきほど鷺沢作品をアップしました。私は昨年から鷺沢さんを読みはじめたのですが不思議な吸引力を感じています。本当にまだまだ書き続けてほしかったです。「ウェルカム・ホーム!」も良かったですよ~。 (2004/08/19 23:11)
まゆ > 今まで鷺沢さんの本をハードカバーで買ったことはなかったんですが、これは遺稿ということで購入しました。未完の小説を世に出すのはどうかと思っていたんですが、これを出版したいと思った編集者の方の気持ちがわかる気がしました。でも、本当に続きを読みたかったです。それがもうできないのだという事実に打ちのめされています。 (2004/08/20 00:18)
たばぞう > 先日「ウェルカム・ホーム!」を読みました。読みやすく、また良いお話でした。このまま「ウェルカム・ホーム!」シリーズで書いてほしかったくらいだったのに~。人生とはままならないものですね。 (2004/08/21 21:50)
まゆ > 「ウェルカム・ホーム!」はかなり評判いいんですよね。同じテーマで舞台もプロデュースして、脚本も書いていたのに。鷺沢さんは結局その舞台を観ることなく・・・。残念です。 (2004/08/21 22:51)

2003年12月22日 (月)

大統領のクリスマス・ツリー

406「大統領のクリスマス・ツリー」鷺沢萠   講談社文庫   ★★★

 「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」・・・ワシントンで出会った香子と治貴は一緒に暮らし始めたが、生活は楽ではなかった。しかし、香子がバイトで生計を支え、やがて治貴も司法試験に合格し、二人の夢は確実に実現していくかに見えた。けれど、幸福は一時のものでしかなかった。

 もう7年ほど前に購入して、当時お風呂読書の友として、繰り返し読んだ物語です。初めて読んだ時はアンハッピーエンドの結末が悲しくて、けっこうどんよりしたものですが、なぜか何度も読んでいた・・・という不思議な一冊。
 久しぶりに読み返しましたが、これはもう「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」という台詞を書きたいがために作られた物語なのじゃないかと感じました。この台詞を読んだ瞬間、「おお~、これだあああ!」って感じちゃいまして。
 話としては、なかなかキツイものがあります。決して明るい話ではないし、クリスマスに幸せな気分になりたい人は読んじゃいけない物語です。が、香子の潔いまでの生き方はすごく魅力的だし、ハルだって決して悪人ではないので、ことの善悪というよりも、心がすれ違ってしまったせつなさがじわじわと伝わってくるのです。その辺が、私がこの話を何度も読んでしまった理由のような気がします。

みちまろ > こんばんは。映画を観て小説を読みました。映画は原作とは結構違っていましたがラストシーンがとても良かったです。妹を演じた女優さんも綺麗でした。妹が目立っていた映画の感覚で読んだので、姉とそのパートナーの物語だった原作は、結構シビアな印象を受けたのを覚えています。 (2003/12/23 01:33)
青子 > 小説は読んでませんが、何年か前に映画館で見ました。みちまろさんのレスがなかったらあの映画の原作だと気付きませんでした。妹が確か羽田美智子でラストシーンの雪の中、別所哲也とドーシテくっつかないのか不満でした。 (2003/12/23 13:53)
まゆ > みちまろさんと青子さんとでは、映画のラストシーンに対する感想が真逆ですねえ。ふむふむ。実は映画化されるというので買った本なのですが、映画は小説とかなり違うと聞いて、観なかったのですよ。アンハッピーエンドだし・・・と思いながら、この話けっこう好きなんですよね。 (2003/12/23 19:34)
EKKO > 鷺沢さんの小説って不思議な魅力がありますよね。この本も悲しい話ですが、ひきつけられるものがありました。私は鷺沢さんの「バイバイ」が、何故か不思議と心に迫って繰り返し読んでしまう1冊なんです。 (2003/12/23 22:21)
まゆ > 「バイバイ」は個人的に非常に身につまされる話なので、一回読んだきりなんです。でも、話がだんだんうろ覚えになってきてるので、近いうちに読み返してみようかな。 (2003/12/24 00:06)

2002年11月23日 (土)

ウチにいないぞ、俺!

79「ウチにいないぞ、俺!」鷺沢萠   角川文庫   ★★★

 鷺沢萠公式サイト「オフィスめめ」の日記コーナーの文庫化第3弾。2001年1月~6月を収録。
 今回のサブタイトルは「方言バトル編」。いろんな方言がいっぱい出てきて笑えます。しかも、おかしいのは、ネタ提供者が「ええっ、これって方言じゃなかったの!」と驚いてるところ。でも、私も「手袋履く」は標準語だと信じてました…。
 さらに、地方間の深くて暗いバトル(例:富士山はどこの県にあるのか)や、家庭語(自分の家だけで使ってる言葉)などなど。めちゃめちゃおかしいです。
 サイトの管理人わたべさんとのくだらない(失礼!)やりとりも健在。
 いつもこのサイトはチェックしてるのですが、まとめて読むとまたおもしろい。
 今回いちばんウケた話。リモコンを家庭内でなんて呼んでいるか。
 「電波飛ばし」

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