森絵都

2016年6月 4日 (土)

クラスメイツ<後期>

2438「クラスメイツ<後期>」 森絵都   偕成社   ★★★★

問題だらけの1年A組。残すところはあと半年。彼らのクラスは、いったいどうなる?

久保由佳、心平、田町、日向子、ノムさん、このちゃん、近藤、楓雅、レイミー、真琴、イタル、ヒロ。今回は、彼らが主役。

前期は脇役だった彼らが、いよいよ主役に。もちろん、前期で主役だった子たちも登場して、それぞれに「変化」を見せます。

不登校になっていた田町の話や、福祉施設に体験にいったこのちゃんの話が印象的でした。

彼らは、すごく純粋。中学生って、こういう時代なんだなあと、つくづく思いました。日常はそんなこと思いもしませんけど(苦笑) 職業柄、学校ものは敬遠しがちなんですけど、これは気持ちよく読めました。

ラストはどうするのかなと思ってたら、そうきましたか。いいですね、こんな感じ。

2016年6月 3日 (金)

クラスメイツ<前期>

2437「クラスメイツ<前期>」 森絵都   偕成社   ★★★★

公立の北見第二中学校。1年A組24人それぞれを主人公にした24のストーリー前編。

森絵都さんを読むのは久しぶりです。

まず、アイディアがおもしろいな、と前から気になっていて。

前編は、4月から9月まで。千鶴、しほりん、蒼太、ハセカン、里緒、アリス、吉田くん、陸、ゆうか、美奈、敬太郎、タボの12人が主人公。

ごくごく普通の子たち。どこにでもいそうで、どこでもありそうな出来事の連続。もちろん、ちょっとした事件は起こるけど。イマドキの子というより、親世代の私でも「ああ、そうだよなあ」と共感できてしまうのです。

それに、主人公が変わると、さっきまで主人公だった子が脇役になって、別の面を見せたりする。当たり前のことなんだけど、それがすごくおもしろかったです。同じ場面でも、視点が違うと全然違うものに見えたり。

一編一編、どこまで書くかって難しい気がするのですが、これは書きすぎないところでさらっと終わりになる。そのバランス感覚がすごく好きでした。

2015年4月16日 (木)

気分上々

2269「気分上々」 森絵都   角川文庫   ★★★★

2000年から2012年までに発表された短編から選りすぐった9編を収録。

「ウエルカムの小部屋」「彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日」「17レボリューション」「本物の恋」「東の果つるところ」「本が失われた日、の翌日」「ブレノワール」「ヨハネスブルグのマフィア」「気分上々」

森絵都を読むのは、久しぶり。なんとなく元気がでるものを読みたくなって、借りてきました。

お気に入りは、「17レボリューション」、「本物の恋」、「東の果つるところ」、「ブレノワール」、「ヨハネスブルグのマフィア」。

せつない話もあって、すべてがハッピーエンドではないんだけど、登場人物もかっこいいばかりじゃないんだけど(むしろ、かっこ悪いんだけど)、なんかこう、「明日も生きていけるかな」という気分にさせられるのです。人生に失敗しても、恋を失っても、大切な人をなくしても、それまで一生懸命生きていたから、きっと明日も生きていける、みたいな。

これ、買っちゃおうかな。

2011年12月22日 (木)

架空の球を追う

1798「架空の球を負う」 森絵都   文藝春秋   ★★★

少年野球の練習を見ながら。咲き始めた桜の下で、若いカップルに写真撮影を頼まれて。灼熱のドバイで。百円均一で買ったカブトムシを森に放そうとして。バルセロナの空港で。・・・人生の一瞬を切り取った短編集。

私のお気に入りは、「二人姉妹」と「太陽のうた」。

前者は、姉妹の微妙な心の溝を、従姉妹の目を通して描いたもの。彼女たちがぎくしゃくする原因はわかりますが(私だって絶対嫌だ)、それが意外な着地点にたどりつくのがおもしろかったです。

後者は、難民キャンプに暮らす女性の話。彼女の人生については、語る言葉をもちませんが・・・それでも生きていく意志を表す「太陽のうた」が印象的でした。

「ドバイ@建設中」や「彼らが失ったものと失わなかったもの」はできすぎな気がしましたが、でもまあ、いい話だな、と。

何の統一性もない感じの短編集ですが、なにげないけれど妙に心に残る一瞬だったり、ふだんなら通り過ぎてしまうだろう出来事を切り取ってみせる手腕はさすが、です。森さんの興味関心のベクトルが、なんとなくわかるような気がします(かなり多岐にわたっていますが)。

2011年7月25日 (月)

この女

1731「この女」 森絵都   筑摩書房   ★★★★

阪神淡路大震災前夜の1994年。大阪はドヤ街で暮らす青年・甲坂礼司のもとに、奇妙なバイトの話が舞い込む。神戸の実業家の妻をモデルに、小説を書いてほしいのだという。その女・・・二谷結子には、すでに3人の小説家の卵が挑戦したが、いずれも失敗したらしい。依頼人にも何か裏がありそうだったが、前金100万円という豪気な話に、礼司は頷いてしまう・・・。

「この作家はこういう話を書くべきだ」というのは、読者の(特に、ファンを自認する読者の)いかに勝手な思い込みか、というのを痛切に感じた一冊でした。

私は森絵都のヤングアダルト時代の作品の大ファンで、彼女が「大人向けの」小説を書くようになってから、遠ざかっていました。私の好きな森さんと違う。そんな気がしたからです。それなのに、久しぶりにこれを手に取ったのは、「阪神大震災前夜の・・・」というコピーに惹かれたからでした。

好きな作家には、いつまでも好きな路線で書いていてほしい。それは、ファンの勝手な思いこみでしかありません。森さんは、きっとそういうことも全部承知の上で、自分が書くべきもの、書きたいものを突き詰めていったのかな・・・と。そんなことを考えながら読んでいました。

私の好きなテイストかと聞かれたら、ノーと答えます。でも、この物語は、読んでいるうちに、だんだん引き込まれるように、夢中になってしまったのです。

バブルが弾けたあとのうつろな時代。景気はこれでもかと悪化し続け、貧富の差は拡大し、カルト教団が跋扈し、そして、あの大震災がやってくる。あの時代を生きていた私たちにさえ、いまだ混とんとしている時代。今思い出しても、「あれはいったい何だったんだろう」としか思えない時代。この物語の主人公は、まさにあの「時代」ではないでしょうか。

若くしてドヤ街で生きることになった礼司。男好きのするタチなのを最大限に利用しながら、男にすがらず生きる結子。小説家(の卵)と、そのモデルとして知りあった二人が、あの時代をかっこ悪く生きていく話です。それぞれの抱えている過去や事情は、まさにこの国のどこかで、実際に起こっていること。決して珍しくないことなのだろうということは、今ならわかります。でも、90年代当時、どれだけそういうことが認知されていたのだろうと考えると・・・。

この小説は、震災から15年後、礼司の書いた小説が見つかったという書簡で始まります。礼司は、震災で行方不明になったようで、その書簡が誰から誰へ宛てたものなのかもわかりません。が、最後まで読んで、もう一度冒頭の書簡を読むと・・・この手紙を受け取る人物が誰なのか、その人が礼司の小説を読んでどんな気持ちになるのか、想像しただけで、胸がいっぱいになってしまいました。

世の中は困難に満ち溢れています。それでも、生き抜く力。その尊さを教えられたような気がする物語でした。

2008年4月28日 (月)

いつかパラソルの下で

1287「いつかパラソルの下で」森絵都   角川文庫   ★★★★

 厳格な父が死んだ。父に反発し、家を出た野々と兄。父に従って生きてきた妹。きょうだいたちは、父の死後、意外な事実を知る。父に愛人がいたのだという・・・。あの厳格な父の中にいったい何があったのか?きょうだいは、父のルーツである佐渡へ向かった。

 待望の文庫化です。

 森絵都の「大人向け」小説。前半は、こんなもんかなあ・・・と思って読んでいましたが、野々と恋人の達郎の間がぎくしゃくし、佐渡へ向かう辺りからなんとなくひきこまれるように読んでいました。

 異常なほど厳格な育てられ方をして、それぞれに何かが欠けたようになってしまった野々たちきょうだい。それは、「父のせいだ」という思いがぬぐえずにいて・・・。それって、実は親離れしてない証拠なのですよね。そう言ってしまうと、身も蓋もないのですが。森絵都は、そんな言い方をせず、野々たちを優しく導いて、「大人」にしてくれます。

 佐渡へ行ったからといって、何がわかるわけでもありません。わかることと言ったら、父もまたジタバタして生きた、一人の人間だったということだけ。でも、それを通して、野々たちは、「父のせい」にするのをやめて、ちょっとだけ人生に前向きになります。

 その過程が、説教くさくなくて、読んでいて心地よいのです。「カラフル」や「つきのふね」など、児童書を読んだときにも感じましたが、読者に価値観をえらそうに押し付けないのです。すーっと読み手の心に入ってくる。私が森絵都を好きな理由の一つです。

2006年10月 3日 (火)

風に舞いあがるビニールシート

1031「風に舞いあがるビニールシート」森絵都   文藝春秋   ★★★

 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の面接試験で里佳はエドに出会った。恋におち、結婚したものの、難民キャンプという最前線で働くことを生きがいとしているエドと、東京勤務の一般職員の里佳の溝は深まり、やがて離婚。そして、エドは赴任地で不慮の死を遂げる・・・。

 直木賞受賞作。表題作を含む6つの短編。
 表題作は、森絵都さんが「今書かねば」という思いに突き動かされて書いたのかもしれません。短編とはいえ、濃い物語でした。「風に舞いあがるビニールシート」とは、紛争の地で、あまりにも簡単に吹き飛ばされる「人の命」や「尊厳」や「ささやかな幸福」の象徴です。それを必死に手を差し伸べて引きとめようとしていたエドと、彼の妻であった里佳の物語。
 人の肌のぬくもりを知らずに育ったエドが、死の間際に感じたものは・・・というくだりは、なんともせつなく、温かいものがありました。声高に正義を叫ぶのではなく、そういう「人」の物語として描いたところが、この話をうまく着地させていると思います。
 
 ただ、全般的に、「これが森絵都?」と思いながら読んでいました。特に、「器を探して」「犬の話」「守護神」は、登場人物にいまいち共感できないし、なんだか森さんらしくないなあ・・・と。
 「鐘の音」は、主人公の不器用なまでのつきつめ方が「らしい」かなと思いましたが、最後がちょっと・・・。
 「ジェネレーションX」は読後感がよかったですが、なんか物足りない。
 では、私は森絵都に何を求めているのか。あれこれ考えてみましたが。かっこ悪くても、うまくいかなくても、それでも最後には顔を上げる強さとか。独特の生命力を感じさせる登場人物とか。そういうものなのかなあという気がします。それらがちょっと影を潜めてしまっていて、若干ものたりなかったです。

2006年5月29日 (月)

永遠の出口

983「永遠の出口」森絵都   集英社文庫   ★★★★★

「私は、<永遠>という響きにめっぽう弱い子供だった。」
 小学校三年から、高校卒業まで。友達とのお誕生会、魔女のような担任との闘い、ふとしたきっかけでグレた時期、両親のいさかい、初めてのバイト、初めての恋、そして・・・。
 
 森絵都さんが、自分の少女時代をベースにして描いたのだろう、この作品。森さんと同世代の私にとっても、「そうそう、そうなんだよね」の連続でした。
 友達との微妙な人間関係に神経をとがらせていた小学生の頃。世界はとっても狭くて、その中で右往左往していた私たち。
 いろんなものに反発し、そのくせ自分の手ではなにもできなくて、そういう自分がいちばん嫌いだった中学生の頃。
 人と関わること。世の中に出ていくこと。否が応でもそういう現実と直面して、ものすごくシリアスに悩んでもいた高校生の頃。
 楽しかったこともたくさんあった反面、そういう「痛い」「恥ずかしい」「できれば忘れていたい」こともたくさんあったなあ、と思い出させられました(苦笑)
 主人公・紀子と全く同じ経験をしたわけではありませんが、「ああ、わかるわかる」ということがたくさん。すごく、身につまされました(グレてはいませんよ、念のため)。
 こういうものを小説にすると、「昔はよかった」「あの頃が懐かしい」という感傷に流されがちな気がしますが、この小説はちゃんと踏みとどまっているところがよかったです。きちんと地に足がついているところが。そういうところが、とっても好きです。

「だけど、私は元気だ。まだ先へ進めるし、燃料も尽きていない。あいかわらずつまずいてばかりだけれど、そのつまずきを今は恐れずに笑える。
 生きれば生きるだけ、なにはさておき、人は図太くもなっていくのだろう。
 どうかみんなもそうでありますように。」

ゆきみ大福 > 私もこれ大好きです。まゆさんの仰るように「昔回顧」で終わらない感じが私もすきでした。もちろん懐かしい身に覚えのあることオンパレードでしたけど(私もグレませんでした・笑)。そんな日々があったからこそ今がある。そう思います。未来の自分が回顧したときに、煌いて見えるような今を過ごせたらとも思います。 (2006/05/30 15:34)
さくら > あれ、まゆさんこれ未読だったんです?もう読まれてるかと思っていました。
これ、同世代の人間にとっては目茶目茶はまりますよね~~。自分の日記かと思うほど、「こういうことあった~」ってことがたっぷり。
本当に、忘れていたたくさんの当時の気持ちを思い出してものすごく懐かしかったです。こういうきっかけでたくさんのものが蘇るのって嬉しいですよね。 (2006/05/30 18:00)
kanakana > 私もヤンキー経験はないのですが、けっこう共感しながら読みました。お誕生会とかひいきする先生とか。自分はいつ出口を抜けたのか?あれこれ考えましたが、思い当たりませんでした。 (2006/05/30 19:21)
まゆ > ゆきみ大福さん、身に覚えのあること満載で、おもしろいけど複雑な心境でした(笑)でも、これに共感する人が多いってことは、みんな似たり寄ったりの経験して大人になってるんですねえ。「未来の自分が回顧したときに、煌いて見えるような今を」・・・本当にそうですね。 (2006/05/30 23:05)
まゆ > さくらさん、そう、未読だったんですよ。文庫になってすぐ買ったんですが、なんとなく読む勇気がなくて(苦笑)いざ読んでみると、それぞれの時代の「そんなこと、あったなあ」っていうのを、実に細かく丁寧に描いていて、身につまされました。あったことだけじゃなくって、気持ちまでリアルに思い出してしまう・・・気恥ずかしいけど心地よかったです。 (2006/05/30 23:09)
まゆ > kanakanaさん、ほんと、共感してしまいますよね。私もいつ出口を抜けたんでしょう?「抜けた」のはわかるんですが、いつ?というのは自分でも謎です。そんなものかもしれませんね。 (2006/05/30 23:12)

2006年1月25日 (水)

つきのふね

929「つきのふね」森絵都   角川文庫   ★★★★

 中学生のさくらは、万引き事件がきっかけで、親友の梨利と気まずくなってしまう。梨利を好きな勝田くんは二人の関係を修復しようとするが、さくらは自分の裏切りを許せない。やがて、さくらの心のよりどころだった智さんも心を病んでいき・・・。

 実は、この話、刊行された当時(1998年)、一度手にとっているのです。前任校の図書館で。でも、当時は中学生が主人公の話なんか読める心境じゃなかったので(今も微妙ですが)、さわりだけ読んでやめました。
 文庫化されたのを見て、表紙がきれいだったのでなんとなく買ったのですが、全然期待せずに読みました。約1時間。あっというまでした。特にも後半、智さんが壊れていってからの展開は、話のうねりの中に引き込まれて、没頭しました。さすが、森絵都。
 主人公のさくらたちは、私にとっては教え子世代。やはり、姿がダブって見えます。今の子たちが将来に感じる不安、希望をもてない虚しさ・・・そういうところが。そして、あまりにまじめなために心を病んでしまう智も。
 みんながもがいていて、それでも生きていて、だから苦しくて・・・。そんな彼らの希望になるのが、智の友人の露木からの手紙。いえ、正確には、小学二年生の時に、智が露木に書いた手紙。これは反則でしょう、森絵都さん!と思いながら、泣いてしまいました。「小さいけどとうといもの」はきっとあって、だから私たちは生きていけるのでしょう。人と関わりながら。

 私の中学時代の恩師の口癖は、「生徒に夢をもたせる指導を」です。「未来なんて来なければいい」という梨利の言葉の前に、私に何ができるのだろうと考えずにはいられませんでした。

いの > みんながんばって生きてる。でも上手く生きられなくて、不安で…まじめで繊細で優しい心たちが切なかったです。もとは児童書ということで、この本を現役中学生たちはどんな気持ちで読むんだろうと思ってしまいました。あっという間に読めてしまうけど、すごく心に残った作品です。 (2006/01/26 00:14)
three bells > ずいぶん前に読んで忘れてしまっています。再読したいです。近頃、若い人が今の自分を書くような小説を読んでいたからか、森絵都さんからの投げかけに考えたい私です。 (2006/01/26 17:57)
さくら > 彼女達が苦しみながらも自分に向き合っていく姿に打たれました。手紙!本当に感動的でした~ (2006/01/26 18:39)
まゆ > いのさん、「まじめで繊細で優しい」・・・そうなんですよね。だから傷つきやすいんでしょうけど。これで感想文を書いた中学生もいましたが・・・短いわりにはいろんな要素がつまっていて、感想文核には難しいかもしれません。 (2006/01/26 19:33)
まゆ > three bellsさん、私は「今」読んでよかったなあと思っています。さくらや梨利や勝田くんのことも、智さんのことも、今だから受容的に読めたなあ、と。再読、おすすめします。 (2006/01/26 19:35)
まゆ > さくらさん、「手紙」、反則ですよね(笑)最後の最後にあれを持ってきますか、という・・・。作者の思惑通り、ほろりときてしまいました(笑) (2006/01/26 19:37)

2005年7月 7日 (木)

アーモンド入りチョコレートのワルツ

820「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都   角川文庫   ★★★★

 奈緒と君絵が通うピアノ教室の絹子先生は、ちょっと変わり者。その教室に突如現れたのは、エリック・サティそっくりのフランス人のおじさん。やっぱり彼も変わり者で・・・。

 「どうして私が中学生のときに、この作家に出会えなかったのか!」by角田光代・・・全く、同感でございます。つくづく、もっと若い時に読みたかった。10年くらい前に、職場の図書館にあったのですが(もちろん、その頃でももう「若い」とは言えない)、「中学生向けだし」と思って、読まなかったのでした。ああ、後悔。

 「子供は眠る」・・・・シューマン「子供の情景」
 「彼女のアリア」・・・バッハ「ゴルドベルグ変奏曲」
 表題作・・・・・・・・サティ「童話音楽の献立表(メニュー)」
 と、ピアノ曲にまつわる、3つのお話。
 いとこたちが集まる夏の2週間を描いた「子供は眠る」。不眠症の少年の恋を描く「彼女のアリア」。そして、表題作。いずれも、森絵都らしく、すっきりとしているけれど、せつなくてやさしい、素敵な物語。それぞれにタッチは違えど、甲乙つけがたい三話です。
 中学生が主人公ですが、彼らが感じているものがけっこうわかる気がするのです。狭い世界の中であがいたり、不安になったりしてるんだけど。「でも、大丈夫だよ」っていう作者の声が聞こえてきます。変わり者でも大丈夫。フツーでも、大丈夫。
 ピアノ好きなので、ピアノがモチーフになってるだけで、お気に入りです。何かに似てるなあと思ったら、佐藤多佳子「サマータイム」を思い出していたのでした。ピアノつながりで。あれも好きですが。

 ところで。
 直木賞候補作、発表になりましたね。
 森絵都さん、「いつかパラソルの下で」で堂々ノミネートです。三浦しをん「むかしのはなし」も。そして、とうとうきました。恩田さん「ユージニア」で候補に入りました!!
 私の大好きな御三方そろい踏みで、ビックリするやらうれしいやら(ほかにも候補はいます。もちろん)。さて、誰になるんでしょうね。

北原杏子 > 森絵都さん、直木賞にノミネートされてたんですか!それはすごい… そしてそれだけじゃなくって、しをんさんも恩田さんも!?すごいですね。恩田さんは除いて、森絵都さんしをんさんの2作は両方とも読んだので。どうなるのか興味津々です。 (2005/07/08 00:35)
ありんこ > まだ読んでいないのですが、タイトルがかわいくってどんな話しかなと思っていました。ピアノ曲にまつわる話なんですね。森絵都さん、直木賞候補ですか。誰がとるんでしょうね。 (2005/07/08 09:51)
ゆんゆん > まゆさん、はじめまして。私はあまり女流作家の作品を読んだことがなかったのですが、まゆさん方の日記を読ませていただき、是非今度図書館で予約を!と思っています。この本はピアノ曲がでてくるのですね。私もピアノが大好きなので是非、この本を読みたいと思いました。直木賞も女性の方が多くノミネートされていてどの方が受賞されるかドキドキですね (2005/07/08 12:16)
まゆ > 北原杏子さん、ありんこさん、ゆんゆんさん、今回の直木賞の行方は、いつも以上に気になります。大好きな作家さんたちがこんなにノミネートされてるって、そうそうないですもん。

北原杏子さん、私は森絵都さんのが未読なんですよ。「永遠の出口」も読んでないし。買っちゃおうかなあ。
ありんこさん、ピアノ曲がそれぞれにうまく使われていて、とっても素敵な話に仕上がっています。読みやすいし、おすすめ度高いですよ。
ゆんゆんさん、はじめまして。これは児童文学というか、ヤングアダルトに分類されるのかな。最近、児童文学畑出身の女性作家が充実してますよ。森絵都さんはおすすめの一人です。いい作品多いです。 (2005/07/08 21:30)
ゆんゆん > まゆさん、森絵都さんって児童文学がご専門なのですね。お薦めくださり有難うございました。 (2005/07/09 15:47)
まゆ > ゆんゆんさん、もともとは児童文学からスタートしていて、「DIVE!!」「カラフル」など、傑作も多いです。本プロでもたくさんアップされてますので、見てみてください。 (2005/07/10 20:02)
たばぞう > まゆさん、お久し振り!。森さんのこの文庫、私も買いました♪。まだ読んでいないけれど。2冊買ったら可愛い文庫カバーがもらえますよね。うーん、アランジ・アロンゾにしようかな?。まゆさんはどれにしましたか?。
森さんの「いつかパラソルの下で」は今読んでいます。「カラフル」と「永遠の出口」しか読んでいない私にとっては、すごーい大人の世界でドキドキ(?)してますよ!。この大人な物語、どう着地するのかなぁ?。 (2005/07/12 20:47)
まゆ > たばぞうさん、お久しぶりです~。お元気でしたか?文庫カバー、まだ迷ってます。ケロロ軍曹?いやいや、やっぱり猫のにしようかな。
この話は、児童文学なんだけど、いいですよ~。もっと若い頃に読みたかったなあ。「いつか~」もすごく気になってるんですが。図書館に入らないかな。 (2005/07/13 00:03)
ケイ > こんにちは。私のところにレスありがとうございます。森絵都さんも好きです。この本も読んでみたい。大人になってからも、いいなあと思う作家ですよね。文庫カバー、アランジ・アロンゾ。。かわいいな~次女が好きなんです。本屋さんに行ったらみたいな。私はすっかりおばさんなのに、中身は進歩なしです。。まゆさんも読書、進まれてますね。いつもすごいなあと思っています。またね~♪ (2005/07/15 09:41)
まゆ > ケイさん、これは予想外に(と言ったら失礼ですが)よかったです。一話一話があんまり長くなくて、読みやすいですよ。最近は体調を整えるほうを優先して、本を読むペースは落ちてますが、のんびりやります。 (2005/07/15 20:21)
北原杏子 > 文庫カバー、私は猫のにしました。(名まえは忘れましたが)このあいだ、本屋さんにいったら見本を置いてました。くるのが楽しみ。恩田さんは残念でしたね。今回、賞を取った作家って全く知らない作家ばかりでした。 (2005/07/15 23:33)
まゆ > 北原杏子さん、MAYA MAXXですね。私もそれにしようかと思ってます。やはり猫好きの私としては。そして、同じく芥川賞も直木賞も、全く知らない作家さんでした。 (2005/07/17 20:33)
buudy > 全部よかった。たぶんこれ、森絵都さんの作品で一番好きです。あえてこの中で選ぶなら、ぼくは「彼女のアリア」が一番かな。最後の音楽室に行く場面なんか最高です! (2007/01/21 17:21)
まゆ > 私は「子供は眠る」が好きです。でも、森絵都で一番好きなのは、「DIVE!!」ですね。 (2007/01/21 21:19)

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