梨木香歩

2020年5月12日 (火)

りかさん

「りかさん」  梨木香歩      新潮文庫      ★★★★★

再読です。

「からくりからくさ」に連なる物語。「りかさん」は、幼い蓉子と人形のりかさんの話。「ミケルの庭」は、マーガレットの娘・ミケルをめぐる物語。

蓉子たち4人のつながりが、これを読むとさらによくわかります。「からくりからくさ」のラストで、マーガレットが笑い声を耳にしたことの意味。蓉子の役割。なぜ、彼女がこの物語に必要だったのか。

人の思いは簡単に飼い慣らせるものでなく。教科書通りに整理できるものでもなく。私たちは、それを抱えて生きていかねばならないわけで。その時に、道を違えてしまわないように手をさしのべる。そんな生き方ができるのが、蓉子なのでしょう。

深い深い物語です。

2020年5月11日 (月)

からくりからくさ

「からくりからくさ」  梨木香歩      新潮文庫      ★★★★★

再読です。部分的に読み返したことはありましたが、通して読んだのは2003年以来です。

一軒家で共同生活をする若い女性たち。染色家の蓉子。紬を織る紀久。キリムを研究する与希子。鍼灸を学んでいるマーガレット。彼女たちの暮らしと、不思議なつながりが、静かに描かれます。

不器用なくせに手仕事に憧れてきた私には、蓉子たちが草木染めをしたり、その糸で布を織ったりするのが、ある意味理想の生活。とは言え、彼女たちは優雅な暮らしをしているわけでなく、人ゆえの苦悩や葛藤がじわじわと描写されます。

紀久と与希子の思いがけないつながりとか、紀久の苦悩が印象に残っていましたが、今回読んでハッとしたのは、クルド難民の話と、次の言葉です。

「この変化は地球規模の変化だから、犠牲が要るとしたらそれもそういう規模のものになるのかしら」

そして、やはり心打たれたのは、紀久が手紙に書いたこの言葉。

「人はきっと、日常を生き抜くために生まれるのです。/そしてそのことを伝えるために。」

今の私には道しるべにも等しい言葉です。


2019年5月15日 (水)

f植物園の巣穴

2898「f植物園の巣穴」 梨木香歩   朝日文庫   ★★★★

 

f郷の植物園に赴任した佐田豊彦は、奇妙な現象に次々遭遇する。頭が雌鳥に見える大家。前世は犬だったという歯科医の家内。ナマズのような神主。そうして佐田は、椋の木の巣穴に落ち、さらなる異界に足を踏み入れる。

 

ずっと気になっていtけれど、なぜか手に取らずにいた一冊。

梨木さんの物語の主人公は、「喪失」を抱えている人が多いことを再認識しました。主人公の佐田は、妻を失ってこの地にやってきました。妻が亡くなってから、彼女が身ごもっていたことを知り、そのことをうまく消化できないままふわふわ漂っている感のある佐田。なんとも奇妙なf郷で暮らすうちに、妻の千代と、幼いころ「ねえや」として仕えていた千代という女性とが混ざり合い、佐田は忘れていたあれこれを思い出していきます。

喪失の記憶はつらく、佐田は生きていくために心を固く閉じてしまっているような男です。感情が滞ってしまっていて、自分でもそれを流すことができない。だから、いつまでもつらい時間が停滞している。いっそ感情を爆発させてしまえば楽になるのに、それができない不器用さ。

さまざまなモチーフが折り重なり、佐田の心を溶かしていくのですが・・・特にも印象的だったのは、「水」と「乳歯」。それらに託された重層的なイメージが、徐々に形を成し、佐田を喪失から立ち直らせていく過程は、しみじみと胸に沁みました。特にも、「道彦」命名のくだりは・・・。

不思議なもので、本は出会うべきときに出会うものだと痛感する時があります。私にとっては、この本がまさにそうでした。刊行が2009年、文庫化は2012年のようですが、その当時の私には、たぶんこれはあまり受け入れられなかった気がします。今だからこそ、佐田の喪失感にも、再生にも、それぞれ感じるものがあり、物語のもつ力を信じることができました。

2016年6月12日 (日)

エストニア紀行

2442「エストニア紀行」 梨木香歩   新潮文庫   ★★★★

バルト海に面した国・エストニア。他国に支配された歴史をもつ小国は、豊かな自然と文化が息づく場所だった。

副題「森の苔・庭の木漏れ日・海の葦」。印象的な虹の写真を表紙に戴いた紀行文です。

エストニアについては、よく知りません。なんとなく心惹かれるものはあるのですが、今まで特にこれといって知ろうとはしませんでした。

梨木さんの視線は、ありとあらゆるものに向かいます。町並みや、そこに暮らす人々、森の様子、動植物の在り様などなど。それを読んでいると、いつのまにかエストニアを自分も旅しているような気分になります。

そして、どんどん深化していくその視線は、いつか地球規模にまで拡大し、飛躍します。生きることの意味。この世界で生きることの意味。そんなものを考えさせられます。

一冊の本としては短いものなのですが、梨木さんからのメッセージは膨大で、まだ消化しきれていません。じっくりかみしめていきたいと思います。

2015年9月 6日 (日)

丹生都比売  梨木香歩作品集

2352「丹生都比売  梨木香歩作品集」 梨木香歩   新潮社   ★★★★

壬申の乱前夜、吉野にこもった大海人皇子の息子・草壁皇子は、一人の少女と出会う。口がきけないふうの彼女にキサと名付け、一緒に遊ぶようになるが・・・。

「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「丹生都比売」「ハクガン異聞」の9話。

表題作の「丹生都比売(におつひめ)」は、以前長編で読んだのだけれど、それとはどこか違う・・・と思っていたら、こちらが原型の短編だそうです。草壁皇子は母によって殺されたという説に衝撃を受けて書かれたものだとか。その運命を受け入れる草壁の静けさが忘れられません。

ほかに特に気に入ったのは、「コート」と「夏の朝」。哀しいようなせつないような気持ちになりました。

どの話も、ちょっと不思議な味わいのなかで、登場人物の孤独を感じさせるものばかり。、でも、それは人間誰もがかかえる寂しさなのかもしれません。

ほぼ1年前に出版されていたのですね。図書館で偶然見つけました。読めて、よかった。

2014年5月19日 (月)

海うそ

2127「海うそ」 梨木香歩   岩波書店   ★★★★★

昭和初期、南九州の離島・遅島を訪れた人文地理学者の秋野は、島の風土と歴史に触れ、人々の祈りの跡に心揺さぶられる。そして、五十年後、再び島を訪れた秋野を待っていたものは・・・。

なんだかすごく心惹かれたもので、購入してすぐ読んでしまいました。とは言え、私としては時間をかけて読んだつもりです。

許嫁を亡くし、両親を相次いで亡くし、恩師も亡くした秋野は、どうしようもない喪失の思いを抱えて、恩師がかつてフィールドワークをした遅島へ。独特の植生と風土をもつその島は、実に魅力的かつ生々しく描かれます。時には、読んでいて息苦しくなるほど。特に、中盤から、かつて修験道の本山があった辺りの描写は、秋野と同じようにとりつかれたようになって読んでいました。

明治の廃仏毀釈で土着の信仰を失った島。そもそも、都を失った人たちが住み着いたのかもしれず、詳細な歴史が伝わるわけでもない、「喪失」の島。けれど、豊かすぎるほどの自然にあふれ、何かが息づいている島は、秋野の心をとらえて離さないのです。さらに、そこで出会った人たちとの交流が、秋野を少しだけ癒してくれたような・・・。

物語は、終盤、一気に五十年の時を駆けます。そこで展開するのは、無惨な現実。しかし、それだけではなかったのです。この終盤があってこそ、この物語は意味を成します。本当は得ていた答え。でも、その時は気づかず、時間を経たからこそわかるもの。そして、時間を経てなお変わらないもの。「海うそ」のように。

そうそう、「海うそ」とは何なのか、知りたい方はぜひお読みくださいませ。私は、カワウソの仲間かと思ってました。

静かで、豊かな物語です。

2014年1月 5日 (日)

冬虫夏草

2080「冬虫夏草」 梨木香歩   新潮社   ★★★★

売れない小説家・綿貫征四郎は、亡き友・高堂の生家の守を託されている。行方不明になった愛犬ゴローを探し、鈴鹿山中を訪ねた綿貫が出会ったものとは・・・。「家守綺譚」の続編。

ここしばらく、梨木さんを読めずにいました。何故でしょうね。なんとなく、手が出せなかったのです。

でも、これだけは「読みたい!」と思ったのでした。「家守綺譚」と「村田エフェンディ滞土録」が大好きだったので。それでも、なかなか手に取れず、迷っていましたが・・・とうとう書店で「残り一冊」になったのを見て、購入しました。いやいや、買ってよかった。

綿貫を主人公に、短い話が積み重なっていくのは、「家守~」と同じ。相変わらずこの世ならぬ者たちや、人ならぬものたちに囲まれている綿貫が、実に自然にそれを受け入れ、生活している姿が描かれます。

この国は、ほんの百年前はこうであったのだろうなあと思わされる、そんな物語です。

これをなんと表現していいのかわかりませんが・・・現代の日本が失ったものが、ここにあるような気がします。

2007年9月11日 (火)

ぐるりのこと

1173「ぐるりのこと」梨木香歩   新潮文庫   ★★★★★

 まずは、「ぐるりのこと」から。そうして、個人の生と時代の生について考えていく。日常の暮らしの中で、旅の途中で、心に浮かんだ思いをつづったエッセイ集。

 「春になったら莓を摘みに」がものすごく好きなので、これも大いに期待して読み始めました。ところが、「う、これはちょっとヘヴィかも・・・」と、一瞬後悔。
 けれど、じっくり読んでいるうちに、じわじわとしみてくるのです。そう、梨木さんは、私が目を背けているところをじっと見つめているような人。だからこそ、読んでいるうちに、自分の内側の扉が開いていくような感覚を味わえるのです。

「私たちの社会はここまで来たのだという、それはあまりのダメージなので、そのことの悲惨を深く心に受け止めることを、無意識に拒んだ人々も当然いただろう。」
 長崎の幼児殺害事件に関するエッセイの中の一文です。私も、「無意識に拒んだ人々」の一人です。それは、自分を守るために。でも、梨木さんは、拒んだりしない。そして、えらそうに人を見下ろしたりもしない。自分の足場にすっくと立ったまま、傷つきながら、じっと考えているのです。その強靭な精神に感動しました。
 でも、決して「強い」だけでなく。トルコの寺院で地元の女性のあたたかさに触れて涙したり。自分の無力さに打ちひしがれたり。そういう梨木さんが、あえて目をそらすまいとしていることに、力をもらえる気がするのです。
 そして、そういう人が「物語を語りたい」と言うのが、ずしんと心に響きます。私の欲している「物語」は、きっとそこにある、と確信できます。

 あの日から幾度目かの9.11に、この本を読んだことが、何か意味深いことのような気がします。

トントン > まゆさん、こんにちは。もう文庫で出てるんですね!以前図書館で借りて読んだ時『春になったら~』より難しいと思った覚えがあるんですが、私も文庫を手に入れて改めて再読してみたいなと思います。何度もじっくり読み直したいエッセイですよね。 (2007/09/12 14:50)
まゆ > トントンさん、奥付では7月発行となっていました。私も気づかずにいて、最近買ったんですよ。「春に~」よりは、確かに難しいです。だから、私も最初は「ウ~ン・・・」という感じだったのですが。じわじわと、きました。これからも何度も読み返すだろう一冊です。 (2007/09/12 20:42)
ケイ > お久しぶりです。このエッセイほんとにいいですよね。骨太な言葉と繊細さが入り混じって。境界ということを常に意識しました。五つですね。寺院の涙も大好きなエピソードでした。 (2007/09/12 21:17)
まゆ > ケイさん、お久しぶりです!このエッセイは最初ちょっととっつきにくく感じたのですが、あの寺院でのエピソードで私の中の扉が開いた感じがしました。西洋的なものと日本的なものが融合しているところも、梨木さんらしいなと思いました。 (2007/09/12 21:53)

2006年3月12日 (日)

春になったら莓を摘みに

954「春になったら苺を摘みに」梨木香歩   新潮文庫   ★★★★★

 学生時代の下宿の女主人・ウェスト夫人と、彼女の周りのさまざまな人種・考え方の人たち。彼らとのかかわりから見えてくるもの。イギリスで、アメリカで、カナダで、日本で。梨木香歩の初エッセイ集。

 これは文庫化されたら絶対読もうと思っていて、まるでそれを知っていたかのように友人が「文庫化されたよ」と知らせてくれて、速攻で買いに走った一冊。
 これを読んで、自分が完全に梨木香歩の世界に取り込まれていることを痛感しました。

 いちばん初めの「ジョーのこと」を読んだだけで、気持ちのどこかをギュウッとわしづかみにされたように感情を揺さぶられてしまって、どうしようかと思いました。
 ウェスト夫人の下宿で一緒に生活していたジョーは、「信じられないくらいドラマティックな出来事ばかり起こる」タイプの女性。聡明で快活な彼女が、ある男性と関わったことで、結局梨木さんたちの前から姿を消してしまうまでの話。どうしてそんな男に・・・と思うのだけど、それがジョーの意志なのだろうし、それを見ているしかなかったウェスト夫人や梨木さんの思いを想像するだけで・・・。ああ、これって「からくりからくさ」に似てる、と思ったり(いや、「からくり~」がここから生まれていったのだろうけど)。
 とにかく、いろんな人種・いろんな価値観・いろんな生活が次々と登場し、日本という国から外に出たことのない私には、読んでいるだけでカルチャーショックでした。そういう中でニュートラルに立っていられる梨木さんのしなやかさには脱帽します。「そうでなきゃ生きていけないのよ」と言われそうですが。
 印象的なのは、「毎日を積み重ねるのだ」というしっかりした意志。これは、梨木作品に共通するテーマです。
 そして、もう一つは、梨木さんの人との関わり方です。決して器用にコミュニケーションがとれるタイプではないようですが(失礼な言い草ですが)、相手を尊重し、きちんと自分の意志を伝えようとする(それは言葉でも、態度でも、表情でも)姿勢、伝えようとすることを決してあきらめない強さに、静かに感動しました。
 
  そうだ
  共感してもらいたい 
  つながっていたい
  分かり合いたい
  うちとけたい
  納得したい

  私たちは
  本当は
  みな

 世界情勢や歴史的なことも含め、軽軽しいコメントができない話もたくさんあります。これから何度も読み返す一冊になることは間違いありません。
 単行本で読んだみなさん、文庫には書き下ろしがついていますよ!

北原杏子 > 私はこの本を単行本で買っていたにも関わらず、ずっと積読してました。でも書下ろしがあると知って、また文庫も買ってしまったです。こうなってくると単行本で読むか、文庫で読むか迷ってしまいます。何かもったいないー!! (2006/03/12 22:37)
のろのろ > まあ、まゆさん、読まれたのですね。はやーい。
梨木さんの小説もエッセイも、一見物静かな雰囲気を感じるのですが、その実、熱いものを抱えていると思うのです。
エッセイは、梨木さんも人間だから揺れるのだけれど、それでも一本芯が通っているところ、が魅力なのかも、と思っています。

ええ!?書き下ろしが!!!
それは・・・買ってしまうかもしれません(苦笑)。 (2006/03/12 22:42)
まゆ > 北原杏子さん、ぜひ読んでください。単行本と文庫、両方で(笑)お好きなんじゃないかな~と思うのですが・・・。 (2006/03/13 20:55)
まゆ > のろのろさん、文庫化情報ありがとうでした。もうちょっとゆっくりじっくり読もうと思ったけれど、止まりませんでした・・・。熱い、ですよね、梨木さん。私はそういうところに、どうしようもなく惹かれているのかもしれません。そうそう、書き下ろしあるんですよ。「五年後に」という。日本が舞台の。ふふふ。 (2006/03/13 20:58)
ざしきぼっこ > ウェスト夫人の『間口を広げる』という生き方に感銘を受けました。書き下ろし。。。うう。欲しい。 (2006/03/14 09:27)
すもも > この本、気になっているのに、まだ読んでません。文庫になったのですね。しかも、書き下ろしがあるとは。静かな感動、何度も読み返す一冊・・・。これはもう購入するしかありませんね。 (2006/03/14 10:25)
トントン > え~っ、日本が舞台の書き下ろしですか!気になります。私もかなり欲しい・・・ (2006/03/14 12:36)
ミワ > トントンさんと同じく「え~っ」です!「五年後に」だなんて気になるタイトル・・・。梨木さんのエッセイを読むと、脳内がしばらく梨木モードになるので、ちょっとした覚悟が必要な私です。というか、ほんとはずっとそれを維持しなきゃ~と思うのですが、なかなか、笑。 (2006/03/14 17:10)
まゆ > ざしきぼっこさん、ウェスト夫人の生き方は、梨木さんの中にしっかりと根をおろしている感じですよね。書き下ろしは、8ページくらい。ちょこっとなんで立ち読みもできる分量ですが・・・全体の流れの中で読んでほしい一篇です。 (2006/03/14 20:06)
まゆ > すももさん、おすすめですよ~。梨木作品の根っこがいたるところに現れていて、エッセイと思えないほど(というのは語弊があるかな)中身が濃いです。 (2006/03/14 20:13)
まゆ > トントンさん、ほんとに短いんだけど、文庫だけのおまけです♪ぜひぜひ読んでみてください。 (2006/03/14 20:14)
まゆ > ミワさん、脳内梨木ワールド、わかります。私もそうです。今回もまだぬけきっていません。でも、それでいいのかもなあ、という気もします。 (2006/03/14 20:16)

2005年11月29日 (火)

西の魔女が死んだ

897「西の魔女が死んだ」梨木香歩   新潮文庫   ★★★★

 まいは、学校へ行けなくなった。そして、ひと月あまりを祖母のもとで過ごすことに。英国人の祖母は、実は魔女なのだという。まいは大好きな祖母から魔女の手ほどきを受けるのだが・・・。

 梨木さんの紡ぐ物語は、現実離れしたふわふわした雰囲気をもちながら、ディテールがしっかりと日常に根ざしている。そういうところが、すごく好きです。野イチゴを摘んでジャムを作る、野菜を育てる、ベッドメイキングをする・・・そういうところが。
 そして、梨木さんのお話は、実はかなり痛い。読んでいてひりひりすることや、あまりにも思い当たることがありすぎて「うわああ」となってしまうことが。それなのに、読んでしまうのです。
 私はまいに感情移入するにはちょっと年をくいすぎてしまったなあと思いながら読んでいました。でも、まいがおばあちゃんの元を去るあたりから、なんだか他人事じゃなくなりました。
 苦い後悔。今度はなんとかしようと思っているうちに、「今度」がなくなってしまった衝撃。そして、「西の魔女」からのメッセージを見た(そう、まいと一緒に見た気がしました)瞬間、泣いてしまいました。
 梨木さんの紡ぐ物語は、いつもいつも、私のいちばん弱いところをついてきます。だけど、そこに向き合うことが必要だと思うから、また読んでしまうのかもしれません。

 この話、もし私が書いたら(書けないけど)、ものすごく説教くさい、いやな話になってしまったと思います。このモチーフをこんなふうに物語にしてしまう梨木さんのセンスに、あらためて感動しました。

ざしきぼっこ > まゆさん、ついにこの作品を読まれましたか。ファンタジー的なタイトルの為、まゆさんが手にされるのは難しいかも、と勝手に想像しておりましたが、内容的にはファンタジー色が濃くないので、ぜひ読んでみてほしいと感じておりました。まっすぐ生きる為の魔法。私の大好きな作品です。 (2005/11/30 09:16)
まゆ > ざしきぼっこさん、「ファンタジー苦手」の看板は降ろさせていただきましたが、これは不登校の少女が主人公ということで、職業柄敬遠してました。でも、読んでみたら、とってもよかったです。最近、梨木ワールドにどっぷりつかっています。 (2005/11/30 20:55)

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